ライターと編集者の仕事の違いは、一般的にあまりイメージしにくいかもしれません。ライターと編集者は、密接に関わり合って仕事を進めますが、仕事内容には明確な違いがあります。

本記事では、ライターと編集者の違いに着目し、仕事内容や働き方、年収の違いについてまとめました。ライターと編集者の違いについて、うまく説明できない方は、この機会に両者の違いを整理しましょう。

ライターと編集者の仕事内容の違い

ライターと編集者は、仕事内容に違いがあります。それぞれの仕事内容について、順番に見ていきましょう。

  • ライターと編集者の仕事内容の違い

    ライターと編集者の仕事内容の違い

ライターはコンテンツ作成が主な仕事

ライターは、基本的に文章を書くことが主な仕事です。紙媒体であれば、媒体に合わせた原稿を書きます。Web媒体なら、オウンドメディアに掲載するコンテンツを記事として執筆する仕事が中心になります。

ライターは、編集者から企画やコンセプト、Web媒体の場合はキーワードやターゲット層などの情報を受け、記事の構成を立てた後、記事を執筆。自分自身でも原稿を推敲した後、編集者に納品します。ライター自身が企画やコンセプトを考えることはほぼありません。

編集者は媒体の企画や管理を行う

編集者は紙・Webどちらの媒体でも共通していますが、サイト全体の企画やライター陣・校正陣の管理やアサインなど、進行管理が主な業務です。自身で記事を執筆する場合もありますが、記事作成は本業ではありません。

ライターが執筆して校正・校閲作業を終えた記事に対して、媒体のコンセプトに合わせた編集を行い、最終的には媒体に掲載します。ライターは記事を書くプレイヤー、編集者は媒体のディレクターだと言えるでしょう。

ライターと編集者の働き方の違い

ライターと編集者は、働き方にも大きな違いがありますので、どのような違いがあるか解説します。

  • ライターと編集者の働き方の違い

    ライターと編集者の働き方の違い

自分のペースで仕事を進めるライター

ライターは、仕事を割り振られた後は基本的に1人で仕事を進めます。納期ははっきりと定められていますが、その間はマイペースで仕事を進められる点が大きな特徴です。

もちろん、取材をする場合は、取材する人や会社とネゴシエーションし、本音を引き出す高いコミュニケーション力は必要となるでしょう。また、作業中に質問があれば、都度編集者に相談します。また、校正者や校閲者から修正依頼があれば、修正対応をする際、担当者に関わります。

媒体全体のディレクションも行う編集者

編集者は、媒体全体のディレクションを行うため、媒体の運営に関係する人全員と密にコミュニケーションを取りながら仕事を進めなければなりません。ライターや校正者・校閲者のアサインやスケジュール管理、進捗のフォローはもちろん、Web媒体の場合はクライアントとの打ち合わせも必要です。

こうして比較すると、自分だけで仕事を進めていけるライターと比べて、多くの人と関わりながら仕事を進めていく編集者は、働き方にかなりの違いがあります。

ライターと編集者の年収に違いはある?

ライターと編集者の年収には大きな違いがあるでしょうか。両者の年収についても調べました。

  • ライターと編集者の年収に違いはある?

    ライターと編集者の年収に違いはある?

ライターの年収は勤務形態により違う

ライターの年収は、正社員として出版社に勤めている場合、マイナビ転職の「2020年版 職種別 モデル年収平均ランキング」での平均年収は445万円です。フリーランスの場合は、年収200万円未満で約3割ですが、一方で1,000万円以上の年収を得ているフリーランスも存在するため、個人によってかなり差があります。

編集者の年収は平均で507万円

編集者は、多くの場合会社に勤務しています。会社員の場合、マイナビ転職の「2020年版 職種別 モデル年収平均ランキング」を確認すると、編集・校正の平均年収は507万円です。編集者の方が、60万円以上高いことが分かります。

