JR東日本は3日、列車を活用した物流サービスをさらに拡大していくと発表した。これまで地域の情報発信・PRのため、新幹線を活用して地域の魅力ある食材や地産品を首都圏に輸送し、販売するイベントなどを実施してきたが、今後は地域連携をさらに強化しながら、イベントなどにとどまらない定期的な食材などの輸送拡大に取り組むという。ポスト・コロナ時代における事業拡大を図る。
列車を活用した物流サービスにより、列車の速達性・定時性といった強みを生かし、地域の魅力ある食材や地産品などスピーディーに届けることができる。その土地ならではの食材などを鮮度良く運ぶことで付加価値の高い地産品を提供するとともに、地域事業者らの販路拡大、魅力ある売場づくりも実現する。
新たな取組みとしては、9月から地方都市間における新幹線や在来線特急列車の物流を活用した地域イベントをJR東日本として初めて実施。東北・北海道新幹線「はやぶさ95号」(仙台駅6時40分発・新函館北斗駅10時1分着)で宮城県産の梨やぶどうなど函館「金森赤レンガ倉庫」に運ぶ「宮城・福島・山形銘品フェア」(9月19~21日)や、特急「踊り子4号」(伊豆急下田駅9時51分発・東京駅12時32分着)で伊豆産の鮮魚などを東京駅「グランスタ東京」地下1階「スクエア ゼロ」に運ぶ「伊豆美味いもん市」(9月26~28日)などの開催を予定している。
その他、荷主のニーズに応じて対象列車を増やして定期的な輸送を可能とし、将来的な輸送量の拡大を見据えた輸送方法を構築する「定期輸送の拡大」、グループの枠を超えた物流サービスとして事業を拡大し、食材や地産品に加えて電子部品など列車の速達性を生かせる商品への拡大を図る「グループ外の新規荷主の獲得」にも取り組む。
物流企業と連携し、利用者の自宅や指定場所などでの受取りを可能にするサービスを実現するほか、JR東日本グループが運営するECモール「JRE MALL」と連携(商品の事前予約など)してネットとリアルの融合を推進し、野菜・果物・魚介などを利用者のオンライン注文に応じて新鮮な状態でスピーディーに届けできるしくみの構築も行われるという。