Amazonが、プライム会員を対象にした大型セール「プライムデー」の日程を公式に発表しました。日本では2015年の初開催から6回目を迎え、年末年始のセールと合わせて注目度の高いイベントの1つ。2020年のプライムデーは、10月13日0時から10月14日23時59分までの48時間で実施されます。
延期の理由は新型コロナ。「慎重に決定した」
例年なら7月に開催されるプライムデーですが、2020年は7月の開催がアナウンスされず、具体的な日付は明かされずに「例年より遅い時期」とだけ案内されていました(今回のプライムデーの開催概要はニュース記事「Amazonプライムデーは10月13日から48時間! アップル製品も登場か?」に詳しいです)。
2020年10月の開催に至った大きな理由は、やはり新型コロナウイルスの影響だといいます。アマゾンジャパン合同会社 プライム事業本部 事業本部長のノア ボルン(Noah Borun)氏は「2020年は前例のないさまざまな出来事があり、プライムデーの延期を決めました。プライムデーの開催が最も適切な時期はいつか、非常に慎重に決定せざるをえませんでした」と話しました。
ユーザーや販売事業者のほか、特に社員や倉庫スタッフの安全性を最も重視した結果、7月から延期した10月での開催に至ったといいます。
特に懸念事項であった社員や倉庫スタッフの健康、安全を確保するため、同社は40億ドルを2020年上期に投資し、設備や防護器具、ソーシャルディスタンスを保てるようなプロセスの取り入れなどを図ったとのことでした。
新型コロナの影響で売れ筋が変わった?
新型コロナウイルスの影響でオンラインショッピングが増えているなか、流行当初と現在では、Amazonの売れ筋傾向もやや変わってきたといいます。
新型コロナが広まった早い段階では、必需品や衛生用品の需要増がみられました。一方、ソーシャルディスタンスの意識が広がり、ニューノーマルとも呼ばれる現在では、「購入は“通常の状況”に戻りつつある傾向がみられる」(ノア ボルン氏)とのこと。変化の1つとして、例えばより多くの人が在宅勤務を始めるようになったため、家庭で使うPC周辺機器の購入が増えたという点が挙げられるとしました。
また、配達方法として、家の玄関前や宅配ボックスなど指定した場所に宅配物を置いていく配送オプション「置き配」の指定も、2020年3月以降大きく増えているといいます。
国内の置き配は30都道府県で行え、対象エリアでは(特に配送オプションを指定しない場合)標準で置き配となります。ノア ボルン氏は日本でも置き配の利用が増加していることに触れ、コロナ禍において「人と会わなくても購入できる仕組みで、ユーザーからの評価が高い」と語りました。一方で置き配を狙った盗難が発生している面もあり、Amazonでは返金や再送といった補償を提供していますが、運送会社や地域、利用者も連携した防犯対策が今後重要となりそうです。
2020年のプライムデー、注目の施策は?
さて、ノア ボルン氏が語る、2020年のプライムデーにおける注目施策は2点。1つは「スタンプラリーキャンペーン」で、プライム会員向けの商品を購入したり、Prime VideoやPrime Musicなどプライム会員向けのサービスを利用したりすると、スタンプを獲得できます。このスタンプを4つ、9月28日~10月21日までの期間に集めると、抽選でAmazonポイントが獲得できたり、Echo Dotが当たったりするとのこと。
もう1つは、中小規模の販売事業社への支援施策です。Amazonは「新型コロナの影響により、中小規模の販売事業者は、日本でも世界でも非常に厳しい1年だった」(ノア ボルン氏)として、今回のプライムデーを、販売事業者を支援する機会として位置づけています。
具体的な施策としては、9月18日から10月12日までの間、国内の中小規模の販売事業社の対象商品をAmazonで購入した場合、Amazon.co.jpで使える1,000円分のクーポンを配布するキャンペーンが行われます。この施策はAmazon側が資金を負担する形で行われており、プライムデーの中核を担う中小規模の販売事業者に対し、感謝を表明したいというAmazonの考えに基づくものとのこと。
また、中小規模の販売事業者による商品のなかから、特に厳選した商品をセール販売するページが、9月28日から公開される予定です。厳選商品のセール企画には、今治タオルやマスク、お米といったこだわりの商品が並ぶ予定で、通常は事業者がオープンに参加できるプライムデーですが、この厳選商品のセール企画には、一定の基準を満たした事業者のみが参加できるとのことでした。
セールに登場する商品はこれから発表
2020年のプライムデーでは初の施策として、上記のスタンプラリーや1,000円クーポン配布が行われますが、加えて10月6日からプライムデー開催日(10月13日)まで、プライムデー特選セールを先行して実施する点もポイントとなります。
2019年のプライムデーではこだわりの地方特産品や、コナミの「PCエンジン mini」などプライムデーで初お披露目となる新製品も話題になりました。2020年10月に開催するプライムデーの商品点数は日本でも過去最高といい、大手メーカーではアップルやBOSE、LG、シャープ、富士フイルムなどが参加することも予告されています。
Amazonデバイスもセールに登場するとのことで、9月25日に発表された新Fire TV Stickなどの登場にも期待したいところ。具体的なセール商品など、プライムデーの詳しい情報は本開催までに順次発表される予定ですが、28日14時時点のプライムデー予告ページでは、第3世代Echo DotやApple AirPods with Wireless Charging Case、Apple MacBook Pro(13インチ)といった商品が、セール対象商品として並んでいます。