ここまで3連勝の斎藤八段と1勝2敗の羽生九段が10月1日に対決
第79期A級順位戦(主催:毎日新聞社・朝日新聞社)4回戦の▲斎藤慎太郎八段-△羽生善治九段戦が10月1日に関西将棋会館で行われます。
初参加のA級でここまで3連勝中の斎藤八段。糸谷哲郎八段、広瀬章人八段、菅井竜也八段を破っています。3回戦終了時点で他に3連勝者はおらず、首位に立っています。
ここ数年はB級1組から昇級してきた棋士の好調ぶりが顕著です。第74期では順位9位の佐藤天彦八段(当時)が8勝1敗の成績で挑戦権を獲得、名人も奪取し、3連覇を果たしました。第75期も順位9位の稲葉陽八段が8勝1敗でいきなり挑戦。史上初の6者プレーオフになった第76期は、順位10位の豊島将之八段(当時)が6勝4敗でプレーオフに進出。プレーオフでは3連勝するも羽生竜王(当時)に敗れました。記憶に新しい第78期は順位9位の渡辺明三冠(棋王・王将・棋聖)が破竹の9連勝。その後名人も獲得しています。
彼らは皆、連勝街道を突き進んでいました。佐藤天八段と豊島八段は開幕から5連勝、稲葉八段は7連勝、渡辺三冠は9連勝です。斎藤八段もこの流れに乗ることができるでしょうか。
羽生九段は現在1勝2敗。開幕戦の菅井八段戦は制したものの、佐藤天九段、糸谷八段に敗れています。斎藤八段を破って2敗で踏みとどまれば、上位と星の差1つのため、まだ挑戦権争いに残れます。しかし負けてしまうと星の差3つ。挑戦権よりも、むしろ残留を気にしなければならない戦いになりかねません。
羽生九段と斎藤八段のこれまでの対戦成績は、羽生九段の5勝1敗。斎藤八段の白星は、自身タイトル初挑戦となった第88期棋聖戦五番勝負第3局のもの。この番勝負では敗れましたが、その後2度目のタイトル挑戦となった2018年の第66期王座戦五番勝負で、斎藤八段はタイトルを獲得しています。直近の対戦は2019年7月のJT杯将棋日本シリーズ。この時は羽生九段が貫録を見せました。それ以来約1年ぶりの対戦となる今回はどうなるでしょうか。