文化放送にて毎週金曜日24:30から放送されているラジオ番組『東映公認 鈴村健一・神谷浩史の仮面ラジレンジャー』は、東映特撮作品をこよなく愛する人気声優2人と、全国の特撮ファンが一体となって作り上げる"東映特撮応援番組"として金曜の夜を盛り上げている。このたび、番組初となるオリジナル・アミューズメント専用景品がついに登場するとのことで、収録前の2人に直撃取材を敢行した。
2012年10月5日から放送をスタートした『仮面ラジレンジャー』は「特撮の、特撮による、特撮のためのラジオ番組」と銘打たれ、大人気シリーズ「仮面ライダー」「スーパー戦隊」に代表される、東映のすべての特撮作品をリスペクトするラジオ番組である。これまでにも、大規模なファンイベントや、東映特撮ゆかりの場所でのロケ収録、トリビュートCD、カバーソングCD発売、そして番組特製オリジナル特撮アイテム商品発売など、番組のパワーで次々に"夢"を叶えてきた実績を持つが、2020年9月より、ゲームセンターなどのアミューズメント施設でゲットすることのできる専用景品として、「ラジレン缶バッジ」「ラジレン"ともぬい"」の2種が投入されることになった。
ここでは、番組パーソナリティの鈴村健一、神谷浩史の2人にインタビューを行い、アイテム商品製作にまつわる裏話をはじめ、開始から8年を迎える番組についての思い、そして未来を目指して叶えてみたい"夢"の数々を聞いた。
――放送開始から、もうすぐ8年になろうとしている『仮面ラジレンジャー』ですが、鈴村さん、神谷さんが番組を始められる前と現在とでは、東映特撮作品の"見方"が変わってきたりしましたか?
鈴村:番組を始めたころは、これをやったことで特撮作品の"裏"の"裏"まで知っちゃいそうだな、と少し不安があったのですが、意外とそうでもなかったな……というのが素直な感想です。いろいろマニアックに作品を掘り下げたり、出演者や関係者のみなさんにゲストで来ていただいたりしましたけれど、ちゃんと「視聴者」として作品を純粋に楽しみながら、それぞれの作品に関わることができている気がします。ただ、時代と共に新しい仮面ライダーやスーパー戦隊がぞくぞく出てきて、作品の数が増えてきていますから、観ていて「次のシリーズはどうなるんだろう? あの設定は前の作品と変えているのか?」なんて、前よりも深く考えるようになりましたね。ちょっと"身内"感が出てきたから(笑)。
神谷:仮面ライダーやスーパー戦隊は、基本子どもに向けた作品なので、大人になるとどこかで「卒業」を迎える時期が来る……という思いが、心のどこかにあったんです。しかし、今はこの番組をやっているおかげで"仕事"として、もう大手をふって特撮作品を観られるわけですよ。卒業の必要はないと(笑)。いま健一くんが言ったように、新しい作品が出てくるたびに「こんどはどうなるのか」と不安に思うこともありますが、いつも手を変え品を変え、斬新なアイデアを投入してくるので「まだ、こんなに楽しませてくれるのか!」という新鮮な思いのほうが強いんです。面白い!と思える作品に出会ったときの感動は、番組をやってからのほうがずっと大きい気がします。
鈴村:シリーズの伝統を守りながら、新しい要素を入れていくのって、すごく大変だと思う。でも、毎回よくやってるよな~って思いながら、楽しんで観ていますね。
――番組を盛り上げてくださるリスナーさんについては、どのような印象を持たれていますか?
