映画『いのちの停車場』(2021年公開)の現場会見が11日に東映大泉撮影所にて行われ、吉永小百合、松坂桃李、広瀬すず、西田敏行、みなみらんぼう、成島出監督、東映 手塚治社長が登場した。

  • 吉永小百合

    吉永小百合

同作は都内の終末期医療専門病院に勤務する現役医師でありながら、作家として活躍する南杏子の同名小説の実写化作。救命救急医として、長年大学病院で患者と向き合ってきた咲和子(吉永)は、とある事情から石川県にある父の住む実家へと戻り、在宅医療を通して患者と向き合う「まほろば診療所」に勤めることになる。

大麻取締法違反の疑いで逮捕された俳優・伊勢谷友介容疑者が出演している同作だが、会見前に手塚社長は出演シーンをカットしないと宣言。「有料でクローズド」な映画の性質と、「作品と個人は別のものである」という同社の見解を示した。

主演の吉永は「伊勢谷さんとは初共演なんですけど、今回伊勢谷さんは脊髄損傷で体の自由が効かなくなって、なんとか佐和子にサポートしてもらって自分を甦らせてほしいと頼む役。そういうことで2人で対峙してセリフの応酬があり、けっこうしっかりとしたシーンになっています」と明かす。

9月4日より始まった撮影で、同シーンは6日に実施、8日には伊勢谷が逮捕された。吉永は「私は伊勢谷さんとやって、いいシーンが撮れた。お互いに思いやいろんなものをぶつけられて、キチッと撮れているんじゃないかと思ってるんです」とたびたび瞳を伏せ、少し声を詰まらせながらも振り返る。

吉永はさらに「今回のことを報道で知って、とても残念な思いでいますし、事実がわからない部分もあるんですけど、なんとか乗り越えて、また撮影の現場に帰ってきてほしいと、今思っています」と、伊勢谷への思いとメッセージを表した。