就活や転職で、採用担当者に自らの「行動力」をアピールするには、少々工夫が必要です。

本記事では、就活の自己PRで行動力をアピールする場合、自分の魅力として採用担当者に伝えるポイントについて解説します。また、履歴書と職務経歴書に応用できる例文も10例用意しました。

ほんの少しコツを理解することで「この人に働いてもらいたい」と感じてもらえるアピールも可能です。自己PRでは行動力をメインにアピールすることを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

自己PRで「行動力」をアピールするコツ

自己PRで自身の行動力を好意的に受け取ってもらうようアピールするには、以下のコツを抑えて文章を考えましょう。

  • どんな行動力があるかを具体的に検討する
  • 冒頭で「〇〇する行動力がある」と結論を伝える
  • 行動力の具体的なエピソードを説明
  • 行動力をどのように仕事へ活かすかを説明

これらのコツをきちんと押さえて自己PR文を作成すると、行動力を仕事に活かせることが伝わります。コツを順番に説明しますので、文章作成前に確認しましょう。

  • 自己PRで「行動力」をアピールするコツ

    自己PRで「行動力」をアピールするコツ

どんな行動力があるかを具体的に検討する

「行動力がある」というだけでは、具体的にどんな行動力があるのかが採用担当者に伝わりにくく、あいまいな印象を与えます。行動力に具体性を持たせるには、「私には〇〇する行動力がある」という形で表現するようにしましょう。以下は、どんな行動力があるかを説明した一文です。

  • 私の強みは、周囲の人を巻き込んで物事を達成する行動力だ
  • 私は事前に計画を立てて確実に目標達成する行動力がある
  • 私はどんな状況でも好奇心旺盛で何でもこなす行動力がある

自分が伝えたい行動力とは、どのような行動なのでしょうか。行動力に関連する過去のエピソードをいくつか振り返りながら、最適な表現を検討しましょう。

冒頭で「〇〇する行動力がある」と結論を伝える

アピールする行動力に具体性を持たせる表現を検討できたら、自己PR文の冒頭にその一文を結論として持ってきます。自己PRでは、結論を先に説明することが重要なポイント。採用担当者に、これからどういう長所をアピールするかを印象づけてから、具体的なエピソードの説明につなぎましょう。

行動力の具体的なエピソードを説明する

次に、冒頭で説明した行動力はなぜ強みなのかを具体的に説明するために、過去の経験やエピソードを紹介します。

例えば、「私は事前に計画を立てて確実に目標達成する行動力がある」と冒頭で説明した場合は、その結論を補強するエピソードが必要です。

例)
- 難しい資格試験に合格するために計画を立ててその通り実行 - 無理のないダイエット計画を立てて、1年で〇kgのダイエットに成功 - 自炊を続けて計画的に食材を使い、毎月〇円の食費で納めて〇円の貯金に成功

結論で示した行動力を発揮したエピソードを、過去の経験から探して説明することで、自分の人となりが採用担当者に伝わります。

最後に行動力をどのように仕事へ活かすかを説明

最後に、冒頭で示した行動力を、企業の仕事にどのような形で活かすかを説明して締めくくります。締めくくりで、自分がその会社でどのように活躍できるかを伝えることは、自己PRの重要なポイントです。

アピールポイントが仕事でどのように活かすかを説明しないままエピソードだけで終わってしまうと、自分の行動力を自慢しただけで終わってしまい、自己アピールにはなりません。

企業に受け入れられやすい行動力の例

経済産業省が提唱している「人生100年時代の社会人基礎力」によると、社会で仕事をする上で求められる基礎力として、3種類の力が定義されています。

社会人基礎力の分類 具体的な社会人基礎力
前に踏み出す力 主体性、働きかけ力、実行力
考え抜く力 課題発見力、計画力、想像力
チームで働く力 発信力、傾聴力、柔軟性、情況把握力、規律性、ストレスコントロール力

行動力は、行動特性でいえば、前に踏み出す力のひとつです。企業が求める行動力とするには、考え抜く力やチームで働く力とのバランスが求められます。社会人基礎力を踏まえて、企業に受け入れられやすい行動力の例を確認しましょう。

自分で考えて行動する自立力

前に踏み出す力の主体性と実行力、さらに考え抜く力の課題発見力とチームで働く力の情況把握力との組み合わせ例です。待ち状態ではなく、自分から積極的に動き、課題を見つけて自ら処理する自立した行動力を持っている求職者は、多くの会社が求めている人物像です。

困難な状況を打破するストレス耐性

行動力とストレスコントロール力との組み合わせ例です。行動力だけでなく、さまざまなストレスをうまくコントロールして、柔軟性も発揮しながら困難な状況を乗り越える行動力があれば、どの仕事でもやっていける、と会社から期待されるでしょう。

他人との交流をいとわない積極性

前に踏み出す力の働きかけ力、考え抜く力の想像力、チームで働く力のすべてを総動員する組み合わせ例です。仕事をするには、他人との交流は避けて通れません。積極的に他人と交流できる積極性があれば、仕事がスムーズに進められると認められます。

状況を考えて先読みした行動力

考え抜く力の計画力や想像力、チームで働く力の柔軟性や情況把握力と行動力の組み合わせ例です。ただやみくもに行動するのではなく、状況を観察してある程度予測を立てた上での行動力なら、会社にとって安心でき、さらには頼りにもなる行動力となります。

設定した目標を達成する完遂力

考え抜く力の計画力と行動力の組み合わせ例です。行動力と計画力はセットで発揮することを期待されるため、自己PRで設定した目標を達成する完遂力を示すことができれば、行動力をアピールポイントとして認識してもらいやすくなります。