米Appleが米Epic GamesのApp Store開発者アカウントを停止した。8月28日(米国時間)にApp Storeから「Fortnite」以外のEpicのゲーム/アプリが削除され、CNBCなど複数の米メディアにAppleがEpicアカウントの停止を認めた。Epicの開発者アカウントの停止に関して同社のゲームエンジン「Unreal Engine」への影響が危惧されていたが、Epicは複数の開発者アカウントを登録しており、Unreal Engine開発は今回のアカウント停止の影響を受けない模様だ。
Epicアカウントの停止は、モバイルアプリストアの収益配分モデルや課金システムを巡って、EpicがAppleおよびGoogleと対立している問題に起因する。8月13日にEpicがモバイル版のFortniteに独自の課金システムを利用できるオプションを用意。規約違反であるとしてAppleとGoogleはそれぞれのアプリストアから「Fortnite」を削除した。それを受けてEpicは、配信の再開と独自の課金システムの実装を求めてAppleとGoogleを提訴した。
Appleは、規約違反への対応を拒否するEpicに開発者アカウントを停止すると通知。Epicが開発者アカウント停止の差し止めをカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に求め、Unreal Engineを採用するMicrosoftがEpicをサポートする声明書を提出していた。
8月24日にカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所で行われたヒアリングにおいて、Yvonne Gonzalez Rogers判事は「Fortnite」の配信再開については、規約に違反するEpicへのAppleの対応は妥当であるという考えを示した。開発者アカウントの停止については、Unreal Engineにも影響が及ぶのは行きすぎた対応であるとして差し止める命令を出した。
8月13日にiOS版「Fortnite」がApp Storeから削除された後も、iOSデバイスで過去にダウンロードしたことがあるユーザーは「Fortnite」を再ダウンロードできたが、Epicアカウントが停止されてから再ダウンロードもできなくなった。
一方でFortniteに対して「PUBG」がバトルロイヤルゲームのライバルとして攻勢を強めており、9月8日に「PUBG Mobile」のバージョン1.0アップデートをリリースする。EpicのApp Storeアカウントが停止された28日に、App StoreのTodayタブで「PUBG Mobile」が取り上げられている。