日立グローバルライフソリューションズは9月10日、メディア向けセミナーを開催し、オーブンレンジと炊飯器の新機能について説明しました。加熱水蒸気オーブンレンジのヘルシーシェフから「MRO-W10X」と「MRO-S7Y」、炊飯器はフラグッシップモデルの圧力&スチーム ふっくら御膳「RZ-W100DM」です。
2019年モデルのフラッグシップモデルがアップデートで使いやすく
まずは加熱水蒸気オーブンレンジのフラッグシップモデル「MRO-W10X」について。家電に詳しい人はここで気付くかもしれませんが、このMRO-W10Xは2019年6月に発売された製品。大きな特徴はスマートフォンとつながるコネクテッド家電であることなのですが、2020年6月24日にスマートフォンを介して本体ソフトウェアをアップデート、さらに2020年10月中旬にアプリと本体のアップデートを行うことで、新機能を追加してより使いやすくなります。
6月のアップデートによって変化したのは3点。1つはオートメニューの数。MRO-W10Xはもともと人気料理レシピサイト「クックパット」で殿堂入りしたレシピ(1,000人以上のユーザーが実際に作ったレシピ)を30メニューほどオートメニューとして搭載していましたが、さらに10品目を追加。合計40メニューの「クックパッド殿堂入りレシピオートメニュー」が使えるようになりました。
さらに今回、味の素、カゴメ、キッコーマン、キユーピーとも新たにコラボして、「食品メーカーオートメニュー」を20メニュー追加。味の素「ほんだし」やキユーピーのマヨネーズなど、身近な調味料を使った料理を手軽に、おいしく作ることができます。つまり、合計で30ものオートメニューが増えました。
これらのオートメニューは、いずれもMRO-W10Xの「Wスキャン」を利用しているのが特徴。Wスキャンとは、食材の重さと温度を同時に計測することによって、分量にあわせて正確な火加減で調理すr日立独自の機能。このWスキャンのおかげで、レシピの量を増減させても最適な加熱をしてくれます。さらに、レシピにあわせてレンジ・オーブン・グリル・スチーム・過熱水蒸気という5種類の加熱方法を自動的に使い分けます。
2つ目の変化は、プラスチック製のボウルによる「ボウルメニュー」の自動調理ができるようになったこと。ボウルメニューとは、下ごしらえした食材をボウルに入れて、あとはレシピを選択するだけで簡単に調理できるオートメニューのこと。これまでは耐熱ガラスボウルにしか対応していませんでしたが、今回のアップデートにより軽くて割れにくいプラスチックボウルでの自動調理にも対応しました。
3つ目の変化が「お手入れ」のしやすさ。MRO-W10Xはもともと外して丸洗いできるテーブルトップや、スチームを充満させることで庫内の汚れが落ちやすくなる「お手入れコース」などに定評がありました。今回のソフトウェアアップデートでは、お手入れコースで吹き出すスチームの量が増えて、より汚れが落ちやすくなりました。
ここまではすでにアップデートされた内容ですが、10月中旬にはさらなるアップデートも予定しています。10月のアップデートで注目したいのは、ユーザーの好みを事前に登録することで、献立を提案する機能です。「献立を決める」のが面倒と感じる人が多いなか、この献立提案はかなりうれしい機能ではないでしょうか? さらに、MRO-W10Xを使い続けることで提案の傾向をチェックしたり、今後提案されるレシピの傾向を変えることも可能になるそうです。
22Lサイズのオーブンレンジがかなり便利そう!
日立のオーブンレンジには、もちろん2020年発売の新製品もあります。便利そうなのは8月22日に発売された総庫内容量22Lの過熱水蒸気オーブンレンジ「MRO-S7Y」。推定市場価格(税別)が50,000円前後と比較的手ごろながら、重量センサーと蒸気・温度センサーという複数のセンサーを搭載。食材の分量を設定することなく、自動あたためや解凍ができるモデルです。
ちなみに、温度センサーだけの製品は、オーブンやレンジ使用後は庫内が冷えるまでオートあたためなどの自動メニューが使えないという問題がありました。一方でこのMRO-S7Yは、重量センサーのおかげでオーブン使用後すぐでも自動調理が利用可能です。
個人的にとても便利!? と感じたのがテーブルプレートの存在。セラミック素材のテーブルプレートは、電子レンジ調理にもオーブン調理にも使えます。普段は庫内底面が汚れても丸洗いできるように、底面にセット。オーブン使用時は、天板として利用することで、天板の収納場所に困ることがなさそうです。
寿司飯もおいしくなった炊飯器、ふっくら御膳のフラッグシップモデル
続いては、5.5合炊きの炊飯器、圧力&スチーム ふっくら御膳「RZ-W100DM」です(2020年7月発売)。2019年モデルからは、京都で米料亭を運営している「今日の米老舗 八代目儀兵衛」が監修した炊飯器です。ご飯を「外硬内軟」という状態で炊き上げることを理想としています。外硬内軟とは、粒がしっかりと輪郭をもちながら、中心はふっくらと甘いご飯のこと。
新製品の特徴は、八代目儀兵衛が監修した「極上すしめし」コースの追加。八代目儀兵衛の料理長によると、通常の「外硬内軟」なご飯はそのまま食べるとおいしいものの、寿司飯にすると水分や粘りが強すぎて、寿司酢がご飯に吸収されにくいそうです。そこで、極上すしめしコースでは吸水時間を短くし、圧力をかけながら急激に高温で加熱します。さらにスチームで短時間の蒸らしを行うことで、粒感を残しつつも、水分や粘りを適度に抑えた炊飯を実現。酢とご飯をあわせたときに、なじみがよくおいしい酢飯が作れるといいます。
コロナ禍で自宅にいる時間が増えたいま、自宅で美味しい手巻き寿司などが楽しめるのは、なかなか魅力的かもしれませんね。また、日立のふっくら御膳といえば、スチームによる最大40時間の保温や、軽くて扱いやすい内釜、蒸気カットで炊飯時に水蒸気が出ない機構など、ご飯の美味しさだけではなく使いやすさでも人気。これから炊飯器の買い換えを考えている人には、ぜひチェックして欲しい製品です。