「ライフワーク」という言葉の意味をご存じですか? ライフワークは働き方改革などの影響もあり、近年さらに注目を浴びるようになりました。
本稿では、ライフワークとは何か、その意味や類語との違いを解説します。また、ライフワークの魅力や見つけ方についてもまとめているので、ぜひ参考にしてください。
ライフワークとは
ライフワーク (lifework) とは、生涯を通じて取り組む仕事や活動のことを指し、ときに天職 (てんしょく) とも言い換えられます。ライフ (life) はその人の人生や一生を表し、ワーク(work)は職業としての仕事よりも広い意味での活動を指しています。
生き甲斐を感じながら、好きなことに生涯取り組むライフワークは、自分と周囲に幸せをもたらし、人生の充実につながります。また、仕事と生活のバランスをとりながら、自分らしい毎日を送る「ライフワークバランス」という言葉も、近年注目を浴びています。
ライフワークと趣味の違いは?
趣味は仕事以外の時間に楽しむものを指し、短期間であっても趣味と言うことができるので、生涯を通じて取り組む仕事や活動という意味のライフワークとは異なります。
ただし、「好きが講じて仕事になった」というように、趣味をきっかけにしてライフワークが見つかることはよくあります。
概念としては違うものになりますが、近しいところにあるものと考えてよいでしょう。
ライフワークの使い方・例文
ライフワークという言葉は日常会話やビジネスシーンにおいてもよく使われます。ここでは、正しい使い方を例文とともに紹介します。
<例文>
- 私は世界各地で個展を開くことをライフワークとしています。
- ライフワークを通じて得た経験はすべて宝物です。
- 30年間続けてきたこの舞台は私のライフワークと言える 。
ビジネスシーンにおいては、例えば就職活動の面接などで「あなたはライフワークについてどう思いますか?考えを聞かせてください」といった質問をされることもあるので、意味をしっかり理解し、正しく使えるようにしておきましょう。
ライフワークの類語とその違い
次に、ライフワークという言葉をより深く理解していただくために、よく似た言葉とのニュアンスの違いについて紹介していきます。
ライフワークとワークライフバランス
ライフワークバランスとは文字通り、ライフ (life) とワーク (work) のバランスをとることです。「生活と仕事の調和」とも言われます。
つまりは、「仕事とプライベートのバランスをとって、充実したものにしよう」という意味を持つ言葉です。一方のライフワークは「生涯を通じて取り組む仕事」を指す言葉であるため、意味が異なります。
ライフワークとライスワーク
ライフワークと発音が似ていて意味の異なる言葉が「ライスワーク」です。
ここで言うライスとは、そのまま「ご飯」のことを示しています。つまり、ライスワークとは、特別な生き甲斐を感じている・いないに関わらず、「ご飯を食べるための仕事」を指します。
ライフワークと天職
ライフワークと似た日本語の言葉に「天職」という言葉があります。
天職は、その人が生まれ持った性質にもっとも合った職業です。生涯の仕事という意味では、ライフワークに近い意味を持つと言えます。
ライフワークの魅力
ライフワークを見つけると、自分が幸せになれる仕事ができるようになります。好きなことなので、働くこと自体が楽しくなります。
そのため、やっているだけでも当人にとって価値があるのですが、その仕事が人のためにも役立ち、世の中に認められるものとなれば、そこに金銭的な利益を生み出すことも可能です。
ライフワークにより利益を得ることで、より多くの人を巻き込めるようになったり、仕事の領域をさらに広げられるようになったりします。さらに、広く世の中に貢献できるようになることで、自らの喜びも増すことでしょう。
こうした好循環が生まれることが、ライフワークの魅力の一つと言えます。
ライフワークの形は人それぞれです。例えば派遣社員として働きながら休日に自分のライフワークで副収入を得たり、フリーランスとしてライフワークを続けたりすることも可能です。もちろん、正社員として働く会社でライフワークと呼べる仕事をできる人もいます。
ライフワークの見つけ方って?
ライフワークを見つけることで、自分の人生を自分らしく楽しんで生きられるようになる――とはわかっていても、なかなか「自分のライフワークに何を選ぶか」を決めることは難しいです。
そんなときには、素直に自分の気持ちに向き合ってみるとよいでしょう。自分にいくつかの質問を問いかけて考えてみることで、意識していなかった自分の願望に気づけるかもしれません。
問いかけの例を挙げていきます。
感謝されてうれしかった出来事はありますか?
自分では当たり前のことを行っただけなにも関わらず、人から「ありがとう」と感謝された経験はありませんか。それは、自分の才能であり、活かしていくとよい面といえます。
日常で感謝された出来事を思い出してみましょう。「話を聞いてくれた」「一緒に出掛けて元気をもらった」「丁寧に仕事をしてもらえた」など、その内容は人によってさまざまです。感謝された出来事は、自分の性格や得意なことに関係しています。
心から楽しかったと思える出来事はありますか?
子どもの頃には、いつも時間を忘れて楽しみ、遊んでいたのではないでしょうか。どんなことが楽しかったでしょうか。
自分が心から楽しめることは、好きなことであり、できることであり、自分の才能を表しています。ライフワークは、好きなことの周りにあることが多いです。
挫折してしまった経験はありますか?
何かに打ち込んでいて挫折した経験はありますか。中学高校時代の部活、大学受験、会社の仕事でのトラブルなど、さまざまな出来事が思い浮かぶのではないでしょうか。
挫折経験がある人は、何かに打ち込み挑戦した経験があります。また、挫折後に気持ちを切り替えて乗り越えることも経験しています。
挫折を通じて、自分が何を考え、どう行動したかを振り返ると、自分がどうありたいかのヒントが得られ、それがライフワークの種につながります。
ライフワークへの第一歩を踏み出そう
以上、ライフワークについて、説明してきました。
自分のライフワークは何なのか。質問の答えを通じて、過去の出来事を思い出すことで、ライフワークの種を思いつくことができたならば、早速行動に移してみましょう。実際にやってみると、「確かにこれは自分に向いている」と思えるかもしれません。
まずは、決めたら走ってみる。これを大切にしてみてください。もしくは「今やっている仕事はライフワークとは違うな」とわかるのも、良いことです。自分をみつめるプロセスを経たことで、続けるのか変更するのか、選択しやすくなっています。
必ずしも、誰もがライフワークを見つける必要はありません。しかし、もしそのような生き方を望むのであれば、まずは第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?