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【この記事のエキスパート】
ピアノ講師・元大手楽器メーカー勤務:山野辺 祥子
武蔵野音楽大学出身。卒業後某大手楽器メーカーの法人部に入社。
音楽教室の運営や講師指導のサポート、店舗接客、楽器セッティングなどを担当するイベントクルーとして全国を飛び回る。また、出版部に在勤中は楽譜校正、楽譜情報誌編集の経験も。
現在はピアノ講師のかたわらフリーランスライター、校正者として活動中。プライベートでは3児の母。
三線は沖縄民謡を歌うときに使われる沖縄の伝統楽器。初めて三線を買う人におすすめの練習用セットをご紹介します。楽譜付きなのですぐに始められます! さらに通販サイトの最新人気ランキングへのリンクもあるので売れ筋や評判・口コミなども確認してみましょう。
沖縄に伝わる伝統楽器
三線とはどんな楽器?
三線は「蛇皮線(じゃびせん)」とも呼ばれ、胴にニシキヘビの皮を張ってあります。発祥の地は中国大陸で、その後沖縄(琉球)に伝わったようです。
太さの異なる3本の弦が織りなす独特の音色が特徴。次第に宮廷から庶民へと広まり、沖縄文化に欠かせない楽器となりました。今日のように知れ渡ったのは、1980年代~90年代にブームとなった沖縄出身のアーティストたちが三線の音色を音楽に取り込んだからです。
三線と三味線の違いは?
3本の弦や形状からも三線は三味線に似ています。三味線は三線が本州に伝わって形を変えたものといわれ、ルーツは同じです。
三味線は胴に猫や犬の皮を張ってあり、バチで叩くように弾きます。三線はツメを指にはめてギターピックのように弾くところが違います。
失敗しない!胴体の皮と型がポイント
初心者におすすめの三線の選び方
ピアノ講師・元大手楽器メーカー勤務の山野辺祥子さんに取材をして、初心者向け三線の選び方のポイントを教えていただきました。胴体の皮や木の材質をよくチェックすることが大切です。ぜひ初心者向け三線選びの参考にしてください。
胴体の皮から選ぶ
三線選びでは、まず胴体の皮が重要です。基本的には蛇の皮ですが、初心者向けの三線は人工皮が適しています。それぞれの特徴を説明します。
初心者はメンテナンス不要の「人工皮張り」がおすすめ
「人工皮張り」は、蛇皮をプリントした厚手の特殊シートを木枠の胴に張ったもの。気温や湿度に影響されないので、メンテナンスの必要がないのが特徴です。
かなり強く張ることができ、甲高い音からやわらかい音まで調整できます。本皮の三線よりも音が硬めでぼんやりした響きですが、リーズナブルなので初心者に適しています。
練習用でも音にこだわりたい人は「本皮強化張り」を
「本皮強化張り」というのは木枠の胴に丈夫な薄い特殊シートを張って、そのうえに本皮を張ったものです。皮の張り替えが不要で、皮が裂けにくいのが特徴。
最近になって開発された製法です。本皮張りよりは音の響きが劣りますが、改良によってよい音が出るようになっています。音にこだわりながら、メンテナンスには手がまわらないといった初心者の方に適しています。
本格的な音色にこだわるなら「本皮張り」
初心者でも音にこだわりたいという方には「本皮張り」が適しています。木枠の胴に蛇の本皮を直接張った本格的な三線です。定期的に張り替えが必要ですが、毎日弾くことで寿命を延ばせます。
伝統の製法であり、音の響きや音色が美しいです。弾かないでいると皮が破れやすくなるため、初心者でも毎日練習して本格的に弾きたい方に向いています。
初心者は真壁(まかび)型から始めよう
三線は「型」で分類できますので、選ぶときのポイントになります。型というのは棹の形状の違いによるもので、7つの型があります。
一般的に使われているのは「真壁(まかび)型」で、初心者用のほとんどはこの型です。棹は細目で、優美な型として知られています。
次に多く使用されているのが「与那城(ゆなぐしく)型」です。はじめての方には「真壁型」か「与那城型」が適しています。
木の材質もチェックする
三線の構造は棹(さお)と胴から成り立っていますが、棹に使用される材質によって音色が変わってきます。材質のなかで音色が優れているのが「黒木」です。
黒木は適度にしなるのが特徴で、音の響きがよい音色を生み出します。黒木と並んで人気のある「ユシ木」は、黒木よりもやわらかな音色が特徴で値段も高いです。購入するときは棹の材質にも目を向けてください。
初心者セットはオプションの充実度で選ぶ
三線は教則本があればはじめられますが、便利なオプションがいろいろあります。初心者に向いているのは必要なものがそろっているセット商品ですが、あると便利なオプションについて説明しましょう。
三線を弾くのに必須のアイテム「つめ」
三味線はバチで叩きつけるように弾きますが、三線は「つめ」で弦を弾くように演奏します。ギターを弾くときにピックを使うのと同じやり方です。
つめは必須のアイテムで、つめがなければ三線は弾けません。はじめのうちはオプション品で練習をして、慣れてきたら自分の指に合わせて削ったり、使いやすいものに買い換えたりします。
「チューナー」は音のチューニングの必需品
三線は3本の弦を緩めたり締めたりして音程を調整しますが、初心者にとってはむずかしい作業です。そのときに便利なのがチューナーです。
チューナーがあれば音程のチューニングがらくになります。慣れてくれば耳だけを便りに調弦できますが、初心者にとってチューナーは必需品です。曲によって「本調子」や「上調子」などがあり、そのたびにチューニングが必要です。
持ち運び・保管に便利な「ケース」
三線を持ち運びするときや保管する場合はケースが必要です。いろいろな商品がありますが、不安なく持ち運べるのはハードケース。予備の弦やつめなどを一緒に収納できるタイプが適しています。
保管する場合もケースがあると便利です。三線は生きものの皮を使用しているので、入れっぱなしにせずにときどき空気に触れさせるようにします。
「弦とうま」は予備を持っておきたい消耗品
三線用のオプションとして「うま」があります。弦が鳴るように胴から浮かせておくアイテムです。演奏するときに弦の振動がうまに直接伝わるので、折れやすい消耗品。
また弦も、締めすぎるとかんたんに切れてしまいます。演奏中にうまが折れたり弦が切れたりしたとき、すぐに交換できるように予備を用意しておく必要があります。
音を小さくできる「消音うま」
三線に限らず、楽器を演奏するときは近所への配慮が必要です。三線は音がかなりよく響くので注意してください。とくに夜間などの練習では周囲に気をつかって練習します。
そのときに便利なオプションが「消音うま」。普通のうまと違って、消音うまを使えば弦の音を小さくできます。周囲の環境に配慮する必要がある方は、消音うまをいつも用意しておきましょう。
弦を押さえる位置を印する「工工四シール」
ギターを弾く方にはわかるでしょうが、指を押さえるポジションがあります。しかし三線にはポジションがないので、初心者は弦を押さえるポイントがわかりません。
あると便利なのが「工工四(クンクンシー)」というシールです。棹の横にシールを貼って押さえるポジションの位置を覚えます。はじめはどこの位置かわからないので、経験者に頼んだり、自分で調べたりしてください。購入店舗で対応してもらえることもあります。
選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)