普段の生活の中では、なかなか他人の貯金額を知る機会はありません。貯金額の平均値を知ることで、自分がきちんと貯金できているのかを判断する目安にしましょう。
そこで、今回は実際に貯金をする際のコツや、年代別の平均貯金額についてまとめました。そのうえで、理想の生活を実現するために必要な貯金額を、着実に貯めていけるようにしましょう。
年代別・みんなの平均貯金額
貯金額は、年齢が高くなるほど高くなる傾向があります。それでは、具体的に各年代の人はどのくらい貯金があるのでしょうか。金融広報中央委員会による、年代別の金融資産保有額の「平均値」と「中央値」は下記のとおりです。
■金融資産保有額(金融資産保有世帯) 令和元年
年代 | 平均値 | 中央値 |
---|---|---|
20代 | 198万円 | 80万円 |
30代 | 572万円 | 300万円 |
40代 | 972万円 | 375万円 |
50代 | 1,496万円 | 420万円 |
60代 | 1,930万円 | 845万円 |
なお、上記のデータは、貯金がある人の平均です。「平均値」は保有資産額を平均した数値、「中央値」は保有資産が多い人から少ない人までの金額を順番に並べたときに、真ん中に来る人の資産額です。
平均値を見て「こんなにあるの!?」と思った人でも、中央値であれば、比較的リアルに感じられるのではないでしょうか。同じ年代の人の平均値や中央値と、自分の貯金額を比べてみましょう。
お金を貯めるための3つのコツ
漠然とお金を貯めようとしても、なかなか貯まるものではありません。お金を貯めるためには「目標を立てる」「お金が貯まる仕組みを作る」「将来の予算設計をする」の3点が大切です。
以下にそれぞれの詳細をまとめましたので、ぜひ実践してみてください。
1.貯金額の目標を決める
何事も目標を設定すると、「それに向けてがんばろう」というモチベーションを維持しやすくなります。
ただし、これまで貯金の習慣がなかった人が、いきなり「将来家を買うために3,000万円貯める」という目標を立てても、達成までが遠すぎて途中で挫折してしまう可能性が高いでしょう。貯金の目標は、手近なところから始めるのがおすすめです。
例えば、「1年後までに一人暮らしをするための費用30万円を貯めたい」「貯金が50万円以上になったことがないから100万円を目指したい」など、ある程度実現可能な金額を設定しましょう。
目標が決まったら、貯金用の口座を作ることをおすすめします。毎月残高が増えていくのを確認することで、楽しみながら貯めていけます。
2.給料が入ったらすぐに先取り貯金
貯金専用口座に入れるお金は、残し貯めではなく、給料を天引きなどして先に預金口座に貯蓄分を入れる先取り貯金にしましょう。できれば、簡単には下ろせない、定期積立預金などを活用するのがおすすめです。
給与振込日の直後に、自動で先取り貯金の金額が引き落とされるように設定しておけば、自動的にお金を貯める仕組みを作れます。最初から、貯金額を差し引いた金額が手取り額だと思って生活をすれば、その範囲の中で生活する習慣をつけやすくなります。
3.将来に必要な金額をイメージする
近い将来の目標を立てるだけでなく、将来必要になるお金がどのくらいなのかも考えてみましょう。例えば、10年後に車を買い替えたいと思っているのであれば、それまでに欲しい車の金額分のお金を貯める必要があります。
「車を現金で買うのは難しい」と思っている人でも、1年に30万円ずつであれば、貯められるのではないでしょうか。そうすれば、10年後には300万円を手にすることができます。
将来に必要なお金を知り、それに向けて貯金計画を立てておくことで、お金に対するぼんやりとした不安を払拭し、「このとおりに貯めていけば大丈夫」という安心感を得れれます。
お金を貯めるために大切なこと
お金を貯めるには、収入を増やすことと支出を減らすことが重要です。たとえ先取り貯金をしていたとしても、収入から支出を引いた額がマイナスなら、貯金分を捻出できないので、貯金ができていることにはなりません。
