iOS 12のとき、写真アプリに「For You」タブが新設されました。AppleはiOS 10以降、人工知能(Advanced Computer Vision)を活用し被写体を識別/分類する機能を写真アプリに取り入れており、For Youタブはその成果を実用に生かす場所という位置付けです。
ユーザは撮影した写真を貯め込む傾向があり、しかも日々増加します。その中から「これぞ」というものを探し出すのは、ユーザにとってかなりの負担です。「写真」タブで時系列的に並べられた大量の候補の中から探すことと比べると、人工知能によって選ばれたものを使うほうが作業はスピーディーで、しかも意外な発見があります。
For Youタブには、写真の撮影日時や位置情報をもとにグループ分けしてスライドショーなどに活用する「メモリー」、被写体の構図や色調から優れていると判断した写真をピックアップする「おすすめの写真」などの項目があり、どう活用するかはユーザの自由です。
メモリーは、撮影日時/場所が近い写真が一定の枚数存在するとき、自動的に作成されます。撮影日時/場所が近いということは、旅先で撮影した風景写真や集合写真、運動会や入学式・卒業式など同じイベントで撮影した一連の写真である可能性が高く、知り合いへの配布やバックアップ/移動にも便利です。
おすすめ写真は、どのような基準で写真をピックアップしているのか明確な基準は公開されていませんが、どの写真を見ても構図はバランスがよく、いわゆるピンぼけは含まれていません。人物にしても料理にしても、この写真はなかなかうまく撮れたという自信作ばかり並ぶことになるので、おすすめ写真にピックアップされることを目標に写真を撮るという楽しみかたがあっていいかもしれませんね。