ゾーンという言葉をご存じでしょうか。トップアスリートが試合後に、勝利の理由として挙げることもある表現です。この記事では、ゾーンに入るためのテクニックや、メリットについて解説します。
ゾーン(ゾーンに入る)とは?
ゾーンとは、集中力が非常に高まり、周りの景色や音などが意識の外に排除され、自分の感覚だけが研ぎ澄まされ、活動に没頭できる特殊な意識状態を指します。その際には、取り組んでいることに没頭し、驚異的な集中力で予想以上の結果を出すことが可能になると考えられます。
ゾーン状態で起き得ること、ゾーンに入るメリット
ゾーンに入ることで具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
集中力が上がる
ゾーンに入っている状態が、極限まで集中力が上がっている状態と考えられるため、これは当然のことでしょう。
周りの音や景色が消え去り、今自分がしていることだけが意識に上るのがゾーンに入った状態です。これをコントロールすることが可能になれば、いつでも集中力を上げることができるようになるでしょう。
疲れにくくなる
ゾーンに入ると、自らの最高のパフォーマンスを発揮できる一方で、一時的に、疲労を感じにくくなると言われています。
成果に満足したり、楽しいことに取り組んだりしているときに、なぜか普段よりも疲れを感じない――という経験は誰しも一度はあるのではないでしょうか? ゾーンに入った状態もそれと同じで、万能感や集中力が高まり、疲れよりも心地よさを感じやすくなります。
高揚感を体験できる
ゾーンに入ると集中を極め、周りの何にも邪魔されないという感覚を味わうことができます。
普段の生活では、周囲の目線が気になったり、時間やノルマに追われたりと、なかなかストレスから逃れられない一方で、一度ゾーンに入ると、すべてが自分のイメージ通りに進むようになり、非日常的な高揚感を体験することが可能になります。
自らで描く「理想の自分」になりきることができ、事前にイメージしていた通り、もしくはそれ以上の成果を上げることができるようになります。
ゾーンに入るためのテクニックとは?
ゾーンに入ることで、多くのメリットを享受できることがわかりました。一方で、たとえプロのアスリートでもゾーンに入ることは難しいと言われています。
どうすればゾーンに入れるのでしょう? そこには、いくつかのテクニックがあると言われています。
以下、ゾーンに入るためのテクニックを紹介します。参考にしてみてください。
「現在」に集中できる環境を作る
まず重要なことは、「現在」に100% 集中し、先のことや過去のことを考えないようにすることです。
例えば、制限時間を設けてしまっている場合、「あと何分頑張れば終わる」「あと何分の間にこれをしなければならない」といった雑念が頭に浮かんでしまいます。今取り組んでいることだけを考えるためには、制限時間を設けずに、「現在」に意識を向けることが大切です。
目標・目的を決める
漠然とした目的意識の中で、高い集中力を保つことは難しいと言えるでしょう。ゾーン状態に入るほどの高い集中力を持つためには、「こうなりたい」という、明確な目的意識・目標を掲げることが効果的です。
「本当に自分にできるのか」という迷いも、集中力を削ぐキッカケになります。ハッキリとした目的意識を持ち続け、努力を続けていく中で、自信を培っていくことが重要です。
そのため、気乗りしない問題に取り組まなければならないときには、ゾーンに入ることは難しくなります。そうした際にも集中力を高めたい場合には、問題そのものではなく、それをクリアした先に得られるものを思い浮かべるのも一つの手です。
外的環境を整える
集中するためには外的環境を整える必要があります。
まずは物理的な整理整頓をしましょう。周囲が散らかっていると、それに気をとられて集中力が途切れてしまいます。まずは自分の身の周りを片付けましょう。
また、周囲の人の視線が気になるのであれば1人になれる場所に移動し、音や光が気になる場合には、イヤホンやサングラスなどを付けることも効果的です。
オンとオフを切り替える
意識的なオンオフの切り替えが、ゾーンに入る条件の1つと考えられます。オンとは、緊張状態のことで、オフはリラックスしている状態のことです。
集中するためにはリラックスする瞬間が必要です。スポーツ選手は緊張状態から呼吸法などでリラックスし、その後ギアを入れ替えるように意識を集中させていると言われています。
課題を決める
明確な目的を心に描いたら、それを達成するために、どのような課題をクリアしていかなければならないか具体化しましょう。
さらに、1つ課題を克服するごとに目的に近づいていく自分をイメージしてください。モチベーションを維持し、集中力を高めることにつながります。
ゾーンに入るテクニックを身につけよう
最高のパフォーマンスがでる、ゾーン状態。一度体験をしてみたいと思われるのではないでしょうか。
先述したように、たとえ一流のアスリートであっても、ゾーンに入るのは用意ではないと言われています。しかし、ゾーンに入るテクニックを身につけておけば、いざという時に能力を発揮できる可能性もあります。
ゾーンを使いこなして、ハイパフォーマーへの道を歩んでみてください。