社会人ともなれば、一度は「キックオフミーティング」に参加した経験があるのではないでしょうか。キックオフミーティングは新規プロジェクトを成功させるために重要な役割を担うため、その目的や意義をしっかりと理解しておく必要があります。本稿では、キックオフミーティングの意味や進め方などを解説します。
キックオフミーティング意味とは
「キックオフミーティング」とは、「試合開始」を意味する『キックオフ』と、「会議」という意味の『ミーティング』から成る言葉で、ビジネスの世界では、「新しいプロジェクトをスタートさせるにあたって、最初に開催する会議」のことをキックオフミーティングと言います。「初回ミーティング」「初回会議」などとも呼ばれます。
キックオフミーティングの目的
キックオフミーティングの目的は、プロジェクトの目的や方向性、役割といった概要をメンバー全員で共有し、理解することにあります。また、一番初めに開催する会議ですから、メンバー同士が初顔合わせであることも多く、自己紹介などを通して、チームの円滑なコミュニケーションを図る場としても有効です。
キックオフミーティングの進め方
プロジェクト成功への第一歩となるキックオフミーティング。いいスタートを切るためには、どのように進めればいいのかをみていきましょう。
(1)プロジェクトの概要説明
まずは、プロジェクトリーダー、あるいはプロジェクトを指示した経営層の人などが、プロジェクトの概要を説明し、明確なゴールを示します。ただし、キックオフしてすぐに長々と説明をするようなことは避け、この段階では、あくまでも「何のためのプロジェクトなのか」「いつまでに成し遂げるものなのか」を簡潔に述べるにとどめ、プロジェクトに対するメンバーの関心を高めるようにしましょう。
(2)チーム編成と役割分担
プロジェクトの概要を伝えた後は、チーム編成や仕事の割り振りを行います。また、それぞれにチームリーダーを配置し、チームや個々が果たすべき役割やスケジュールなどを確認し、全員で情報を共有します。プロジェクトの詳細や専門的な話は、この段階でチームごとに行った方がわかりやすいでしょう。
なお、こうしたチーム編成や役割分担、チームリーダーの選出については、プロジェクトリーダーを中心に予め決めておく必要があります。当日になってから、「リーダーは誰がいいと思いますか?」「どうチームを編成しましょうか?」などと相談しているようでは、出鼻をくじかれたような状況になってしまいますので、注意しましょう。
(3)自己紹介
キックオフミーティングは、一つのプロジェクトのために集められたメンバーが一堂に会する場です。初対面である人も多いことから、自己紹介によって緊張をほぐし、チームの雰囲気をよくすることが大切です。
タイミングとしては、場の雰囲気を和ませたいのであれば最初のうちにするのがオススメです。また、チーム編成発表後にチームごとに行うのもよいでしょう。
(4)質疑応答
プロジェクトの説明を終えたら、必ずメンバーに「どう思うか」という質問を投げかけます。それぞれの専門分野における立場から、プロジェクトに対する意見を発言してもらうことで、その意見をプロジェクトに反映するだけでなく、メンバーの積極的な参加意欲を高めることにつながります。
キックオフミーティングの資料
キックオフミーティングの進め方について説明しましたが、円滑に進行するためには、資料の存在が重要です。どんな資料が必要なのかをみていきましょう。
アジェンダ
まずはアジェンダ。ビジネスシーンにおける「アジェンダ」とは、「議題」「議事日程」「会議の進行表」のことです。アジェンダを事前に配布しておくことで、会議の主旨を全員が理解したうえで始めることができるため、本題に入りやすいほか、ぐだぐだと長引くような進行を避けられます。
キックオフミーティングにおいても、開催日時、場所、参加者、議題などを記載したアジェンダを予め作成・配布し、関係者全員に前もって目を通しておいてもらうことが重要です。
プロジェクトの概要
冒頭でプロジェクトの概要について説明がなされますが、そのための資料も必要です。ただし、資料はプロジェクトの内容をこと細かに記す必要はありません。かえってポイントがぼけてしまいますので、要点のみを簡潔にまとめるようにします。
参加者名簿と体制図
プロジェクトのために、どの部署から誰が招集されているのかがわかるよう、所属や氏名などを記載した名簿を用意します。また、プロジェクトリーダーやチーム編成などを記した体制図も作成し、それぞれがどのチームに属し、どのような役割を担うかを明示しておくとよいでしょう。
議事録
最後に議事録を作成し、参加者全員にメールなどで配布します。次回の会議日程など、直近のスケジュールについても明記しておきましょう。
キックオフミーティングの例文、正しい使い方は?
- ○月○日に、Aプロジェクトのキックオフミーティングを開催します。
- △月△日に新規プロジェクトのキックオフミーティングを行うので、資料の準備をお願いします。
まとめ
今回は、ビジネスシーンにおける「キックオフミーティング」についてご紹介しました。何事も初めが肝心。まずは、プロジェクト成功に向けていいスタートが切れるよう、有意義なキックオフミーティングを開催しましょう。