鈴村:特撮マニアの人って、僕らが番組内でキャラクターの設定やストーリーについて間違ったりすると「こんなのも知らないんですか」とか「これは知ってますか」とか、わりと強烈な指摘が来るものなんですが、この番組にはそういうのがぜんぜんなくて、みなさん優しいというか、同じ高さの目線からメールを送ってくれるんだよね。ちょっと指摘するにしても、きつくならないよう考えてくれている。すごいなって思いますよ。
神谷:構成作家が事前にそういうメールをはじいているのかもしれないですけど(笑)、すてきなリスナーさんが多いですね。何十年も前の古い作品について、まるで昨日テレビで観た現役の作品みたいな感覚でネタを書いてくるんで、「この人いくつだよ!」と思ってしまうこともよくあります。
鈴村:意外と若い人だったりするんだよね(笑)。
神谷:新しい作品、古い作品関係なく、僕らが楽しいと思っているものに対して、一緒に楽しんでくれる人がこんなにいっぱいいるんだ……というのが実感できて、頼もしいですね。
鈴村:突然、降ってわいたように新コーナーができてたりするんです。この前から始めた「重箱の隅をつつく」コーナーなんてやっていると、勝手に方向性が変化していくときがあって面白いんですよ。「特撮で見た面白いサブタイトル」とか「こんな予告編が面白い」とか(笑)。
――お2人が歴代仮面ライダーといっしょに決めポーズを取っているデザインが24種類もある「缶バッジ~平成&令和 仮面ライダーセレクション」が1つめのアイテムです。番組でも製作秘話を話されていましたが、写真撮影で苦労されたお話を改めて聞かせてくださいますか。
神谷:歴代仮面ライダーのポーズをよく自分でも真似していたのですが、いざ"本物"のライダーたちと並んで写真を撮ることになった際、自分のイメージと実際に見えているポーズとの大幅な違いに驚きました。僕としては印象どおりの、正しいポーズをとっているつもりなんだけど、カメラの角度によっては、そう見えないってことが発生するんです。考えている以上に手の位置を高くしたり低くしたりしないと、スチール写真のようには見えない。頭ではわかっているものの、ポーズをつけていただくときに「この手の角度、おかしくない?」って思ってしまうんですけど、出来上がった写真を見ると"自然"に見えるんですよね。今回、仮面ライダーのポーズを再現させてもらえたことで、改めて歴代ライダーのスーツアクターを務められていた高岩成二(JAE)さんの凄さがわかり、頭が下がる思いです。
鈴村:スタッフの方からポーズの指導をつけてもらったんですが、すごく細かくてね。「鈴村さん、指もうちょっと開きますか? (開くと)ああっ、そこで止めて!」って、微妙な手の角度とか、指の開き具合まで言われましたから。スーツアクターをされている方たちは、静止画でも動画でも、いつ、どのカットを撮るときも同じポーズになるよう動きを定めているわけで、考えてみればとんでもない技量なんだなって。
神谷:表情にまでチェックが入ったのにも驚いた。
鈴村:もうちょっと口角を上げて、やや真顔で……とか"ここは基本、無表情でお願いします"とか言われて、難しかった!
神谷:"仮面ライダー"だから、あまり豊かな表情があってはいけないんでしょうね。
鈴村:マネキン人形になったつもりで、感情を殺して撮影していました。
――歴代ライダーのポーズを取ってみて、特にお気に入りのものはどれですか?
鈴村:僕は浩史がやっている『仮面ライダービルド』(2017年)のポーズが好きだな。
神谷:僕も自分のポーズとして『ビルド』は気に入っています。ぜんぶの缶バッジが並んでいる中で、ひときわ目をひくのが健一くんの『仮面ライダー555(ファイズ)』(2003年)なんです。ファイズって腰を落としてオルフェノクに向かって「さあ行くぜ!」みたいな臨戦態勢を取るんだけど、決めポーズというわけではないから。静止画だとわかりにくいのかも。
鈴村:ファイズは撮るのがいちばん大変だったんだよ(笑)。かがんだ状態で手首クリクリ回してました。印象に強く残っていて、こういう感じだよな~と思って構えてみたら、いろいろと指導されてとても苦労した。教えられたポーズからわずかでも動かさず、そのままでいるのが大変だったんです。『仮面ライダー響鬼』(2005年)では「鍛えてます、シュッ!」って、力を抜いたスマートな挨拶がカッコよかったでしょ。でも、この写真を撮ったときは指先までガチガチに力が入っていて、キツかったんだよ(笑)。でも、その甲斐あって大好きな響鬼=ヒビキさんのポーズをやれたのはうれしかったです。
――番組のファンの方はもちろん、鈴村さん、神谷さんのファンなら全種コンプリートしてみたくなるアイテムですね。
鈴村:ぜひみなさん、缶バッジを集めていただいて、歴代ライダーのポーズを真似してほしいですね。なんでしたら、ご自分でポーズを取った写真をバッジの上に貼りつけてみてください。それがオススメの楽しみ方です!