お金持ちには、共通する習慣があります。今すぐお金持ちになるのは簡単なことではありませんが、お金持ちの習慣を参考に、自分の行動指針を見直すことはできます。 ここでは、お金持ちの考え方や習慣を知り、これからの生活に活かせるように、9つの習慣をご紹介します。
お金持ちの人とは? 定義を考えよう
2018年に野村総合研究所が発表した「NRI親リッチアンケート調査(※1)」では、純金融資産(不動産等を含めない、現金や有価証券等の資産から負債を引いた資産)の保有額に従って、世帯を5つに分類しています。
・超富裕層…純金融資産5億円以上 (8.4万世帯)
・富裕層…純金融資産1億円以上5億円未満 (118.3万世帯)
・準富裕層…純金融資産5,000万円以上1億円未満 (322.2万世帯)
・アッパーマス層…純金融資産3,000万円以上5,000万円未満 (720.3万世帯)
・マス層…純金融資産3,000万円未満 (4,203.1万世帯)
5つに分類した世帯の割合を見ると、富裕層、超富裕層の合計は約2.4% です。お金持ち、あるいは富裕層と呼ばれる人たちは、ごくわずかしかいないということがわかります。この層を、お金持ちと分類することもできるでしょう。
一方、純金融資産が3,000万円未満のマス層は約79% と、全体の約8割を占めます。
なお、2020年4月に発表されたフォーブス誌の「世界長者番付」によると、世界で最もお金持ちなのは、アマゾン・ドット・コムの最高経営責任者(CEO)であるジェフ・ベゾス氏で、保有資産額は約1,130億ドル(約12兆3,000億円)です。世界のお金持ちは、保有している資産も文字どおり桁違いであることがわかります。
そもそも、世界長者番付に入るためには、保有資産が10億ドル(約1,061億円)を超える必要があります。5億円を持っている超富裕層でも、世界規模の長者番付には載ることができません(ただし、フォーブスの世界長者番付は、不動産等を含む総資産です)。
お金持ちの習慣は? お金持ちになるためにすべきこと
続いては、お金持ちが大切にしている習慣を9つご紹介します。もちろん、お金持ちといっても千差万別ですから、全員にこの9つの習慣があてはまるとは限りません。それでも、多くのお金持ちが心掛けている習慣を知れば、憧れの世界に一歩近づくことができるのではないでしょうか。
1.時間をうまく使う
「時は金なり」という言葉があるとおり、時間はとても大切です。お金はがんばれば増やすことができますが、時間はそうはいきません。
一方で、お金をそれほど持っていない方でも、時間は超富裕層のお金持ちと同じように1日24時間を過ごしています。この時間をただ無為に過ごすのと、自分のスキルアップや人脈づくり、情報収集などに使うのとでは、毎日の過ごし方は大きく変わってくるはずです。
何を無為とするのかは、考え方によって違うでしょう。しかし、たまにはいいですが、いつもテレビ番組をぼーっと見ていたり、ネットサーフィンをするうちに気がついたら何時間も経過していたりする方は、時間の使い方を見直してみてはいかがでしょうか。
「今日の成果は?」「今日は何をしていた?」と聞かれたときに、意識して時間を使っていたか、胸を張って答えられる時間の使い方を目指しましょう。
2.健康に気をつける
健康もお金では買えない大切なものです。
健康を損なうと、多大な医療費が必要になりますし、療養しているあいだに稼げたはずのお金もなくなってしまいます。さらに、健康を害したことによって、さまざまなチャンスを失ってしまう可能性もあるでしょう。もちろん、心身もつらく、不便な生活をしいられることになります。
このように、健康を害することで起こるデメリットは、計り知れないものがあります。お金があるからといって暴飲暴食をしたり、人に任せてだらけきった生活を送ったりしていては、本当の富裕層にはなれないでしょう。
3.縁を大切にする
人と人との縁は、お金持ちにとって大きなビジネスチャンスとなります。もちろん、すぐにメリットがあるとは限りませんが、後々人との縁が身を助けることは大いに考えられます。そのため、お金持ちは縁をとても大切にします。
また、人との縁は仕事やお金だけでなく、毎日を楽しく充実させるためにも役立ちます。何か困ったことがあったときに、良い縁をたくさんつないでおけば、役立つ情報を得られたり、力を借りられたりすることがあるでしょう。
4.経験をつける
さまざまな経験を積むことは、人生の糧になります。何にでも興味を持って積極的に経験していく方は、そうでない方に比べて、それだけ多くのスキルや知見を得ることができます。
「そんなことをやりたくない」「興味がない」と切り捨てるのではなく、「やってみよう」「これも勉強だ」と、どんどんトライしていくチャレンジ精神を大切にしましょう。
5.明確な目標を掲げる
「今年の目標は? 」「10年後、どんな自分になっていたい?」。そんな風に質問されたとき、胸を張って答えることができますか?
