JR西日本は30日、新快速の運行開始50周年を記念し、網干総合車両所にて221系、223系1000番台、225系0番台と有料座席サービス「Aシート」を報道関係者らに公開した。福井県から兵庫県まで5府県を走る新快速はJR西日本の看板列車だけに、公開された車両に報道陣の熱い視線が注がれた。

  • JR西日本が新快速50周年の報道公開を実施。221系、225系、223系が並んだ

    JR西日本が新快速の運行開始50周年に向けた報道公開を実施。(写真左から)221系、225系、223系の3形式が並んだ

新快速は1970(昭和45)年10月1日から運行開始した。当初は京都・大阪・神戸を高速で結ぶ列車だったが、現在は福井県の敦賀駅から兵庫県の播州赤穂駅まで、広範囲にわたって運行されている。新快速の運行距離は最長256kmにも及び、名実ともにJR西日本を代表する列車として君臨している。

報道公開された車両のうち、221系は1989(平成元)年から2000(平成12)年まで新快速の運用に就いた。現在はJR京都線・JR神戸線(東海道・山陽本線)の快速、大和路線(関西本線)の大和路快速などで活躍している。

一方、223系1000番台と225系0番台は、新快速の主力車両として現役で活躍中だ。223系1000番台は、阪神・淡路大震災が発生した1995(平成7)年にデビュー。最高速度130km/hの性能を誇り、新快速のスピードアップに貢献した。2019年3月からは、一部編成に有料座席サービス「Aシート」が連結されている。225系0番台は2010年、輸送力増強を目的として新快速に投入された。

  • 1989~2000年に新快速の運用に就いた221系

  • 2010年に新快速に投入された225系0番台

  • 1995年にデビューした223系1000番台

これら3形式が並んだ姿は壮観のひと言。改めて、新快速がJR西日本の看板列車であることを再認識した。公開された車両のうち、223系1000番台には、新快速のメンテナンスに携わる社員の手がけたオリジナルヘッドマークが掲出されていた。このヘッドマークは「Aシート」編成の12号車先頭部分に掲出される。掲出期間は2021年3月31日までを予定している。

有料座席サービス「Aシート」は、横4列(2列+2列)のリクライニングシートが並び、ドア周辺に荷物置場も設置されている。各座席にコンセントとテーブルが設けられ、車内でパソコン等を使っての作業も可能だ。「Aシート」は野洲~姫路・網干間にて、1日上下4本運行され、着席料金は乗車距離に関係なく500円となっている。

  • 横4列(2列+2列)の転換クロスシートが新快速の標準仕様

  • 一部編成に連結された有料座席サービス「Aシート」車両

  • 「Aシート」編成の12号車の先頭部分のオリジナルヘッドマークを掲出

  • 「Aシート」は横4列(2列+2列)のリクライニングシートが並び、ドア周辺には荷物置場が設置されている

車内では新快速50周年を伝える模擬放送も行われた。「このたび、新快速列車は運行開始50周年を迎えました。お客様の日頃のご愛顧に心より感謝を申し上げます。これからも安全、安心を提供し、みなさまの笑顔とともに走り続けてまいります」と、車掌が乗客に伝えるメッセージを読み上げた。

JR西日本は10月以降、スペシャルWEBムービーの公開、オリジナルグッズ販売など、「新快速50周年」の企画を展開する予定としている。