ライターや編集者に求められる能力

ライターと編集者は、求められる能力にも違いがあるのでしょうか。両者はどのような能力が求められるのか、また共通して必要な能力についても解説します。

  • ライターや編集者に求められる能力

    ライターや編集者に求められる能力

ライターは専門知識×文章力×構成力が重要

ライターに求められる主な能力は、分かりやすく簡潔に表現する文章力、執筆する分野に対する専門知識、読者に最後まで読ませる構成力です。また、取材を行う場合は、高いコミュニケーション力も求められます。

編集者は予算管理やマネジメント力も求められる

ライターに求められる能力は、編集者にも必要な能力です。さらに、編集者はディレクションに必要な能力として、予算管理やマネジメント力も求められます。また、読者をひきつける企画を考える柔軟な発想力も求められる資質です。

どちらも納期厳守と正確性が必要

文字として残る記事は、誤字脱字があったり、事実と異なることを書いていたりすると、あっという間に信用を失いかねません。そのためライター・編集者ともに、誤字脱字なく、事実に基づいた記事づくりをするための正確性が求められます。

また、納期が守れないと、クライアントからの信頼を失い、仕事の失注につながるため、納期を厳守する計画性も、ライター・編集者ともに必要です。

ライターに向いている人と編集者に向いている人

ライターと編集者は、仕事内容や働き方に大きな違いがあるため、それぞれ向き不向きがあります。ライターに向いている人、編集者に向いている人はそれぞれどのような特徴を持っているかについてもまとめました。

  • ライターに向いている人と編集者に向いている人

    ライターに向いている人と編集者に向いている人

ライターに向いているのは「伝えることが好きな人」

ライターに向いている人は、文章を書くことが好きで、自分の知っていることを他人に伝えることが好きな人です。人に情報を伝えるために、我慢強く表現を磨き、自分の書いた文章を推敲していく粘り強い人も、ライターに向いている人です。

また、好奇心が強く、新しい知識をどんどん求めるとともに、情報の信ぴょう性について確認する慎重さの両方を併せ持っている人も、ライターに向いていると言えます。

編集者に向いているのは

編集者に向いている人は、好奇心旺盛でトレンドを追うだけでなく、自分からトレンドを仕掛けていく発想力を持った人です。また、多くの人と関わり合いながら仕事を進めていく必要があるため、人と協力して仕事を進めるのが好きな人も、編集者に向いています。

ライターと編集者に有利な資格や経験

最後に、ライターや編集者の仕事をするのに有利な資格や経験について解説します。

  • ライターと編集者に有利な資格や経験

    ライターと編集者に有利な資格や経験

有利な資格は校正技能検定試験

ライター・編集者どちらも、ベースとなる文章力を高める必要があります。正しい日本語表現を学ぶには、校正技能検定試験の受験がおすすめです。日本語は、誰もが日常的に使っていますが、間違って覚えている表現も少なくありません。

校正技能検定を受験することで、正しい日本語表現が身につき、読者にも分かりやすい文章を作り出せるようになります。

編集者やライター養成講座もおすすめ

出版社やマスコミ関係の職務経験がなく独学でライターや編集者になりたい場合は、養成講座の受講もおすすめです。お金はかかってしまいますが、基礎知識を体系的に習得するのに向いています。

クラウドソーシングなどでのライティング・編集経験

ライティングや編集の仕事は、クラウドソーシングサイトなどで、案件をこなすことで経験を積むことも可能です。案件の仕事をこなしつつ、仕事の進め方やSEOに関する知識、自分が陥りやすい文章の癖などを修正し、ライティング技術を磨いていけます。

ライターと編集は基本的に違う仕事内容

ライターと編集者は、共通点もありますがメインの仕事内容には大きな違いがあります。ライターは文章を書く仕事がメインで、編集者は媒体の企画・進捗管理・ディレクション業務がメインです。ライターと編集者は密にやり取りする仕事ですが、仕事の内容には違いがあることを知っておきましょう。

ライターと編集の両方に興味がある場合は、機会があれば両方の仕事を試してみることをおすすめします。ライターに向いている人は、人に自分の言葉で情報を伝えるのが好きな人。編集者は企画を立てる発想力や旺盛な好奇心を持っている人が向いています。

実際に試してみて、より向いていると感じる仕事を選ぶといいでしょう。