Xiaomi(シャオミ)は8月31日、auから発売されるミッドレンジの5Gスマホ「Mi 10 Lite 5G」の製品発表とともに、新しい4つのスマートデバイスを国内向けに発表しました。これら新製品の特徴を発表会の様子とともに紹介します。
国内発表された新製品は、スマートバンドの最新モデル「Miスマートバンド5」、完全ワイヤレスイヤホン「Mi完全ワイヤレスイヤホン2 Basic」と「Mi完全ワイヤレス小型イヤホンBasic 2」、スマート空気清浄機「Mi空気清浄機3H」の4製品。それぞれの価格は次の通りです。
製品名 | 価格(税込) |
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Miスマートバンド5 | 4,490円 |
Mi完全ワイヤレスイヤホン2 Basic | 3,990円 |
Mi完全ワイヤレス小型イヤホンBasic 2 | 2,490円 |
Mi空気清浄機3H | 19,900円 |
Xiaomiは同社が出資したパートナー企業と共同開発した製品を、シャオミブランドで売り出す「Mi Ecosystem」戦略を採っています。今回発表された4製品は、いずれもこのエコシステムに属する製品。シャオミはハードウェア事業の純利益率を5%以下に抑えることで価格を安く設定し、「高品質・低価格」という製品コンセプトをうたっていますが、エコシステム製品についてもその考えが適用されています。
Miスマートバンド5は機能が大きく進化
「Miスマートバンド5」は、2019年末に日本でも販売された「Miスマートバンド4」の後継モデル。手首に装着する軽いスマートバンドで、各種アクティビティや心拍数、睡眠計測、カロリー消費、ストレスレベルなど、日々の活動を総合的にトラッキングします。
詳細はニュース記事「シャオミ、『Mi スマートバンド 5』を税込4,490円で国内発売」に詳しいですが、今回の製品は1.1型AMOLED、5気圧防水、11の運動モード対応、最大14日間のバッテリー駆動時間などが特徴です。画面は前モデルから20%大型化し、歩数、時間、通知、心拍数をすべて1画面で表示できるようになりました。
心拍計測や睡眠解析技術も向上。心拍計測はアルゴリズムとセンサーの向上で、登山、ハイキングなど、不規則な運動を伴うエクササイズで心拍モニタリングの精度が(前モデル比)最大50%向上しました。心拍数が高すぎる場合は、振動で通知する機能もあります。
睡眠解析についても精度が40%向上したといい、これまでの「深い眠り」「浅い眠り」計測に加え、新たにレム睡眠の記録と、昼寝の検知が可能になりました。睡眠の問題に対するアドバイスも引き続き表示されます。
このほか、ストレスレベルのモニター、深呼吸をガイドしリラックスを促す機能、スマートフォンのカメラと連携しリモートシャッターとして使える機能なども搭載されました。
そして充電面も改善。これまでは充電時にバンド部分からトラッカーを取り外す必要がありましたが、ユーザーから「何度も付け外していると、バンドの取付部が緩くなりトラッカーが外れやすくなる」という意見があったそう。バンドにトラッカーを付けたまま充電できる仕様になりました。
筆者は「Miスマートバンド4」ユーザーですが、トラッカーの装着部分は非常に固く(ある意味丈夫に)作られており、付け外しには相当な力が必要でした。「外さずに充電できる」改善は、些細ながらも大きな進化ポイントだと感じます。
カラーはティール ネイビーブルー ミントグリーン オレンジ ブラックの6色。バンド部分に、トラッカー(本体)を装着して使います。標準ではブラックストラップが付属し、他カラーは別売です。ディスプレイの表示デザインは65種類以上が用意されました。
価格が際立つ完全ワイヤレスイヤホン
「Mi完全ワイヤレスイヤホン2 Basic」は、14.2mmという大型のダイナミックドライバーを採用した、完全ワイヤレスイヤホンです。発表会では、「AirPods(第2世代)と同じドライバーサイズ」とアピール。コーデックはSBCとAACに対応します。
機能面ではデュアルマイク(1つはノイズ低減用、1つは音声用)、ノイズ低減、単体5時間駆動、片耳モードなどを搭載。軸部分はタッチセンサーになっており、電話の応答/終了操作、音声アシスタントの起動、音楽コントロールなどが行なえます。
装着検出機能を備え、耳から外れたときは自動で音楽再生を停止、耳につけると再生を開始します(ただしサードパーティ製の再生アプリや映画再生には対応しません)。また、同社製スマートフォン(に搭載されているMIUI)との組み合わせでは、充電ケースをスマホの近くで開くと接続画面がポップアップされる、スマート接続も可能です。
もう1つの完全ワイヤレスイヤホン、「Mi完全ワイヤレス小型イヤホンBasic 2」は、カナル型のモデル。より小型・軽量で、タッチセンサーではなく物理ボタンを搭載するなど、機能面でもエントリー向けとなっています。
2機種とも、最大の特徴は価格でしょう。前述の通り、Mi完全ワイヤレスイヤホン2 Basicは3,990円、Mi完全ワイヤレス小型イヤホンBasic 2は2,490円での提供です。
ちなみにこの2つ、名前が似ておりわかりにくいですが、グローバル版では「イヤホン」と「イヤーバッズ」と呼び分けられており(下記)、形状の違いを彷彿とさせます。
- Mi完全ワイヤレスイヤホン2 Basic……Mi True Wireless Earphones 2 Basic(グローバル版)
- Mi完全ワイヤレス小型イヤホンBasic 2……Mi True Wireless Earbuds Basic 2(グローバル版)
9月1日時点で「Mi完全ワイヤレスイヤホン2 Basic」の製品ページは公開されていますが、「Mi完全ワイヤレス小型イヤホンBasic 2」はまだ用意されていないところをみると、小型イヤホンBasic 2の発売はやや先なのかもしれません。
音声操作できる「Mi空気清浄機3H」
「Mi空気清浄機3H」は、2019年末に投入されたIoT炊飯器「Mi IH炊飯器」以来の家電製品。2.4GHz帯の無線LAN(IEEE802.11b/g/n)を備え、スマートプラットフォーム「Mi Home」によるスマホからの操作のほか、GoogleアシスタントやAmazon Alexaによる音声コマンドでの操作も可能です。
内部は360度の一体型バレル(HEPA)フィルターを内蔵し、3重ろ過層となっています。第1層ではほこりや髪の毛などの大きな物質、第2層は細菌やカビの胞子、花粉など0.3ミクロンのアレルゲンを99.97%捕捉できるとうたいます。第3層には活性炭を搭載。
操作パネルとして、有機EL(OLED)タッチディスプレイを搭載します。画面にはデバイスの状態がリアルタイムで表示されるほか、室温や湿度、PM 2.5など、緑、黄色、赤のライトで空気の質の指標も表示。動作はユーザー側で「スリープ、自動、お気に入り、低、中、高」の6モードを設定できます。
適用面積は26~45平方メートル(27畳まで)。本体サイズは240×240×520mm、重さは約4.8kgとなっています。本体のほか、HEPAフィルター×1、取扱説明書×1、電源コード×1が付属します。
いずれの製品も、大手メーカーによる競合製品が多いなかで、インパクトのある戦略的な価格となっています。惜しむらくは、いずれも発売日が「近日」となっており、具体的な発売日が未定なこと。なるべく早い販売開始を期待したいところです。