就職や転職の選考では、自己PRでよく取り上げられる「コミュニケーション能力」。これは、仕事で人と関わる上で欠かせない能力です。

本記事では、ビジネスシーンで求められるコミュニケーション能力や、選考での効果的なPR方法について紹介します。

企業が採用選考時に求める「コミュニケーション能力」

企業に「コミュニケーション能力がある」と認められるポイントは、単純に「スムーズに会話ができること」だけではありません。

企業は採用時に、どのようなコミュニケーション能力を持つ人材を欲しているのでしょうか。

  • 企業が採用選考時に求める「コミュニケーション能力」

    企業が採用選考時に求める「コミュニケーション能力」

ビジネスで求められるコミュニケーション能力

学生など若い世代で「あの人はコミュニケーション能力が高い」などと評する場合には、それは単純に“話し上手な人”を指す場合が多いです。しかし、ビジネスシーンで求められるコミュニケーション能力は、単なる“話し上手”とは異なります。

具体的には、自分の言いたいことを正確に伝えられること、および相手の話をよく聞いて意図や気持ちを正確に読み取ることが求められます。

履歴書・職務経歴書におけるコミュニケーション能力の自己PR

どんな仕事をするにしても、「人とまったく関わらない」というケースは稀です。そのため、コミュニケーション能力に自信があるのであれば、それは自らをアピールする一つの武器になることでしょう。

ここからは、履歴書や職務経歴書の自己PR欄にコミュニケーション能力に関して記載する場合のポイントを紹介します。

  • 履歴書・職務経歴書におけるコミュニケーション能力の自己PR

    履歴書・職務経歴書におけるコミュニケーション能力の自己PR

履歴書の自己PR欄への書き方

履歴書を書くにあたっては、学歴や職歴、資格などを書く欄が多くのスペースを占めています。そのため、自己PR記入欄のスペースは比較的小さく、伝えたいポイントを端的にまとめる必要があります。

もちろん、履歴書のフォーマットによって記入欄の大きさは異なりますが、どのようなフォーマットであれ、読みやすい大きさの文字、ボリュームで記入することがポイントとなります。小さな記入欄に合わせて、一つの端的な実体験エピソードを引き合いに、自らのコミュニケーション能力について書くことができるとよいでしょう。これまでの仕事や地域の活動、学校などでの経験と絡めてまとめることが効果的です。

履歴書の自己PR欄例文

履歴書に「コミュニケーション能力に自信があります」と一言書くだけでは説得力がありません。具体的なエピソードとしては、以下のようなものがあげられます。

・サークルでイベントを開催した際、メンバー全員の協力をとりつけることで、スムーズに運営できた経験があります。

・社内でのコミュニケーションを円滑化するために、全員に聞き取り調査してよりよい方法を提案し、円滑に意思疎通できるよう働きかけました。

職務経歴書自己PR欄はこれまでの業務と絡めて書く

転職活動においては、履歴書に加えて職務経歴書を提出するケースが多いです。この職務経歴書は、履歴書よりも自らのやってきたことについて記入できるスペースが多いため、相手により詳しく自分の経歴をPRすることができます。

まずは自分の経歴や能力、長所や強みを洗い出し、応募する企業に合わせて具体的なエピソードを交えながら職務経歴書に記入しましょう。

職務経歴書の自己PR欄例文

職務経歴書に履歴書と同じエピソードを自己PRとして書く場合も、より具体的にわかりやすく記入することがポイントです。

例)
・社内でのコミュニケーションがうまくいっていないことに気づきました。そこでコミュニケーションの円滑化のために、全員に聞き取り調査をして上司と相談しながら問題点を洗い出しました。新たなツールを取り入れることを提案し、より円滑に意思疎通できるよう働きかけた実績があります。

面接におけるコミュニケーション能力の自己PR

コミュニケーション能力に自信がある人のなかには、面接の場で、その力をアピールしたいと考える人も多いでしょう。そこで、面接でコミュニケーション能力を自己PRする場合のポイントを紹介します。

  • 面接におけるコミュニケーション能力の自己PR

    面接におけるコミュニケーション能力の自己PR

面接時のコミュニケーション能力自己PR例文

面接でコミュニケーション能力についてアピールする際には、守秘義務違反となるような内容はうまく避けつつ、その力のおかげでうまくいった事例や、トラブル解決できたことなどについて話すといいでしょう。

・前職では、○○のプロジェクトを担当していました。円滑に意思疎通できるよう、月○回のオンラインミーティングを開催し、意見や懸念事項を早期に回収できるようつとめました。こまめに意思疎通や情報共有ができたことで、プロジェクトは滞りなく進行できました。

コミュニケーション能力を自己PRするときのコツ

コミュニケーション能力をうまく自己PRに結びつけたければ、いくつか気をつけておくべきポイントがありますので紹介します。

  • コミュニケーション能力を自己PRするときのコツ

    コミュニケーション能力を自己PRするときのコツ

過去の経験・仕事と絡める

コミュニケーション能力をPRする場合、過去の仕事や生活における人との関わりを取り上げるとスムーズに話せます。コミュニケーション能力のおかげで達成感があったことや成長したなと思ったことなどを話すのがポイントです。

また、質問されたらスムーズに答えられるよう、事前に自分の強みとなり得ることをピックアップしておきましょう。

ただ友達が多いだけではNG

友達が多い人でも、相手と意思疎通がうまくできているとは限りません。ビジネスにおけるコミュニケーションでは、相手の意思をくみ取ることが求められるので、友達が多いことを自己PRしてもコミュニケーション能力の高さに結びつくとは言い切れないのです。

友達の多さよりも、友達と意思疎通するためにどう行動したか、というエピソードのほうが、コミュニケーション能力の高さのアピールにつながります。

仕事でどんな成果に結びつけられるのかをPRする

コミュニケーション能力とは、人とうまく関われる能力。仕事ではたくさんの人と関わるので、あると役立つ能力です。コミュニケーション能力を自己PRに取り入れる場合、選考をうけた企業で、仕事での成果にどう結びつくのかを話しましょう。

営業や広報なら「相手のニーズをうまく引き出せる」、事務職なら「社内で円滑に意思疎通ができる」などさまざまな切り口があります。業務でどう役立つのかを意識しながら、コミュニケーション能力を自己PRしていきましょう。

【まとめ】コミュニケーション能力はビジネスで必須の能力

仕事では多くの人と関わる機会があるので、コミュニケーション能力があることは大きな強みになります。コミュニケーション能力の高さは、自己PRにふさわしい能力です。

しかし、ただ「コミュニケーション能力があります。」と言っても、何の説得力もありません。仕事や勉強、日常生活で得た経験を交えながら、具体的なエピソードとともに話すことで、説得力をもってコミュニケーション能力を自己PRできます。

上手に伝えるためには、自分のこれまでの経験を振り返り、自己PRにできるエピソードをいくつかピックアップしておくことが必要です。採用試験を受ける企業に合わせて、過去の経験をもとにコミュニケーション能力の高さを伝えていきましょう。