既報の通り、米Appleが9月15日(米国時間)にイベントを開催することを発表した。Appleの9月イベントというと例年ならばiPhoneの新製品発表会になるが、新型コロナ禍の影響を受ける今年は例年通りにならないという見方と予想が割れている。

Appleは2020年4〜6月期決算を発表した際に、2020年秋のiPhone新製品の登場がいつもの年より数週間遅れる見通しを明らかにしていたが、10月発売になるとしても、例年のパターンを崩さず9月にiPhone発表イベントを開催する可能性は十分にある。昨年のiPhone発表イベントは9月10日だった。それよりも少し遅い15日のイベント開催になり、次期iPhone発表への期待が高まっている。

しかし、新型コロナ禍の影響で先行きが見通しにくい中で、Appleは慎重を期すという見方もある。ジャーナリストのRene Ritchie氏は「2020年は混乱の年であり、全てが異なる。こうなって欲しいという思いからいつもの年のイベントを期待してはいけない」としている。

  • 9月15日イベントの告知

    2020年9月15日のイベントは、メッセージのコピーから"Time flies"イベントと呼ばれ始めている

今回の告知でイベントは「Apple Event」となっている。これまでAppleは9月の発表会や開発者カンファレンスWWDCの基調講演を「Apple Special Event」としてきた。イベントの呼び方を変更した可能性もあるが、今回はスペシャルと呼ぶ規模ではないという見方もできる。また、メディア関係者にイベント開催を知らせるメッセージに「Time flies,」という時間をイメージさせるコピーを付けている。そのためBloombergでMark Gurman氏は、15日の発表はApple WatchとiPad Airの新製品になると予想。The Vergeも次期iPhoneを発表するという予想記事を、次期Apple Watchにフォーカスしたイベントなりそうだという見方にアップデートした。今年は5G対応のiPhoneが登場する重要な年になりそうなだけに、9月15日のイベントとは別に「Apple Special Event」が開催されるかもしれない。

Appleイベント前に予想やリーク情報で盛り上がり、一部で混乱も見られることについてRene Ritchie氏は以下のように呼びかけている。

  1. Time fliesイベントに「iPhoneはない」とジャーナリスト達が聞いているのであれば、WWDC前に「(今年は)ハードウェアはない」と耳にしていることがあるのと同じで、少なくとも思いをめぐらせてみる価値はある。
  2. リークは映画のスポイラー(ネタバレ)のようなもので、知りたい人はフォローし、そうでなければ避けるべき。楽しむ範囲にとどめておき、(リークで)ストレスや不快感をつのらせてはいけない。