お金持ちの多くは、具体的な将来のビジョンを描いています。目標を掲げ、叶えるためにどうすればいいのかを考え、具体的なステップを踏みやすくしています。具体的に目標を描くことによって、目標達成に近づくことができるのです。
6.常にポジティブ思考
越えなければならないハードルがあったときに、前向きに取り組むか、最初からあきらめて投げやりに対処するかによって、結果は大きく変わります。
お金持ちは、逆境にあってもポジティブ思考を忘れません。ピンチをどうすれば打破できるのかを考え、実行していくことで、切り抜けられる可能性は大幅に上がるでしょう。決してあきらめず、次の策を前向きに検討し続ける姿勢が大切です。
7.投資をする
投資というのは、資産運用に関する投資とは限りません。スキルアップのために時間とお金をかけてスクールに通ったり、人脈を築くために異業種交流会に参加したりするのも、投資のひとつでしょう。また、成長が見込まれる有望企業や個人への援助も投資です。
このような投資を通じて、さまざまな縁ができます。また、新たな知識やスキルを得ることもできるでしょう。投資を恐れず、積極的に行うことは、これまでにご紹介した習慣にもつながっていきます。
8.本や新聞を読む
今はスマホで何でも調べられる時代。非常に便利になった一方で、自分が欲しい情報のみを手に入れるようになっていませんか?
お金持ちの人の傾向として、本や新聞を読むのを習慣づけており、常に自分が持っている情報をアップデートするよう心がけているということが挙げられます。1日5分でも、本や新聞を読んで、知識をアップデートすることが大切です。思わぬビジネスチャンスと出会えるかもしれませんよ。
9.掃除が習慣化
お金持ちの人は、時間を無駄にすることを嫌います。そのため、掃除や整理整頓を習慣とし、欲しいものをすぐに取り出せるような環境づくりを心がけている人が多いようです。
また、散らかった部屋にいると、集中力も散漫になります。仕事で成果を出すためにも、掃除や整理整頓は大切です。「お金持ちになりたい」と思っているのであれば、まずは手軽に始められる掃除や整理整頓を心がけてみてはいかがでしょうか。
お金持ちがしないことは? お金が貯まらない人あるあるの習慣
お金持ちが大切にしている、お金を寄ってこさせるための習慣がある一方で、お金を自ら遠ざけてしまう習慣もあります。以下に例をまとめてみました。皆さん、思い当たる節はありますか?
