8月28日、企業向けeスポーツ交流イベント「eSPORTS TRINITY」が実施されました。eスポーツに関するビジネスセミナーを行う第一部では、司会をグラビアアイドルの倉持由香さん、モデレーターをeスポーツメディア「happy esports」を主宰する謎部えむ氏が担当。株式会社おやつカンパニーから髙口裕之氏、中部テレコミュニケーション株式会社から末澤太浩氏が登壇し、eスポーツ参画の意図と取り組みについて説明しました。
本イベントは、凸版印刷とサイバー・コミュニケーションズが共同で開発しているビジネス向けの招待制eスポーツイベントです。第一回と第二回はオフラインで開催しましたが、第三回は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う情勢を鑑みて、オンラインでの開催です。
第一部ではまず、おやつカンパニーの髙口氏が登壇。「eスポーツを『若年層が核の成長していくメディア』と見立てて参画した」と参入理由を説明します。主力製品のベビースターラーメンは、主要顧客が30~40代となっており、製品の「懐かしい」「子ども向き」「安価」というブランドイメージから脱却すべく、若年層との接点強化のために、eスポーツシーンの取り組みを強化していくと話しました。
また「チキン味」に代表されるベビースターラーメンと、バトルロイヤルゲーム「PUBG(PlayerUnknown's Battlegrounds)」の勝利時に表示されるメッセージ「WINNER WINNER CHICKEN DINNER!」との関わりに注目したプロモーション施策や、プレイヤーの脳疲労に着目した商品開発を行うことで、今後もeスポーツシーンに注力していくとのこと。既にプロチームと連携して製品化した「AMINO BRAIN(アミノブレイン)」が販売中です。
続いて中部テレコミュニケーション 末澤氏が登壇。eスポーツ関連事業は、同社が提供するインターネット回線利用者の「夜間は遅延が発生してゲームがしにくい」という声から、低遅延で安定した回線品質提供を目標にスタートしたと話します。
また、中部地方にeスポーツ関連施設がないことにも注目。名古屋パルコと共同で設立した「コミュファ eSports Stadium NAGOYA」は盛況で、ピーク時はイベント数が月間20件に届くところまで順調に推移していたと話します。
ところが、折しも新型コロナウイルスの感染拡大に伴ってイベント数はゼロに。しかし「魅せる、見せられるブース」を武器に、オフラインでのコミュニティイベントのほか、オンラインイベント用に配信ブースをSHOWROOMに貸し出すなど、オンライン配信にも力を入れることでeスポーツシーンの活性化に取り組んでいると説明しました。
締めくくりにはモデレーターの謎部えむ氏を交えたパネルディスカッションが行われました。「達成指標として何を設定しているか?」という質問に対し、髙口氏の「指標は設定していない。現時点で盲目的にKPIを設定し、それを追い求めることはKPIとして成立しないし、定量的な数字よりも顧客の反応の質を重視している」という回答が強く印象に残りました。
第二部では企業向けeスポーツリーグ「AFTER 6 LEAGUE」設立記念大会、決勝戦が実施されました。AFTER 6 LEAGUEは凸版印刷とサイバー・コミュニケーションズが主催するeスポーツイベントで、「eスポーツを通じて社会人に対し競争と絆を想像する場を提供すること」をミッションに掲げています。
競技タイトルはMOBA(Multiplayer Online Battle Arena)の「League of Legends」で、ディー・エヌ・エーと東日本電信電話の大熱戦を中継。結果は東日本電信電話の大勝で、設立記念大会は幕を閉じました。
9月19日には、AFTER 6 LEAGUE開幕前記念大会を予定しており、「League of Legends」「ブロスタ」「Apex Legends」「ウイニングイレブン2021」「PUBG mobile」で実施予定。会社の名前を背負ってのゲーム大会出場は、ゲーム体験を一味違ったものにしてくれるかもしれません。