JVCケンウッドは、JVCブランドの8K対応プロジェクター「DLA-V9R」と、4K対応プロジェクター「DLA-V7」、「DLA-V5」の3製品向けに、HDR機能を強化するファームウェア Ver.3.50を無償公開する。JVCのサポートサイトからダウンロードしたファイルでバージョンアップを行うかたちとなり、公開時期は11月中旬を予定している。

  • JVCプロジェクタの「HDR映像の再現性」を無償アップデートで強化

    JVCプロジェクタの「HDR映像の再現性」を無償アップデートで強化

今回のファームウェアを適用することで、ユーザーの使用環境に合わせて最適な明るさ設定に自動調整する新機能「Theater Optimizer」を追加。2019年10月のアップデートで搭載した「Frame Adapt HDR」機能に新たな機能が加わることで、HDR映像の再現性をさらに強化するという。

ほかにも、新たな設定の追加やメニュー構成の見直しなど、ユーザーの要望に応えた使い勝手の向上を図る。対象機種と主なアップデート内容は下記の通り。

対象機種

  • DLA-V9R
  • DLA-V7
  • DLA-V5
  • JVCプロジェクタの「HDR映像の再現性」を無償アップデートで強化

    8K対応プロジェクター「DLA-V9R」

ファームウェア Ver.3.50の更新内容

  • 「Theater Optimizer」機能を追加
    ※「Frame Adapt HDR」画質モード選択時のみ有効
  • 「Frame Adapt HDR」使用時に5段階の明るさ切り替えが可能
    明るさを5段階(従来は3段階)で調整可能とし、より繊細かつダイナミックなHDR映像が楽しめる
  • 入力信号ごとに使用可能な「画質モード」のみを表示する「映像タイプ」メニューの追加
    難しいマニュアルでのガンマ設定や色域設定を気にすることなく、入力映像に最適な「画質モード」の選択が可能
  • コンテンツの色域情報に応じて最適な「カラープロファイル」に自動で切り替え
    BS4K放送などのコンテンツ入力時に、色域情報に応じて最適なカラープロファイルに自動で切り替わる
  • 「Auto Pic. Mode Select」機能を追加
    BS4K放送などのコンテンツ入力時に、色域情報に応じて最適なカラープロファイルが自動で切り替わるので、面倒な手動での切替えが不要に
  • 「Auto Pic. Mode Select」機能を追加
    入力信号毎(SDR/3D/HDR10/HLG)に遷移する「画質モード」を設定できる
  • パナソニック製UHD BDプレーヤー「DP-UB9000」と連携する「画質モード」追加
    同機と簡単かつ最適に連携できる「画質モード」を追加、従来のマニュアルによる個別設定を不要にする
  • キャリブレーションソフトの機能改善
  • 「Color Profile」の一部名称変更や追加

Theater Optimizerの概要

JVCが2019年10月のアップデートで対応プロジェクターに搭載した「Frame Adapt HDR」は、4K UHD Blu-ray Discなどに収録されたHDR10コンテンツのシーンごと、あるいはフレームごとに異なるピーク輝度を独自のアルゴリズムで瞬時に解析し、プロジェクターの映像投写に最適なダイナミックレンジに自動調整するもの。プロジェクターにおけるHDRコンテンツの再現性を画期的に高める機能として、ユーザーから高い評価を得たという。

その一方で、プロジェクターの設置条件や使用頻度などがユーザーによって異なり、条件によってはスクリーン上の輝度が変化してしまう課題があった。今回のアップデートで提供する「Theater Optimizer」によって、この課題を解決する。

Theater Optimizerの具体的な機能として、ユーザーの使用環境によって異なるスクリーンサイズとスクリーンゲイン情報の入力と、内部的に計測可能な明るさに紐づく情報を総合的に演算し、それぞれの設置環境に合った最適なトーンマッピングを自動で実施。上記のFrame Adapt HDRと組み合わせることで、ホームシアターにおけるHDR映像の再現性をさらに高める。

Theater Optimizerを使用するときにも、18bitレベルのガンマ処理を行うため、明部の階調段差や暗部の黒つぶれを抑え、高精度でなめらかなグラデーションを再現するという。