1.夢や目標をたてずにダラダラ過ごす
お金持ちになる人は、人の何倍も大きな夢や目標を持っているケースが少なくありません。常に夢や目標を達成する方法を考え、試行錯誤しながら前に進んでいけば、おのずと好機がつかみやすくなります。決して大きな夢や目標である必要はありません。そこに向かって、計画を立てて少しずつ成功体験を積み重ねていく。このプロセスが大切です。
2.何事も他責にする
責任を他人に押し付ける思考の人はお金持ちから遠ざかります。失敗や乗り越えるべき壁が目の前に現れたときに、他責思考が癖になっていると自分の力ではどうにもできなくなるからです。何事も自責に捉え、自分の力で乗り越えていく練習を積みましょう。
3.自己投資をしない
お金持ちの人ほど、自分への投資を惜しみません。自己投資の原動力は「もっと学びたい」「もっとよい人間でありたい」といった成長への意欲です。そういった自らへの投資をしないということは、現状の自分に満足していることの裏返しであり、さらなる成長が見込みにくいです。
自己投資は、自分の物事への突破力を鍛えることにつながります。お金持ちになるため、常に成長意欲を持ち続けましょう。
4.コンビニで浪費
ついつい立ち寄ってしまうコンビニ。何でも揃えることができて便利ですが、お菓子やお酒など、必要がなかったものまで購入してしまいませんか?
1回あたりのコンビニで使うお金が少額だとしても、回数を重ねると意外と大きな金額になります。「なんとなく買っておこう」という感覚でカゴの中に入れたものが本当に必要なのか、よく考えてから会計をするようにしましょう。
コンビニでの浪費癖を直すだけで、意外とお金は貯まるものです。
5.「これでいいや」で購入
洋服やアクセサリー、靴など、何かを購入するときに「これでいいや」と思ったものを選んでいませんか?お金持ちの人は、「これでいいや」と思うものではなく、「これがいい!」と思ったものを購入するようにこだわる傾向があります。
「これでいいや」と思うものを購入しても、満足感が高まることはなく、物欲も満たされにくいです。その結果、浪費を繰り返してしまうことにも繋がります。
「これが欲しい」と感じたもののみを購入すれば、自分の周りにあるものがお気に入りのものだけになるので、生活の質もグンと上がり、満足感もアップするため浪費を抑えられます。
6.節約のために使う時間が多い
数十円安いものを買うために、隣町のスーパーマーケットまで自転車を走らせる、ということをお金持ちはしません。数十円の節約のために隣町へのスーパーマーケットまで往復1時間かけるのであれば、1時間働いてお金を生み出した方がコスパが良いですよね。
時間をどう使うべきか、常に考えて過ごすことが大切です。
お金持ちになるために今からできること
お金持ちになるため、今日から実践可能な行動を紹介します。
自分自身を既にお金持ちであると思い込む
人の脳は騙されやすいです。偽薬を飲んでいるにも関わらず、「本物の薬だ」を信じ込むことで何らかの改善効果がみられる「プラシーボ効果」に代表されるように、私たちの思い込みの力はとても強いものなのです。
これをお金に関して適用してみたらどうでしょうか。「ホテルのカフェを利用する」「高級レストランで食事をしてみる」といった富裕層がするような行動をしてみれば、「常にこうなりたい」と意識が変わるかもしれません。意識が変われば行動が変わり、行動が変われば習慣が変わります。「自分はお金持ちだ」と思い込むことで、自然とお金が寄り付く体質への変化を促してみましょう。
浪費ではなく投資をするように心がける
貧乏な人は浪費が多く、投資が少ないです。反対にお金持ちの人は投資が多く、浪費が少ないです。同じ消費でも、投資と浪費では大きな差があります。それはリターンです。投資ではリターンが見込めるのに対し、浪費は何も残りません。お金持ちになるためには、浪費ではなく投資を積極的に意識しましょう。
お金持ちの習慣を毎日の生活に取り入れよう
時間の使い方や健康に気を使い、人との縁を大切に、いつも前向きにチャレンジしていくのは、誰でも今すぐ実践できることです。お金持ちの習慣を知り、意識することで、毎日の過ごし方を少しだけ見直してみることをおすすめします。 未来の自分が今の自分よりも成長した存在になれるよう、充実した日々を過ごしましょう。
参考 :
(※1) 野村総合研究所「NRI親リッチアンケート調査」(2018年)
(※2) 総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)」(2020年)