「自己PRはない。アルバイトでも勉強でも、これといった成果がないから書けない」と思い込んでいないでしょうか。

自己PRでは、特に目立つ成果をアピールしなければならないという決まりはありません。企業が自己PRを求める理由は、求職者の人となりを知るとともに、その人が自分のことを客観的にみれるかを確認するためです。

今回は、自己PRがないと困っている人が自己アピールできることを見つけるための方法や使えるツールについてまとめました。

履歴書や職務経歴書で記載する自己PR文の例文や、自己PR向きの長所を探すポイントについても解説します。

  • 凄い自己PRは必要ない! 自分らしさから長所を見つける

    「自己PRがない」履歴書・職務経歴書で書く内容に困ったら

【自己PRの重要性】大事なのは「凄み」より「らしさ」

「自己PRがない」と悩む人は、自己PRを難しく考え過ぎているのかもしれません。自分らしさを考えるなかで、自分の長所は見えてきます。自分の長所を自分の言葉でアピールすることで、採用担当者に伝わる自己PRも十分に可能です。

自己PRを検討する前に、企業がなぜ自己PRを求めるのか、その理由についても把握しましょう。

企業が自己PRを求める理由

企業が自己PRを求める理由は主に以下の3点です。

  • 求職者の人となり
  • 何に情熱を持って取り組んできたか
  • 自分を客観的に分析できているか

企業にとっての自己PRとは、求職者の人物像が把握でき、自分の会社でも活躍してもらえそうかどうかを判断する材料のひとつにすぎません。

自己PRを検討するとき、企業が自己PRを求める理由を知っておくだけで、文章にするときゴールを間違えずに済みます。

すごい経験や実績は不要

企業は、求職者の自己PRにすごい経験や実績を求めているわけではありません。このことは特に勘違いされやすい部分です。

自己PRでいくらすごい実績が語られていても、求職者の人物像が見えてこない、情熱が伝わらない、なぜその成果を得られたかの客観的な説明がないなら、企業の求めに答えられていません。

それよりも、アルバイトで学費を賄うためにシフトを計画的に入れて無事卒業できた、貯金は無駄遣いしないように貯金用口座を作っていた、という自己PRならどうでしょうか。地味に聞こえるかもしれませんが、求職者の計画性や持続性が伝わりやすく、企業のニーズを満たした自己PRとなっています。

いい自己PRには、必ずしもすごい成果や実績を使う必要はありません。自分の長所からいかに伝わる自己PRができる部分があるかを考えることが、成功する自己PRへとつながります。

【自己PRの見つけ方】自己分析

自己PRが見つからない場合は、以下の順番で検討してみましょう。

  1. 自分が得意なことを洗い出す
  2. 楽しいと思うことから得意なことを探る
  3. 過去に他人から褒められた内容を思い出す
  4. 日ごろから心がけていることを列挙する
  5. モチベーショングラフを作ってみる
  • 自己PRが見つからない場合の検討方法

    自己PRが見つからない場合の検討方法

1.自分が得意なことを洗い出す

まず、自分が得意なことを洗い出してください。はっきりした成果が出ている分野があればいいですが、成果がなくても自分が得意なことならなんでも問題ありません。例えば、以下のような形で列挙してみてください。

  • 約束は必ず守る
  • 旅行は計画をしっかり練って行く
  • カフェめぐりが好きで特にスイーツメニューについては詳しい
  • 地図やGPSがあれば道に迷わない方向感覚を持っている

それでも、なかなか自分の得意なことが思い浮かばない場合は、次の検討に進みましょう。

2.楽しいと思うことから得意なことを探る

何か「楽しい」と思えることのなかに、自分の得意なことが見つかる場合もあります。

例えば、何かのコレクションを楽しんでいるなら、情報収集力は高いのではないでしょうか。また、人の愚痴を聞くのが好きという場合、傾聴力があるのかもしれません。テーマパーク好きなら、行列せずにアトラクションのチケットを取るための計画性は、行列に並ぶ我慢強さがアピールポイントになるかもしれません。

