ドイツの掃除機器メーカー、ケルヒャーが、スチームクリーナーの新製品「SC 3」シリーズを発表しました。ヨーロッパや中国などでは既に発売しているモデルで、人気を伸ばしているそうです。新製品の特徴を、ケルヒャー ジャパンのオンラインセミナーからお届けします。

スチームクリーナーは、高温のスチーム(蒸気)を吹き付けて汚れを落とすクリーナーのこと。約100℃のスチームを使うため、洗剤を使わなくても汚れを落とせる点が特徴です。テレビ通販などで、油汚れがひどいガスコンロや換気扇の掃除を実演するのをよく見かけますね。

  • 黄色いデザインが印象なケルヒャーのスチームクリーナー(SC 3)

今回の新製品となるSC 3シリーズは、スタンダードモデルの「SC 3 EasyFix」と、標準装備品がより充実した「SC 3 EasyFix プレミアム」の2機種を用意。発売は10月1日で、直営店販売価格(税別)はSC 3 EasyFixが26,800円、SC 3 EasyFix プレミアムが29,800円です(以下、SC 3)。

  • 新製品のSC 3 EasyFix

  • SC 3 EasyFix プレミアム

SC 3の特徴は、従来機種で採用していたボイラー式ではなく、フローヒーター式を採用したこと。ボイラー式は安定した温度と圧力で汚れをしっかり落としますが、タンク内の水をすべて温めるため、スチームを出すまで時間がかかっていました。

気になった汚れをすぐに掃除するには、準備に時間がかからないことは重要です。そこで、新製品ではフローヒーター式を採用し、この問題をクリアしたというわけです。

  • 比較すると、SC 3の立ち上がりが早いのが分かりますね

フローヒーター式は、内部のコイルに電気を流して熱を発生させる仕組み。フローヒーター内の水管を通る少量の水を熱して熱湯にしてスチームを作り出すため、ヒートアップタイムを短縮できます。

  • フローヒーターの内部イメージ。内部のコイルが熱くなります

また、ボイラー式の従来モデルでは、水道水に含まれるカルキ(次亜塩素酸カルシウム)がたまるために、定期的な掃除が必要でした。SC 3はこの掃除の手間もなくしています。

本体にスケール除去カートリッジをセットし、カルキ成分を除去した水をヒーターに送るため、内部のヒーター洗浄は不要。その代わり、スケール除去カートリッジの交換が必要になります。カートリッジの交換時期は本体の交換ランプで知らせてくれます。

  • スケール除去カートリッジ

  • 本体のタンクに差し込みます

スチームクリーナーは、キッチンの汚れはもちろん、浴室の排水口、窓のサッシ、フローリングなど、様々な場所で使えます。SC 3のタンク容量は1.0Lで、1.0Lあたりのスチーム連続噴射時間は約30分、定格使用時間は約120分です。途中で給水すれば120分使えるため、しつこい油汚れの掃除や家中掃除をしても十分な運転時間でしょう。

  • アタッチメントを付け替えて、いろいろな場所の掃除に活躍

  • 最上位機種「SC 4」と同等の連続使用が可能

スチームによる除菌にも期待

このほか、高温のスチームを使って掃除をするため、ケルヒャーは「99.99%除菌」をうたっています。外からの汚れの持ち込みが気になる玄関周りや、汚れやすい浴室やトイレなどは、普段の掃除にプラスしてスチームクリーナー、という使い方もアリですね。

  • 清潔が気になる時期にうれしい除菌能力

  • クッションなど布製品の除菌も

もちろん安全性にも配慮されています。洗浄の使い始めは、まずスチームレバーロックを解除。スチームの噴出量は「強」「弱」の2段階です。ロックを外したあとはスチームレバーを握ってスチームを噴出させ、スチームレバーを握っている間だけスチームが噴出される動作となります。高温のスチームを使うため、ロック機能などの安全機能は重要です。

  • スチームの量は2段階で調節可能

  • キッチンのガスコンロ

  • ドアノブの除菌

  • 汚れがたまりやすい窓枠

  • 浴室の排水口。いろいろなところの掃除に活躍します

本体サイズは長さ360×幅236×高さ253mm、本体の重さは3.1kg。電源コードの長さは4mもあるので、コンセントからちょっと離れた場所の掃除も大丈夫ですね。本体にはキャスターを備えているため、実際の使用では本体の重さは感じますが手元が軽くなります。

ケルヒャー ジャパンの家庭用製品営業本部 大前勝己部長は、「2020年1月から1カ月ごとの販売台数を前年と比べたところ、ヨーロッパや中国など各地でスチームクリーナーの販売は伸びています。中でも日本の販売台数は3.5倍と、もっとも伸びています」とコメント。日本でもスチームクリーナーがじわじわとやってきたのかもしれません!

今回のSC 3シリーズは、スチームを作り出すまでの時間が短く、長時間の使用が可能。初めてスチームクリーナーを手にするという人にも使いやすそうなので、注目してみてください。