米Appleは9月1日(現地時間)、iOS 13のアップデート「iOS 13.7」の提供を開始した。Googleと開発している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の「Exposure Notification(濃厚接触の可能性を検出するシステム)」の利用に関する設定を強化。公衆衛生機関が同システム用のアプリを用意しなくても、接触通知システムを提供できるようにする新たなソリューション「Exposure Notification Express」をサポートする。
AppleとGoogleは5月20日に、スマートフォン (iPhone、Android)を活用して新型コロナウイルス感染症に罹患した人との濃厚接触の可能性を検出・通知するソリューション「Exposure Notification」を発表、APIを公開した。公衆衛生機関がカスタムアプリを用意することで利用できるようになり、日本では「COCOA - 新型コロナウイルス接触確認アプリ」が同システムを採用している。
Exposure Notification Expressは、公衆衛生機関が2種類のサーバー(Test verificationサーバー、Keyサーバー)を用いて接触通知システムを提供できるようにする。アプリ開発の負担をなくし、より多くの国・地域で新型コロナウイルス接触通知を利用できるようにするソリューションだ。
iOS 13.7では、「設定」アプリのメニューに新たに[接触通知]という項目が設けられた。「接触通知をオンにする」から国・地域を選択すると、その国・地域の対応アプリの有無、Exposure Notification Express対応を確認でき、利用可能であれば接触通知をオンにできる。他にも、iPhoneの位置情報に基づいて、現在の国・地域で接触通知が利用可能である場合に通知を受信する設定も用意されている。
日本では6月からCOCOAが提供されており、Exposure Notification Expressが利用できるようになるメリットは小さいが、感染者数が500万人を超えた米国でもExposure Notification対応アプリを用意しているのは6州のみと、グローバル規模では導入の広がりはこれからだ。Exposure Notification Expressで導入ペースに勢いがつけば、新型コロナウイルス対策の大きな前進になる。