「俺たちのすき家がまたやった」とネットがザワついている。現在すき家で販売中の期間限定メニュー「お好み牛玉丼 広島Mix」。

毎年定番の期間限定メニュー「お好み牛玉丼」の進化系とも言える商品で、牛丼の上に焼きそばなどがこんもりと乗っかったそのルックスは、発売前から「炭水化物祭りキターーー」と話題になっていた。

ということで、さっそくこの「炭水化物×炭水化物」という魔性の組み合わせに挑んできたので、その顛末をご報告したい。

昨年は「キムチーズMix」。今年の「広島Mix」の出来は?

9月9日から販売が始まった「お好み牛玉丼」と「お好み牛玉丼 広島Mix」だが、もともと「お好み牛玉丼」は2013年に初登場。漫画『トリコ』とコラボでキャンペーンを展開し、「うまいもんに、ルールはねえ! 」と謳って売り出した。2017年からは定番の期間限定メニューとして毎年のように販売。独特の食感と濃厚なオタフクソースでファンのハートを鷲掴みにしている。

一方、話題の「お好み牛玉丼 広島Mix」は今年初登場となる新メニュー。ちなみに昨年は「お好み牛玉丼キムチーズMix」だった。

「広島Mix」とはもちろんお好み焼きの一種「広島風お好み焼き」のことである。念のため説明しておくと、広島風お好み焼きは大阪などのお好み焼きと違い、生地と具を混ぜない。生地は丸く、薄く伸ばしたクレープ状になっていて、そこに大盛りのキャベツ、焼きそば、具などを重ねて焼き上げるのが一般的だ。

すき家は「お好み牛玉丼 広島Mix」をどのように仕上げたのか、さっそく近所の店舗を訪問した。

驚きのデカさ、高さ、情報量の多さ!

当然だが、しっかりとその存在をアピールしている。タッチパネルメニューから迷わず「お好み牛玉丼 広島Mix」を注文。ポチッ。

考えてみれば、ここは牛丼屋である。基本的にはガツガツと牛丼を胃にかき込んで、思いっきり腹を満たしたいとの思いで入店する人も多いに違いない。そんなワンパクたちにとって、「お好み牛玉丼 広島Mix」はまさに格好のジャンクメニューだろう。

……などと考えているうちに到着。おお、こ、これは……ッ!。

デ、デカイ……! 標高も……

た、高い……!

え、こんなにボリュームあるの? というか、そういう系だったの? メニューを見た限りでは量で攻めてくる印象がなかったので、ちょっと衝撃的である。どうやら、焼きそばの存在感が相当に際立っているようだ。

これはかなり食べごたえがありそうだ。さっそく生卵の黄身とカツオ節、青のりを盛り付けて、紅生姜も加えたら…完成。

美味そうだ。ツヤツヤと輝く黄身を溶かして、豪快にいただきます。

一口目を食べた感想を正直に言うなら、「スゴい情報量」である。

牛肉、ご飯に加え、卵の黄身、お好みソース、からしマヨネーズ、ダイスカットしたキャベツ、キムチ、焼きそば、そしてフライドオニオン、ついでに紅生姜まで乗っかり(紅生姜は自分でトッピングしたのだが)、完全に口の中がお祭り状態だ。はっきり言って、楽しい。

何より驚いたのが、掘っても掘ってもなかなかご飯に到達しないことだ。キャベツのお好み層と焼きそば層をかき分けるとようやく牛肉層に到達、それをさらに掘り進めていくと、ついに最下層のライスがお目見えする。これはもはや掘削作業である。このメニュー、いろんな意味で“深い”ぞ。

食べ進めていくに連れ、頭が徐々にその詳細を理解し始める。

「すき家特製ソース」を使用したという焼きそばは、若干スパイシーな味と香りが実によく立っている。マヨネーズとお好みソースでマイルドに仕上がったキャベツ部分にも絶妙にマッチするではないか。白飯との相性も最高だ。関西では「お好み焼きはご飯のオカズ」と言われているそうだが、確かにご飯が進む、進む。

キムチはほど良い辛味と酸味で全体の味を引き締めているようだ。フライドオニオンはパッと見では目立たないが実に香ばしく、アクセントとしてしっかり機能している。紅生姜もとてもよく合うので、トッピングして大正解。こういう名脇役たちがしっかり仕事しているからこそ、飽きずに食べられるのだろう。

特にお好み焼きやたこ焼きなどの、こってりしたソース味が好きな人にとってはたまらない仕上がりになっている。

しっかり完食したが、本当にボリューム満点であった。カロリーは並盛にして1067キロカロリーと大台を突破。食の細い人や女性はミニサイズでちょうどいいかもしれない。大盛りを注文する場合、通常の牛丼で言えば特盛サイズの量が出てくると覚悟しておこう。

ただし、「お好み牛玉丼 広島Mix」の大盛、特盛を一人で完食すればちょっとしたヒーロー扱いをされるに違いない。ましてやメガを完食した日には……スターである。

もちろんそれは言い過ぎだが、そういう意味でも「お好み牛玉丼 広島Mix」はエンタメ性や話題性に富んでおり、あわゆる意味で「楽しい一杯」だと言える。期間内でぜひ、お試しあれ。ごちそうさまでした。