「新潟には2つのショク(食・職)があるのです」、そう話すのはJR東日本のグループ企業として、駅ビルやホテル事業を通して地域の情報発信を行うトッキーの三九二和孝さん。
先ごろ、同社が有楽町駅と新橋駅間の高架下にできた商業施設「日比谷 OKUROJI」にセレクトショップ「NIIGATA 1〇〇(ニイガタイチマルマル)」を出店。オープン前に店内を見学できたので行ってきました。
新潟の「百年物語」とは
同店は「百年物語」をメインテーマにしていますが、そもそも、百年物語とはなんでしょう。筆者も知らなかったので、少し調べてみました。
そして分かったのは、「にいがた産業創造機構(NICO)」が「百年後にも大切にしていきたい生活文化を、楽しみ、維持し、継承していくための道具」として、同機構が定めるクオリティを満たした商品に証明マークを付与する取り組みだということ。
このマークを持つ商品はインテリア、キッチン、ステーショナリー、ファッションなど多岐にわたります。こうした背景もあり、冒頭の「職」発言につながっているのです。食に関しては、米を代表に言わずもがなですね。
また、日比谷OKUROJIがある場所は100年以上の歴史がある煉瓦アーチ高架橋で、開発コンセプトは「100年前に誕生、そして次の100年につなげる」。奇しくも「100」という数字が共通する縁もあって、テーマとして選ばれたと三九二さんは話します。
ただ店舗の大きさから、百年物語で認定された商品だけではなく、それ以外の生活道具も厳選して取りそろえているそうです。
新潟のアンテナショップとの違い
店内には所狭しとさまざまな商品が集まっていて、日常雑貨から包丁などのキッチン用品、もちろんお酒や食品などもありました。
ここで筆者の中に素朴な疑問が。都内にはご当地の特産品を扱う、いわゆる「地方のアンテナショップ」が多数あり、新潟も幾つか出しています。その違いは何なのでしょうか。ショップの店長である、村山哲二さんに尋ねました。
村山さん「そもそも当店はセレクトショップという位置付けです。ですから、アンテナショップで扱うような箱菓子やお土産品はなく、むしろ県内の隠れた名品を選んでそろえています」。
この結果、県民でも見たことのないお酒はあるが、逆に「新潟」と聞いて誰もがイメージするものは無いと話します。
店名に込められた考え
お店のコンセプトは理解できましたが、筆者にはもう一つの疑問が。それは店名の「〇〇(マルマル)」です。この空白部分にはどんな意図があるのでしょう。
村山さん「あえて新潟と聞いて連想するものが無いお店なので、店名にもその考えを踏襲しています。利用する方それぞれがイメージするものを当てはめてほしいですね」。
なるほど、合点が行きます。お酒好きなら「新潟の日本酒」、インテリア好きなら「新潟の組子」など、自分たちのイメージでとらえれば良いのです。スノーボード好きの筆者なら「新潟のパウダースノー」でしょうね、間違いない。
ということで、新しく誕生した新潟の知られざる良さを発信していくセレクトショップ。自分ならではの新潟を探したり、もしくは新たな一面を見つけたりするなど、楽しみ方はいろいろありそうです。
なお日比谷OKUROJIのオープンは9月10日の11時より。各お店の情報はHPで随時確認できます。