Microsoftは米国時間2020年9月18日、Windows 10 20H2として開発を続けてきた次期Windows 10機能更新プログラム「Windows 10 October 2020 Update」を、公式ブログで発表した。マーケティング名からも分かるように、2020年10月のリリースを予定している。
かつてWindows 10 バージョン1511には「November Update」とリリース時期を含めていたが、その後のバージョン1607は「Anniversary Update」、バージョン1703は「Creators Update」、バージョン1709は「Fall Creators Update」と、Windows 10の方向性を示す名称を用いていた。だが、バージョン1803は「April 2018 Update」、バージョン1809は「October 2018 Update」と、以降はリリース時期を示す名称に切り替えている。
Windows 10のバージョン番号は機能更新プログラムをリリースした「年+月」から付けられきた。たとえば現在のバージョン2004は紆余曲折の末、2020年5月27日が正式なリリース日となったが、マーケティング名は「May 2020 Update」。結果的にリリース日とマーケティング名が合致したものの、バージョン番号とマーケティング名に「ズレ」が生じている(お気付きの方もいるだろう)。
- 2015年7月29日 バージョン1507
- 2015年11月12日 バージョン1511(November Update)
- 2016年8月2日 バージョン1607(Anniversary Update)
- 2017年4月11日 バージョン1703(Creators Update)
- 2017年10月17日 バージョン1709(Fall Creators Update)
- 2018年5月8日 バージョン1803(April 2018 Update)
- 2018年10月2日 バージョン1809(October 2018 Update)
- 2019年5月21日 バージョン1903(May 2019 Update)
- 2019年11月12日 バージョン1909(November 2019 Update)
- 2020年5月27日 バージョン2004(May 2020 Update)
- 2020年10月?日 バージョン20H2(October 2020 Update)
上記のリストはWindows 10ファーストバージョンからバージョン20H2までのリリース日(米国時間)をまとめたものだが、バージョン1607以降は数カ月の遅れが確認できる。
今回、リリースプレビューチャネル向けに提供が始まったKB4571756は、WSL2(Windows Subsystem for Linux 2)が正常に動作しないバグが確認されており、GitHubにも多くのコメントが寄せられた。そのため、KB4571756がそのまま次期機能更新プログラムとはならず、Microsoftも「まもなく次の20H2サービスリリースに含まれる修正プログラムを作成した」と説明しているように、20H2が完成するまでには、さらなるワンステップを必要としている。
話をバージョン番号に戻そう。筆者の個人的な意見だが、もうマーケティング名は不要ではないだろうか。当初はWindows 10に加わった新機能をアピールするためのキャッチコピー的な役割を担っていたマーケティング名だが、現在は実状と離れてきている。常にバージョンアップを重ねて機能を強化するクラウドサービスが当たり前になった今、「Windows as a Service」(サービスとしてのWindows)を標榜するWindows 10にマーケティング名は不要だ。