自分が楽しいと思うことをあれこれ思い出しても、なかなか自己PRにはつながらないと感じる場合は、次の検討を始めましょう。

3.過去他人から褒められた内容を思い出す

「自分ではなかなか自己PRできる部分が思いつかない」という場合には、過去、他人から褒められた内容を思い出してください。

  • いつも優しいと言われた
  • 付き合いがいいと言われた
  • 行動力があると言われた
  • 声が大きく元気があると言われた

思い出せる限り褒められたことをピックアップしていくと、自己PRにも十分使えそうなエピソードが出てくる可能性が高くなります。それでもやはり自己PRにつながりそうなエピソードが思い出せない場合は、次の検討に進みましょう。

4.日ごろから心がけていることを列挙

ここからは、少し観点を変えて、自分の信条や日ごろから心がけていることを思い出しながら書き出していきましょう。

  • 朝寝坊をしないように目覚ましとスマホ両方で時間をセットしている
  • 自宅で飼育しているペットの餌やりと散歩は自分が担当している
  • 靴だけはきれいにするようにしている
  • LINEの返信はすぐにするよう心がけている

日々の習慣や心がけていることを書き出して並べてみると、自分の性格傾向がそれなりに見えてきます。

5.モチベーショングラフを作ってみる

モチベーショングラフとは、横軸に自分の誕生から現在までの時間の流れ、縦軸に自分のモチベーションの高さとして、モチベーション上下をグラフで表現したものです。

グラフが完成したら、モチベーションの波が上がったところを複数ピックアップして、共通点を探ります。

このようにすると、自分がモチベーションを高めている状況の共通点から、自己PRに使えそうなものがないかを探しましょう。

【自己PRの見つけ方】友人・家族に聞く、ツールを使う

自己PRがなかなか考えつかない場合は、他人に自分の長所を聞くか、自己分析用のツールを使うとうまくいく場合もあります。そこで、他人の力やツールを使い、自己PRを検討する方法についてまとめました。

  • 自分では自己PRの内容が考えられない場合の対処法

    自分では自己PRの内容が考えられない場合の対処法

就職支援サイトの自己診断ツールを使う

もっともお手軽な方法は、就職支援サイトの自己診断ツールをつかうことです。自己診断ツールなら、質問に答えていくだけで、自己診断が可能です。

たとえば、マイナビの就活サイトでは自己分析ツール「適職診断MATCH」や「お願い! 他己分析」を提供しています。

「お願い! 他己分析」のツールは、LINEの友だち登録をしている知人に自分の長所や短所を教えてもらう、というもの。複数の知人からの評価が集まり集計されるため、自分に関する客観的なデータが集まる仕組みです。

これらのツールを使うことで、自己PRできそうな部分が見つかりやすくなります。

キャリアカウンセリングを受ける

プロのキャリアカウンセラーのキャリアカウンセリングを受けるのも、自己PRできる長所を探すのに役立ちます。キャリアカウンセリングでは、人生の棚卸しをして、自分の長所や短所を見つめなおすことも可能です。

大学生の場合は、キャリアカウンセラーからのカウンセリングを受けられる体制を整えている大学もあります。大学でなら、無料のキャリアカウンセリングが可能です。

そのような仕組みがない場合は、企業による有料のキャリアカウンセリングプログラムなども存在しますので、調べてみてもよいでしょう。

転職の場合は転職エージェントに相談する

転職の場合は、転職エージェントに登録し、担当エージェントにキャリアの相談をして、自己PRできる部分を見つけることも可能です。

前職がある場合は、これまでの業務経験から自己PRできるポイントを探すことになります。自分だけではなかなか見つけにくい長所も、エージェントと会話をすることで思いもよらない長所が見つかることもあります。

自己PRを自動生成するツールを試してみる

自己PR生成ツールとは、質問に答えるだけで自己PR文が作成でき、具体的な自己PR文が読めるツールです。ある程度自己PRできる能力が見つかっている場合に試してみましょう。