9月3日にドイツ・ベルリンで開幕したエレクトロニクスショー「IFA2020」には、2019年に引き続きLGエレクトロニクスが参加。プレジデント兼CTOのI.P・Park博士が「ホログラフィーで登壇」した画期的な基調講演のほか、メッセ・ベルリンのホールにブースも出展しました。
生活に希望を与える製品・サービスにこだわり続ける
ドイツ時間9月3日に開催された基調講演のステージ、設置されたスクリーンにはLGのPark氏が高精細なホログラフィーで登場。Park氏はIFA2020の展示の見どころを以下のように話しています。
Park氏:新型コロナウィルスによるパンデミックは人々の生活ステージをより安全なオンラインへとシフトさせた。スマートホームに関わるコンシューマー向けのソリューションやビジネスは、今後もより積極的なオンライン対応が求められるだろう。
先の希望が見えづらい時代になってしまった今だからこそ、生活をより良いものに変えられる製品とサービスに、LGエレクトロニクスはこだわり続ける。これまでていねいに築き上げてきたデジタルプラットフォームの広範なエコシステムを、IFAへの出展やバーチャルプレゼンテーションを通じて多くの人に見せたい。
やっぱり出てきた!スマートマスク
LGエレクトロニクスはIFAの開催に合わせて、いくつかのユニークな新製品を発表しています。
ひとつはマスクのように顔に着けられるウェアラブル空気清浄機「PuriCare Wearable Air Purifier」です。本体に電源や通信機能を持たせつつ、軽量設計を徹底追求して、2つのH13 HEPAフィルターを搭載。マスクの内側にはUV除菌LEDライトも配置し、2段構えでウィルスや空気中の不純物を取り除きます。LG ThinQモバイルアプリからは、本体設定やフィルター寿命のモニタリングも可能。2020年内の第4四半期(10~12月)に、一部の国と地域で商品化を予定しているそうです。
プロジェクターのLG CineBeamシリーズからは、最大300インチの画面サイズを投射できるレーザー光源の4K DLPプロジェクター「HU810P」が発売されます。LGのホームオーディオシステムとハイレゾリューションオーディオのワイヤレス伝送も可能な、WiSA規格の接続方式でハイクオリティな映像とサウンドを同時に楽しめます。
webOS 5.0対応のスマートプラットフォームからYouTubeやDisney+の映像配信につながるほか、アップルのAiPlay2もサポートします。CineBeamはLGが日本でも展開しているシリーズなので、新製品の上陸も楽しみです。
スマート冷蔵庫のInstaView ThinQシリーズには、本体に統合されているウォーターサーバーにUV殺菌機能を追加した新製品が発売されます。冷蔵庫の中にある食材をカメラで読み取り、機械学習エンジンによって食材の内容や鮮度を把握。食材を無駄にしない献立も提案してくれるAI冷蔵庫です。
LG ThinQの進化は新しいステージへ
基調講演でPark氏は、LGが独自に開発するAIプラットフォーム「ThinQ(シンキュー)」に関連する最新技術の紹介に時間を割きました。
LGのテレビを含むスマート家電は、モバイルアプリ「LG ThinQ」を使って本体設定やホームネットワーク内外からのリモコン操作が可能です。2020年にモバイルアプリの機能強化を図り、接続したLGスマート家電の故障を自動診断し、トラブルの発生を未然に防ぐという、ユニークなAIベースのプロアクティブ・カスタマーケアが追加されます。
また、LGのスマート家電が実現する独自のサービスによる豊かな暮らしをくまなく体験できる場として、初めての本格的なモデルルーム「LG ThinQ Home」が韓国のシリコンバレーとも称されるソウル市郊外の街(パンギョ)にオープン。充実した製品のラインナップを一堂に集めて、使い方を紹介します。Park氏は韓国からのライブ中継にも登場し、スマートミラーのコンセプトモデル「LG ThinQ Home Concierge」を取り上げて、スマート家電の稼働状況やソーラーパネルの発電量を確認できる機能を紹介しました。
LG ThinQ Homeでは今後、様々なスマート家電による実証実験が行われるそうです。基調講演でQ&Aに答えたPark氏は「LG ThinQ Homeをスマートホームの商品としてパッケージ化して、家まるごと販売する予定はないのか」という質問に対して、「リクエストに対しては柔軟に答えたい」とコメントしました。その上で、家を販売することだけを目的に置くのではなく、体験したユーザーが寄せてくれた様々なニーズを今後の製品・サービスの開発に柔軟に生かしたいと話していました。
スマートロボットも活躍中、IFAバーチャル展示は一見の価値アリ
LGのスマートロボット「CLOi(クロイ)」は、コロナ禍の中で人と人がソーシャルディスタンシングを図りながら健康を守るために、ロボットの活躍が有効であるという見地から、地元の韓国ではレストランや病院での運用が本格スタートしたそうです。Park氏は今後、CLOiのロボットプラットフォームのアップデートを加速しつつ、「Robot as Service」として積極的な活用提案をしていきたいとしました。
IFAの開催に合わせてLGエレクトロニクスが公開したバーチャル展示スペースは、製品・サービスの体験ゾーンが充実しています。実際のメッセ・ベルリンのホールを正確に再現したグラフィックスも見どころ。一見の価値アリです。日本語ページからもアクセスできるので、開催期間となる9月30日までにぜひ訪問してみることをおすすめします。