女優の真矢ミキがこのほど、東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『さくらの親子丼』(10月17日スタート、毎週土曜23:40~)の取材に応じ、コロナ禍でこの作品を放送することの意義を語った。

  • 『さくらの親子丼』に主演する真矢ミキ

真矢演じる九十九さくらが、“親子丼”をふる舞い、“食べること”を通して、行き場をなくした子供たちに愛を伝えていく同ドラマ。シリーズ第3弾となる今作は、再び民間子どもシェルターを舞台に、物語が展開されていく。

新型コロナウイルスの感染拡大で自粛生活が続き、自宅時間が増えたことによって虐待リスクが高まるなど、子どもたちを取り巻く環境が一層厳しさを増す中での放送となるが、「今までとの状況と違う形で生活している中で、何が大切なのかということが浮き彫りに見えてきているような気がするんです」という真矢。

「こういう社会で、何か自分たちにできることがあったら手を挙げていきたいという気持ちも高まっている気がします。そこにこのドラマの放送のタイミングがあるということに、すごく強く深く意味があると思いました」と意義を強調し、実際に困っている子どもたちに対しても、「『自分たちを守ってくれる場所っていろいろあるんだ』ということを、まず目から耳から入れていただきたいです」と伝えたいメッセージを述べた。

第3弾までシリーズが続いた背景については、「時代と合っていることではないでしょうか」と分析。さらに、「平成から令和になってまだ増え続けているというこの課題は、特にこのコロナ禍でも日々ニュースで何回聞いたことかと思うくらいです」と、第3弾になってより時世に合致している実感を語る。

第1弾、第2弾では、朝の情報番組をこなしながら撮影に臨んでいたため、「すごいことになってました(笑)」と振り返るが、今回はより作品に集中でき、「周りのスタッフさんにも『ガンガン使ってください』と言ってます」と気合十分。

「この役については、どういう映り方をしてもいいし、どう見えたっていいやって思うくらい、役に浸かってみたいなと思ってやってるんです。他の役はある程度のポジショニングがあるんですけど、この役は本当に生身ということが重要になってくると思っていて。私もここまで裸になったような役は初めてなんです」と他の作品とは臨み方が違うようで、「役者としてより、1人の人間として走りたいなと思います」と意気込む。

コロナ禍のため、実際にある施設を見学できないそうだが、「YouTubeで虐待の映像や、放棄している親のインタビューを見たり、DVDの資料も参考にしたりしていますので、シェルターとか施設のあり方だけでなく、目をつぶりたくなる部分も見ています」と厳しい現実に向き合いながら、役づくりに生かしていることを明かした。