給湯や調理など、生活する上でガスは欠かせません。ガス代は毎月かかる費用なだけに、もう少し節約したいと思っている方は多いのではないでしょうか。ガス代は、使っているガスの種類や使い方によって変わってきます。
一般的にガス代はどれくらいで、どんな設備に多くかかっているのでしょうか。ガスの種類と料金のほか、ガス代を節約する方法を紹介します。
ガス代の世帯別平均
世帯ごとの1カ月のガス代は、平均的にどれくらいかかるものなのでしょうか。
総務省統計局が行っている「家計調査(家計収支編)」(2019年)によると、ガス代の年平均額は2人以上世帯で月4,852円、単身世帯の平均が約3,011円でした(※1)。
ガス代が多くかかる設備は?
一般家庭の場合、ガスを使う設備は、主に給湯、調理、暖房の3つです。 多くの場合、このうちもっともガスを多く使うのは給湯で、お風呂を沸かしたり、追い焚きしたりする際のエネルギーになります。
暖房機器としては、ガス管やガスボンベにつないで使うガスファンヒーターやガス温水式床暖房などがあります。暖房にかかるガス代は、ファンヒーターの性能や床暖房の面積のほか、ガスの種類によって異なります。
ガスの種類による違いとは?
ガスにはプロパンガス(LPガス)と都市ガスの2種類があり、どちらのガスを使っているかでガス代は変わってきます。それぞれの違いについて見ていきましょう。
プロパンガスと都市ガスの費用の違い
プロパンガスの料金は統一のルールがなく、多くの物やサービスの価格と同じように、販売店が自由に決めることができます。各社が自社の利益や販売コストを考えて料金を決めているので、地域や販売会社によってかなりばらつきがあるのが特徴です。
プロパンガスの料金は多くの場合、基本料金+使った分だけ支払う従量料金という構造になっています。
日本エネルギー経済研究所の調べによると、2020年6月の地域別公表価格は下記のとおりです(※2)。
■プロパンガスの地域別料金(月別)
地域 | 基本料金 | 10m3あたり料金 |
北海道局 | 2,136円 | 9,823円 |
東北局 | 1,884円 | 8,707円 |
関東局 | 1,771円 | 7,312円 |
中部局 | 1,878円 | 7,604円 |
近畿局 | 1,890円 | 7,611円 |
中国局 | 1,976円 | 8,234円 |
四国局 | 1,876円 | 7,737円 |
九州局 | 1,833円 | 7,874円 |
沖縄総合事務局 | 1,747円 | 8,210円 |
一方、都市ガスの料金は、2017年4月のガスの小売全面自由化により、提供会社によって違いはありますが、基本料金+使った分だけ支払う従量料金制であることは同じです。
都市ガスはガス管から各家庭にガスを供給するので、プロパンガスのようにボンベを運ぶ人件費がかからない分、ガス代は安いことがほとんどです。地域差や会社による差はありますが、プロパンガスの料金は都市ガスに比べて、約1.2~2倍といわれています。
プロパンガスと都市ガスの供給方法の違いと見分け方
自宅がプロパンガスか都市ガスかどちらを使っているのかは、供給方法を見れば判別することができます。
プロパンガスは、プロパンとブタンを主成分とした液化石油ガスをボンベに詰めたものです。ガス業者が定期的にボンベを配送しているなら、利用しているのはプロパンガスとなります。
一方、都市ガスは道路の下に埋められたガス管を通じて供給されます。家の周りを見回してもガスボンベがなければ、都市ガスを利用していることになります。
ガス代の計算方法
ガス代の計算方法は、プロパンガス・都市ガスともに「基本料金+従量料金」が一般的です。ここでは、プロパンガスと都市ガスの、料金の計算例をご紹介します。
プロパンガスの料金の計算例
経済産業省が行った「灯油及びプロパンガス消費実態調査」によると、2006年時点での1世帯あたりのプロパンガス使用量平均は、2人以下の世帯で6.5m3、3人世帯で8.9m3、4人世帯で11.3m3です(※3)。
プロパンガス大手の岩谷産業株式会社を利用し、1カ月で8m3のガスを使った場合、ガス代は下記のようになります。
1,800円(基本料金)+660円(5~9.9m3の1m3あたり従量料金)×8=7,080円(税別)
都市ガスの料金の計算例
都市ガスの一般家庭における利用量は、1カ月で30m3程です。 東京ガス・東京地区の一般契約料金で計算した場合、1カ月のガス代は下記のようになります。
1,056円(基本料金)+130.46円(基準単位料金)×30m3=4,969円(税込) ※1円未満切り捨て。