Oculusは、PCを使わずスタンドアローンで動作するVR用ヘッドマウントディスプレイ「Oculus Quest 2」を9月17日に発表した。価格(税別)は64GBモデルが33,800円、256GBモデルが44,800円。グローバルで同日より予約受付を開始しており、10月13日より販売する。国内ではAmazonのほかに初めて店頭販売を行い、ビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラ、GEOなどで取り扱う。発売前の実機に触れたインプレッションをあわせてお届けしたい。

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    Oculus Quest 2

Oculus Quest 2は、オールインワン型のVRシステム「Oculus Quest」(2019年発売)の後継機種。VRヘッドマウントディスプレイ(HMD)とコントローラーを用意するだけで、VRゲームなどを楽しめる。本体カラーはホワイトのみ。対象年齢は13歳以上。

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プロセッサーやバッテリー、ヘッドセットに組み込んだセンサーで装着者の動きを検知する「Oculusインサイト」により、PCや外部センサーを用意することなくHMD単体でユーザーの動きをVR内に反映。6DoF対応により、顔の向きだけでなく、頭の高さや自分の位置を把握できる。ハンドトラッキングもサポートする。

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    Oculus Quest 2を装着したところ

液晶ディスプレイを採用し、解像度は片目につき1,832×1,920ドット。リフレッシュレートは最大72Hzで、将来的には90Hzもサポート予定。本体内部のレンズ(アイカップ)を左右に動かせるようになっており、58/63/68mmの3段階で目の幅(IPD:瞳孔間距離)に合わせてピントのずれを調整できる。

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    Oculus Quest 2のレンズは、左右に動かして目の幅に合わせられる

なお、初代Oculus Questのディスプレイは有機ELで解像度は片目につき1,440×1,600ドット、リフレッシュレートは最大72Hz対応だった。Quest 2では液晶に代わったが解像度が上がっており、「既存のQuestより50%もピクセル数が増加し、ゲームに入り込むにつれピクセルが消えていくように見える」(Oculus)とアピールしている。

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    付属のメガネ用アダプター(中央)。クッション(右)を外してこれを挟むかたちで装着し直すと、メガネとHMDのレンズがぶつかるのを防げる

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    メガネ用アダプターをクッション側に着けたところ。レンズの衝突は防げるが、筆者のメガネは幅があるためこの中にギリギリ収まる感じだった

新しいTouchコントローラーが左右合わせて2つ付属する。HMDを装着してこれを手に持つと、VR内に自分の手を模した3DCGが現れる。手を動かしたり腕を振ったり、対応ボタンを操作したりすることで、投げる、つかむといった動きを反映する。

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    新しいTouchコントローラー(左手用)を握ったところ

Riftコントローラーのデザインから着想を得て人間工学に基づき、従来のTouchコントローラーを全面的に再設計。「直感的な操作でユーザーのジェスチャーをVRに直接届け、より深い臨場感を味わえるようにした」という。コントローラーの電源は単3形乾電池×2。

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    Quest 2のTouchコントローラーは、Riftコントローラーのデザインから着想を得て再設計されている。下部のリストストラップを手首に巻いて持つ

SoCにはクアルコムの最新チップ「Snapdragon XR2」を採用し、6GB RAMも搭載して処理能力を強化。「全てのゲームの魅力を最大限に引き出し、これまでにない優れたゲームプレイができる」とする。無線LAN機能も備える。なお、Quest 2の設定にはFacebookアカウントが必要だ(後述)。

QuestソフトウェアプラットフォームにはQuestのコア機能だけでなく、本体の内蔵カメラを通して周囲のものにぶつからないよう設定できるGuardian(ガーディアン)や、VRゴーグルを付けたまま周囲の様子を確認できるPassthrough+(パススルー+)、ユニバーサルメニューを搭載。ホーム画面のデザインを変更しただけでなく、Quest 2の高解像度ディスプレイによるWeb閲覧や動画視聴時のテキスト表示の改善など、複数の改良を加えたという。

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    本体の各所に内蔵カメラが用意され、Passthrough+などで活用される。新機能ではないものの、VRゴーグルを付けたまま周囲の様子を確認でき、VR体験中に周囲を確認したいときに便利

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    Quest 2のセットアップが終わると、新しくデザインされた Oculus Home(バーチャルホームベース)に入る。左右の手に握られたTouchコントローラーがバーチャル空間に現れ、これで各種操作を行う

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    Oculus Homeはデフォルトでは宇宙ステーションのような空間が設定される。好きなデザインをプリセットから選んで変更することもできる

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    ホーム画面には、何に使うのかわからないギミックも見える。SF好きとしてはちょっとワクワクする

ホーム画面からは最近使ったアプリを立ち上げたり、自分の興味に関連した新しいアプリを探せる。ソーシャルストーリーズも用意され、参加したいアクティブなマルチプレイヤーゲームや友だちに人気のあるアプリ、VRでプレイしている友だちなどが表示されるという。

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    ホーム画面の利用イメージ

従来のQuestと比べて本体が10%以上軽く、小型になっているのも特徴。顔の前に重さ503gのデバイスを装着するので、それなりの存在感はあるものの、伸縮性のある柔らかいストラップをアジャスターで調整したり、頭頂部のベルクロで微調整して自分に合ったフィット感を見つけられる。

本体サイズはストラップを折りたたんだ状態で191.5×102×142.5mm、ストラップが開いた状態で191.5×102×295.5mm。Touchコントローラーの本体サイズは各9×12cm(トラッキングリング含む)、重さは各126g(バッテリー含まず)。

内蔵バッテリーで動作し、ゲームの場合は約2時間、動画視聴の場合は約3時間使える。バッテリー残量はVR空間内で確認可能だ。充電・データ転送対応のUSB-C端子を備えており、付属のUSB-C充電アダプターを使うと約2.5時間でフル充電できる。充電しながら使うこともできるが、動き回るようなVRゲームなどではケーブルやコネクタが傷む恐れもあるので、つながないほうが良さそうだ。

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    左側面にUSB-C端子(中央)を備えており、充電・データ転送に対応する。その左隣は3.5mmステレオミニのヘッドホン出力

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    右側面に電源ボタン(中央)を装備。長押しすると電源オン/オフのほか、出荷時の設定に戻すといった操作も行える。右隣はLEDランプで、充電時に橙や緑に点灯する

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    付属のUSB-C充電アダプターとケーブル

なお、Quest 2は2種類のプレイスペースをサポートする。ひとつは約2m四方以上のスペース確保を推奨する「Roomscale」で、もうひとつは座った状態・立った状態で直径約1.2mのスペース確保を推奨する「Stationary」。プレイスペースの上(頭上など)にランプやシーリングファンなどがないか注意するよう案内している。

別売アクセサリーとして、Quest 2をゲーミングPCに接続してOculus Riftのゲームを楽しむための高速光ファイバケーブル「Oculus Linkケーブル」(USB 3 Type-C対応、長さ5m、税別9,800円)を用意。

ほかにも、Quest 2と同梱品を収納できる携帯用ケース(税別6,100円)や、Quest 2 Eliteストラップ(同6,200円)、Quest 2 Eliteストラップ バッテリーおよび携帯用ケース付き(同16,000円)、Quest 2フィットパック(同4,800円)をラインナップしている。

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    Quest 2と同梱品を収納できる携帯用ケース

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    Quest 2 Eliteストラップ バッテリー