ASUSの「ZenBook 14 UM425IA」は、14型液晶を採用するモバイルノートだ。薄くて軽いボディと最大21時間のバッテリ駆動に加え、8コアのCPUをはじめ、高速なメモリやストレージを備えるなど性能も高い。軽めのゲームなら十分プレイが可能と、仕事にも遊びにも活躍できる1台だ。

  • ASUSTeK「ZenBook 14 UM425IA」。9月10日発売で価格は税別108,910円から

    ASUSTeK「ZenBook 14 UM425IA」。9月10日発売で価格は税別108,910円から

第3世代Ryzen Mobile搭載で21時間のバッテリー駆動

まずは、基本スペックをチェックしよう。CPUは、開発コードネームRenoirこと第3世代Ryzen Mobileの「Ryzen 7 4700U」。TDP15Wと薄型ノート向けのCPUながら、8コア8スレッドで基本クロック2GHz、最大ブースト・クロック4.1GHzと高い性能を備えている。メモリはLPDDR4X-3733(3,733MHz駆動)とこちらも高クロック。容量も16GBと十分だ。ストレージは高速なデータ転送速度を持つNVMe SSDを採用し、容量は512GB。接続はPCI Express 3.0 x2となっている。

GPUは、CPU内蔵の「AMD Radeon Graphics」だ。Radeonということで高性能を期待したいところだが、GPUコア数は7と多くはない。実際のゲーム性能については後半のベンチマークをチェックしていただきたい。

  • CPUは第3世代Ryzen Mobileの「Ryzen 7 4700U」を搭載

  • GPUはCPU内蔵の「AMD Radeon Graphics」。7コアで動作クロックは1,600MHz

ディスプレイは14型で解像度はフルHDだ。表面は映り込みのないノングレア仕様でリフレッシュレートは60Hzとなっている。パネルの種類は公開されていないが、正面から見る限り色ムラは感じられず、モバイルノートとしては十分な表示性能と言える。狭縁ベゼルにより画面占有率が最大90%と広いのが特徴だ。

  • ディスプレイは14型の液晶で解像度はフルHD

  • 横から見ると若干暗くなるが、モバイルノートとしては十分な視野角

サイズはW319×D210×H14.3mm、重量は1.25kgと薄型、軽量。バッテリー駆動時間は公称で約21時間(JEITA測定法2.0)と驚異的な数字だ。これなら長時間の移動でも安心して使えると言える。

  • 14型かつ8コアCPU搭載で高さ14.3mmはかなりの薄さ。カバンに入れやすいのはうれしいところ

  • ACアダプタはコンセントに直接挿し込むタイプ。本体のType-Cポートに接続する

インタフェースは右側面にUSB 3.0×1、microSDカードリーダー、左側面にHDMI出力、USB 3.1 Gen2のType-C×2となっている。Type-Cは充電用のポートも兼ねており、付属のACアダプタのほか、5V~20V出力に対応するモバイルバッテリーでも充電が可能だ。無線はWi-Fi 6を備えており、2ストリームなので最大2,404Mbpsの通信に対応する。また、Bluetooth 5.0にも対応。

  • 本体右側面。USB 3.0×1、microSDカードリーダーを搭載

  • 本体左側面。HDMI出力、USB 3.1 Gen2 Type-C×2を備える

  • USB(Type-A)を有線LANに変換するアダプタも同梱

  • Type-C→ヘッドセット出力変換アダプタも付属

  • Wi-Fi 6は2ストリームなので最大2,404Mbpsに対応。実際Wi-Fi 6のルーターと2,404Mbps(2.4Gbps)でリンクできることを確認した

次は入力インタフェースをチェックしよう。キーボードは日本語配列でキーピッチは19.05mmと十分なサイズが確保されている。不自然に小さくなっているキーもなく、薄型ながらキーストロークは1.4mmと一般的なノートPCと同じ深さがあり、使いやすい。長時間の文書入力にも十分耐えられる。キートップには0.15mmのわずかなくぼみがあり、指がフィットしやすいのも特徴だ。

  • キーボードは日本語配列

  • キーピッチ19.05mm

  • タッチパッドはボタンが一体化しているタイプ

  • キーボードにはバックライトがあるので暗い場所でも使いやすい

  • ヒンジ部分によって底面の後方が持ち上がるエルゴリフト構造を採用。これにより底面に熱が籠もりにくくなるだけではなく、キーボードに傾斜が付いて入力しやすくなる

これがRenoirの威力、サクサク仕事、ゲームも遊べる

ここからは性能チェックに移りたいと思う。まずは、「PCMark 10 v2.1.2177」、「3DMark v2.12.6964」、「CINEBENCH R20」、「CrystalDiskMark 7.0.0f」の結果から見ていこう。

  • PCMark 10の結果

  • 3DMark Fire Strikeの結果

  • 3DMark Time Spyの結果

  • 3DMark Sky Diverの結果

  • CINEBENCH R20結果

  • CrystalDiskMark 7.0.0fの結果

PCMark 10のスコアはさすが8コアCPUという結果。とくにクリエイティブ系の処理を行うDigital Content Creationは好スコアだ。3DMarkもCPU内蔵グラフィックとして高い。CINEBENCH R20は8コアなのでCPUのスコアがそれなりに高いのは当然だが、注目はシングルコアのスコアだろう。475ptsはノートPCとしては高く、1コアしか使わないアプリでも高い性能を発揮できることを示している。

CPU内蔵のグラフィックが「AMD Radeon Graphics」ということもあり、ゲームもどの程度プレイできるかチェックしておきたい。MMORPGの「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」、軽めのゲームとしてFPSの「レインボーシックス シージ」と「VALORANT」でテストを行った。

  • ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークの結果

ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークは、フルHD解像度だと標準品質(デスクトップPC)で快適という評価だ。

  • レインボーシックス シージのベンチマーク結果

レインボーシックス シージは内蔵のベンチマーク機能で測定した。比較的軽めのゲームで、画質を中設定なら平均61fpsと快適にプレイできる。最高画質でもなんとかプレイできるフレームレートだ。

  • VALORANTのベンチマーク結果

VALORANTは射撃場を一定コース移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測している。軽いゲームだけに画質設定をすべて最高まで上げても平均60fpsオーバー。快適に楽しめる。それほど高い3D性能はないが、軽めのゲームなら遊べるのはうれしいところだ。

14型とモバイルノートとしては大きめの画面なので作業がしやすく、8コアCPUで性能も十分。メインのPCとしても使えるだけの実力がある。それで薄型、軽量なので持ち運びもラクだ。テレワークにより、自宅と会社でPCを持ち運ぶ機会が多い人にとってはかなりの魅力があるのではないだろうか。また、ZenBookらしくシンプルでスタイリッシュなデザインと所有欲も満たしてくれる。欲しくさせる力を持ったモバイルノートだ。