アップルは、日本時間9月16日に米国で新しい製品とサービスを発表するイベントを開催し、オールスクリーンデザインになった新しい第4世代の「iPad Air」と、第8世代となるスタンダードモデルの「iPad」を発表しました。

  • デザインを一新、5色展開になった第4世代の「iPad Air」

  • ホームボタンを残した第8世代の「iPad」

先に発売されるiPadの販売開始は9月18日。第7世代のモデルと同じ10.2インチのRetinaディスプレイを搭載し、フロントベゼルのボトム側にTouch IDを内蔵するホームボタンがあります。ストレージ容量が32GBと128GBのWi-Fi+Cellularモデル、Wi-Fiモデルに分かれます。32GBのWi-Fiモデルが34,800円(税別)から。カラーバリエーションはシルバー/スペースグレイ/ゴールドの3色。

第4世代のiPad Airは販売開始が10月。Touch IDの指紋認証センサーを内蔵する電源ボタンを側面に配置したオールスクリーンデザインの液晶Liquid Retinaディスプレイはサイズが10.9インチ。側面には音量ボタンとステレオスピーカーも設けています。ストレージ容量が64GBと256GBのWi-Fi+Cellularモデル、Wi-Fiモデルに機種が分かれます。64GBのWi-Fiモデルが62,800円(税別)から。

カラーバリエーションはシルバー/スペースグレイ/ローズゴールドに加えて、iPadに初めてグリーンとスカイブルーを加えた5色展開です。

どちらのiPadもiPadOS 14をインストールした状態で出荷されます。アップルのデジタルペンはiPad Airが第2世代、iPadが第1世代のApple Pencilに対応。専用アクセサリーとして、iPad AirにもMagic Keyboardに対応します。11インチのiPad Pro用のMagic Keyboardが共用できるようです。iPadはSmart Keyboard。

  • Magic Keyboardと第2世代のApple Pencilに対応するiPad Air

  • iPadはSmart Keyboardに対応

  • iPadは第1世代のApple Pencilを使いますが、iPadOS 14の新機能「スクリブル」にももちろん対応します

iPad Airは本体の厚さが第3世代のモデルと同じ6.1mm、質量がWi-Fiモデルが458g、Wi-Fi Cellularモデルが460g。iPadも第7世代のモデルと同じ厚みが7.5mm、質量がWi-Fiモデルが490g、Wi-Fi Cellularモデルが495g。

iPad AirはNeural Engineを搭載するA14 Bionicチップを搭載。5nmプロセスにより製造されるSoCは、第3世代のiPad Airとの比較で6コア構成のCPUの処理速度が40%向上、4コア構成のGPUは30%のグラフィック処理性能の向上を果たしています。

  • 5nmプロセスにより製造されるiPad Airの「A14 Bionic」チップは、全体のパフォーマンスが飛躍的に向上しています

iPadはA12 Bionicチップを搭載。第7世代のiPadと比べてCPU性能は40%、グラフィックスの処理性能は2倍向上しています。発表会では「最もよく売れているWindowsノートPCの2倍、Androidタブレットの3倍、そしてGoogle Chromebookの6倍高速な処理性能」であることを強調していました。

  • 第8世代のiPadにもA12 Bionicチップが搭載されました

iPad Airのディスプレイは解像度が2,360×1,640画素、最大輝度は500ニット。耐指紋性撥油/反射防止コーティングのほか、ペン先の高い追従性を実現するフルラミネーションディスプレイを搭載。TrueToneや広色域表示対応のP3ディスプレイであることが明らかになっています。上位のiPad Proが搭載する120Hz駆動対応のProMotionテクノロジーには非対応です。

  • iPad Airの10.9インチ液晶Liquid Retinaディスプレイ

iPad Airのカメラは、背面のメインカメラがシングルレンズの12MPの広角カメラ。4K/60pビデオ撮影や240fpsのハイフレームレート撮影に対応。手ブレ補正エンジンを内蔵しています。現行iPad Proの広角カメラと同等の性能となりました。フロント側は7MPのFaceTime HDカメラです。オールスクリーンディスプレイでありながら、Face IDに対応していないところがiPad Proとの違いになります。

  • iPad Airのメイン側12MP広角カメラ

  • iPad Airは、側面に指紋認証センサーを搭載する電源ボタンとボリュームのアップダウンキーを搭載しています

  • 新開発のTouch ID内蔵電源ボタンの構造

iPadも、背面のメインカメラは第7世代モデルと同じ8MPの広角カメラ。動画撮影は最大1080/30p対応。1.2MPのFaceTime HDを搭載します。

iPad Airは、側面に横向きの2スピーカーオーディオを搭載。3.5mm端子の有線イヤホンはUSB-Cからの変換アダプターを介して接続します。iPadは片側の2スピーカーオーディオで、3.5mmアナログイヤホンジャックを引き続き搭載します。

デジタルコネクターはiPad AirがUSB-C、iPadはLightningとしています。iPad AirはSmart Connectorを本体の背面に搭載します。

セルラーモデルは4G LTE対応。nano SIMカードに対応する物理スロットのほか、埋め込み型のeSIMを搭載しています。Wi-FiはiPad AirがWi-Fi 6(11ax)対応、iPadはWi-Fi 5(11ac)対応となります。

  • ティム・クックCEOも発表会のビデオの中で、iPadの記念すべき10周年に充実したラインナップを揃えられたことを満足げに語っていました

初代iPadが2010年に発売されてから10周年のアニバーサリーイヤーに、強力なラインナップが出揃いました。ハンズオンの機会には、iPadOS 14の新機能とともにiPad Airの使い勝手をレポートしたいと思います。