何の目的の電話か画面で確認できるようになるといえば、2020年9月に発表された「Verified Calls」ですね。通常の着信と身元が確認された相手からの着信を自動識別し、着信画面に相手の名前や電話の要件を表示します。企業向けのサービスとして、まずは米国など5カ国でスタートする計画です。

通常の着信でも、電話番号が連絡先に登録されていれば発呼者の名前が画面に表示されますが、Verifiled Callsでは発呼者の名前/社名にくわえ会社のロゴ、さらには何の目的で電話をしたかの情報まで表示できるようになります。

そのカラクリは、Googleが提供する専用の通話サーバにあります。NeustarやFive9といったGoogleのパートナー企業を通じて通話サーバへ自社(Verified Callsに申し込んだ企業)と顧客の電話番号、通話の目的といったデータを送信すると、顧客のAndroid端末の電話アプリへ自動的に転送されます。その後顧客へ登録した番号から電話すると、転送されたデータと着信時の情報(電話番号)を照合し、一致すればVerified Callsとして電話アプリの着信画面に表示する、というしくみです。

米国では自動音声による通話「ロボコール」が社会問題化しており、米連邦通信委員会(FCC)は2017年3月に規制案を可決、さらに2020年3月には対策技術の実装をキャリアに義務付けました。そのような背景があってVerified Callsを導入したとみることができますが、ここ日本でも迷惑電話や特殊詐欺を目的とした電話は大きな社会問題ですから、サービスの日本市場導入も期待したいところです。

  • Androidで何の目的の電話か画面で確認できるようになる?

    電話をかけてきた相手の名前だけでなく、電話の目的も表示される「Verified Calls」