パナソニックは9月9日、Lクラスキッチンの新提案「Idobataスタイル」を発表した。コロナ禍における新しい生活様式に対応した製品となっている。同日、オンラインで製品発表会が開催された。
■パナソニックのキッチンの特徴
パナソニック ハウジングシステム事業部の田代千恵氏が説明した。パナソニックキッチンのフラッグシップに位置づけられているのがLクラスキッチン。「汚れが落ちやすい」「傷がつきにくい」「ファンの掃除の手間がない」「ワイドコンロで使いやすい」など『ラクするテクノロジー』の機能性により家事の負担を軽減し、キッチンに立つ人間の気持ちを楽にする、暮らしにゆとりをもたらす、というコンセプトで商品開発が行われている。
同社が2017年12月に発売したのが、対面型のキッチンカウンターにIHが組み込まれた「Iroriダイニング」(いろりダイニング)だった。企画で重視したのは、家族や友人とのコミュニケーションの円滑化。田代氏は「作りながら食べるライブ感を楽しむキッチンとして、現在も好評をいただいています」と説明する。
■Idobataスタイルとは
しかし新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世の中のコミュニケーションのあり方も変わってきた。そこで同社では、新たに「Idobataスタイル」(いどばたスタイル)を提案する。
開発の背景について、田代氏は次のように説明した。「男女2,000名を対象に6月にアンケートを実施したところ、在宅時間が増えた人がほとんどでした。増えた時間は、多くの家庭で食事の準備や調理時間に充てられている。また、新しく増えた趣味に『料理』を挙げる人も増えています。一方で、食事の準備や調理時間に『ストレスを感じている』割合は男性4%、女性32%という結果でした。主人が調理を手伝うようになったが、キッチンが狭い、教えながらだと時間がかかる、など手放しでは喜べない状況があるのだと推察します」。
そこでIdobataスタイルでは、スクエア型のシンクを真ん中に設計した。これにより、大人が2人以上で並んでキッチンに立っても、スペースに余裕が生まれる。カウンターの奥行きは従来製品(933mm)よりも狭い800mmとしたことで、調理・配膳を楽にし、コミュニケーションも取りやすくなった。
従来製品で培ってきたラクするテクノロジーを継承しつつ、非接触で使えて清潔な「スリムセンサー水栓」、ノック2回でドアがオープンする「フルオートオープン食器洗い乾燥機」、まとめ買いに対応する「根菜キーパー収納庫」など、新しい生活様式に最適な機能も追加されている。
Idobataスタイルは、Iroriダイニング(約271万円~)よりリーズナブルな約179万円~で提供していく。田代氏は「人気のIroriダイニングとの価格差は約92万円で、お求めやすい価格帯になっています。例えば、普及商品が標準スペックの新築世帯などにもご提案できます。今後はお客様のニーズによって、IdobataスタイルとIroriダイニングで棲み分けをしていきたいと考えています」と説明した。