コーヒーナップという言葉を聞いたことはあるでしょうか。コーヒーナップとは、昼にカフェインを摂取して短期間眠ることで、午後の眠気を回避するという方法です。パワーナップなどとも言われるこの方法について、どのように行うと効果的なのか解説をしていきます。
コーヒーナップとは
コーヒーナップとは、飲料のコーヒーとナップ(仮眠)を合わせた言葉で、仮眠や昼寝などの短時間の眠りのことを指します。
コーヒーは、カフェインを含んだ飲料のため、主に眠気覚ましに使われます。相反する言葉からできている言葉である「コーヒーナップ」ですが、カフェインを摂取するタイミングによって、昼寝の効果が高められるという実証研究からうまれました。
コーヒーナップのメリット
仮眠をとる20分ほど前に、コーヒーや緑茶などのカフェインを摂取することで仮眠後にすっきりとした状態で仕事や作業が行える点がコーヒーナップのメリットとしてあげられます。
コーヒーナップの「効果」を証明する研究も報告されています。広島大学の林光緒教授が行った研究によると、参加者に作業効率が落ちる午後に記憶テストを実施してもらったところ、20分の昼寝を取り入れると眠気が抑えられ、「昼寝なし」のグループに比べてテスト結果も改善されたそうです。
さらに「昼寝あり」のグループも「昼寝のみ」「昼寝後に洗顔」「昼寝後に強い光を浴びる」「コーヒーを飲んでから昼寝」の4グループに分けられており、この中では「コーヒーを飲んでから昼寝」のグループが最もテスト結果に優れ、眠気が抑制されたそうです。
一般的に朝早くから活動し、夜中に就寝するような生活サイクルを送っている場合、日中に眠くなってしまう方も多いでしょう。眠気によって作業効率が落ちてしまう方は、コーヒーナップを試してみるのもいいでしょう。
コーヒーナップが注目される理由3選
コーヒーナップに優れたメリットがあることをご紹介しましたが、近年は仕事中における「昼寝」の重要性が叫ばれていることから、コーヒーナップにも注目が集まりやすくなっていると言えます。ここでは、コーヒーナップが注目される理由について深堀りしてみたいとお見ます。
理由1:感情の起伏が穏やかになる
昼間に眠気を感じてしまったとき、コーヒーナップを導入すれば午後の眠気の予防対策になります。眠気がなくなれば、午後の仕事も精力的に行えます。気持ちもリフレッシュできてストレスも軽減されるため、心にも余裕ができ穏やかになれるでしょう。
理由2:夜の睡眠の質が上がる
昼休みの仮眠で午後の眠気が抑えられると、規則正しい睡眠サイクルの確立につながりやすくなります。そうすることで、熟眠感が高くなると言われています。
理由3:生産性が上がる
コーヒーナップ効果を得ることで、午後に眠気がなくなり結果として仕事を活発的にできるので生産性が上がると言われています。
そのため、会社によっては生産性の向上をめざしてコーヒーナップを制度として導入し始めている会社もあります。
コーヒーナップを効果的にするコツ9選
では、実際にコーヒーナップ実践するにあたり、どのような点に気をつければいいのでしょうか。いくつかポイントをご紹介します。
コツ1:アイスコーヒーがおすすめ
コーヒーナップの効果が高まるのは、20分ほどの睡眠です。つまりコーヒーを摂取してから20分後に目覚めるというタイミングが重要です。
飲むことと起きることの両方のタイミングがあわないと、コーヒーナップの良い効果を得られません。コーヒーナップを効果的に取り入れるには飲むタイミングがカギとなるため、飲みやすいアイスコーヒーがおすすめと言えるでしょう。
コツ2:寝すぎないようにする
仮眠をする前にコーヒーを摂取するコーヒーナップで眠気予防にもなります。上述の林教授は、眠りには「入眠期:ごく浅い眠り」「軽睡眠期:浅い眠り」「中程度深睡眠期」「深睡眠期」の4段階があり、約20分で深い眠りに該当する「中程度深睡眠期」「深睡眠期」に達すると考えています。
この深い眠りが来ているときに起きると、人は「まだ眠っていたい」という感覚が残ってしまうため、コーヒーナップの効果を得るには20分以内の短時間睡眠がよいでしょう。
コツ3:過剰摂取に注意する
コーヒーなどに含まれるカフェインには、覚醒を促す作用があると言われています。そのため、カフェインを摂取しすぎると、眠気は取れても夜になっても眠れないなどの弊害が起きてしまう恐れもあるでしょう。
カフェインはコーヒーだけでなく、緑茶などのお茶類にも含まれているといわれているので、一日にどのくらいカフェインを摂取しているのか注意しましょう。
コツ4:リラックスを心がける
仮眠をするときは、リラックスできる環境のほうがよりコーヒーナップの効果を得られます。アイマスクをするなどリラックスできる環境を作りましょう。
コツ5:好きなアラームを設定する
コーヒーナップの効果が発揮される20分後に、自然に目が覚めなかったときのために自分の好きな音、曲などをアラームにしておくのがおすすめです。
コツ6:ランチ後がベストタイミング
午後2~4時の間に居眠り運転による事故が増えていると考えられており、この眠気は食事の満腹感などとは関係なく、体内リズムと関連があると研究でわかっています。
午後の2時から3時ごろの眠気を防止するために、その前にランチを終えたタイミング前後でコーヒーナップをすることで眠気防止効果を得られるでしょう。
コツ7:締め付けるものを外しておく
コーヒーナップを効果的にするコツに、締め付けるものを外しておくことがあります。これは、身体をリラックスさせるためです。
睡眠前には、リラックスした気分でいることが必要なため、身体を締め付けたりするようなものを外し、少しでも副交感神経の活動が優位になるように心がけましょう。
コツ8:習慣にする
コーヒーナップを効果的に行うコツに、習慣化するということがあります。20分後に目が覚めるということも、時間の感覚を身につけるまでの訓練が必要です。習慣化させることにより、自然と目が覚めるようになります。
コツ9:楽な体勢で寝る
コーヒーナップでは、熟睡してしまうことは逆効果になります。「ヘッドレストを使う」「リクライニングを使う」など、少しでも楽な姿勢で仮眠をとるようにしましょう。
コーヒーナップで仕事の生産性を上げよう!
眠気を引きずった状態で仕事をしたり、家事をしたりというのは大変つらいものです。頭がすっきりせず、もやもやしたまま仕事をするとかえって効率が悪く感じられることもあるでしょう。
上手にコーヒーナップを生活に取り入れて、眠気を予防しながら午後をスッキリ過ごし、生産性を高めるようにしましょう。