ここでは、収入を増やす方法と支出を減らす方法のほか、実収入を増やす(手取りを増やす)ための節税方法をご紹介します。
収入を増やす
収入を増やす方法には、主に以下の3つがあります。
・今の会社で昇給や昇進を目指して給料を上げる
・もっと稼げる会社に転職する
・副業をしてプラスアルファの収入を得る
この中で最もリスクが低いのは、今の会社で給料アップを狙う方法ですが、それほど上を目指せないということもあるでしょう。その場合は、そもそも会社自体を辞めて、もっと条件のいいところに転職することを検討してみましょう。 ただし、転職はリスクが大きい方法です。できるだけ在職中に次の職場を探して、あいだを開けずに転職することをおすすめします。
また、今の会社が副業を認めているのであれば、副業も即効性の高い方法です。副業には休日のアルバイトやプチ起業、投資など、さまざまな方法があります。自分に合ったやり方で収入源を増やしてください。
節約を考える
日々の生活費を下げられれば、それだけ貯金に回せるお金が増やせます。
節約というと、食費や日用品費、交際費などを削減することを考えるかもしれません。しかし、無闇にこれらの予算を減らしてしまうと、栄養バランスが悪くなったり、交友関係にひびが入ってしまったりする可能性もあります。
「毎日買っている飲み物をやめてマイボトルを用意する」「お弁当を持って行くことにする」といった節約はいいですが、食材のグレードを無理に下げたり、たまの友人とのお出掛けでお金のことばかり気にしたりするのはやめましょう。
節約をするときにおすすめなのが、固定費の見直しです。当たり前のように支出している月会費や保険料、クレジットカードの年会費などのうち、削減できるものはないか見直してみてください。携帯電話の料金プランの見直しも効果的です。
固定費は、たとえ月に1,000円しか削減できなくても、1年間で換算すると12,000円、10年間で12万円にもなります。積み重ねが大きな支出につながりますから、定期的にチェックしましょう。
節税対策
節税対策で大切なのが、「申告すれば節税になるものを見逃さない」ということです。保険料控除や扶養控除、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)、医療費控除、寄付金控除など、利用できる控除がある人は、漏れなく申告しましょう。
併せて活用したいのが、ふるさと納税やNISAなどの税制優遇制度です。ふるさと納税は、所得税や住民税の控除を受けることで、実質年間2,000円の支出で地方を応援したり、返礼品をもらえたりする制度です(ふるさと納税額や年収等によっては、2,000円以上の負担になる可能性があります)。
また、年間投資額の上限はあるものの、NISAやiDeCoを利用すれば投資益にかかる所得税や住民税を非課税にすることもできます。支払う必要のない税金を払ってしまうことがないよう、節税対策も意識してお金の管理を行いましょう。
忘れちゃいけない! ポイントの活用法
クレジットカードや電子マネーの中には、利用額に応じてポイントが貯められるものが多くあります。キャンペーン中はポイント付与率が高くなるものや、アプリ内のゲームなどでもポイントが貯められるものなどもあり、ちょっとした副収入を得ることも可能です。
自分がよく利用しているクレジットカードや電子マネーのポイント制度を確認し、付与率があまりよくない場合は、条件のいいカードへの乗り換えを検討してみましょう。また、キャンペーン等を見逃さず、できるだけお得にポイントを貯めることを意識してみてください。
収入を増やして支出を減らせば貯金は増える
収入を増やし、支出を減らすことができれば、貯金はどんどん増えていくはずです。短期目標を設定したり、貯金用口座を作ったりするのは、それを実現するためのテクニックだといえるでしょう。これらのテクニックを組み合わせて実践すれば、貯金を増やすことも可能です。
貯金は日々の積み重ねですから、早く始めれば始めるほど効果が大きくなります。できることから始めてみましょう。