東急、JR北海道、JR東日本、JR貨物の4社が連携し、運行される観光列車「THE ROYAL EXPRESS ~HOKKAIDO CRUISE TRAIN~」の出発セレモニーが28日に開催され、11時5分に札幌駅を発車した。3泊4日の行程で道内を周遊し、8月31日に札幌駅に帰着する。
「THE ROYAL EXPRESS ~HOKKAIDO CRUISE TRAIN~」は、東急が運行する伊豆観光列車「THE ROYAL EXPRESS」(伊豆急行2100系)のうち1・4・5・6・8号車の5両と、JR東日本から東急電鉄へ譲渡された電源車(マニ50 2186)、JR北海道のディーゼル機関車2両(DE15形1542号機、DE15形1545号機の重連)という編成で、札幌駅から「帯広・十勝」「釧路・知床」「オホーツク・北見」「旭川・美瑛・富良野」の4エリアを巡る。
「THE ROYAL EXPRESS」を手がけた水戸岡鋭治氏により、電源車は「白・ホワイト」、ディーゼル機関車は「橙・オレンジ」をメインカラーとして装飾されている。「THE ROYAL EXPRESS」と電源車の回送運搬はJR貨物が担当。7月21日に伊東駅を出発し、本州から北海道へ輸送された。その後、実際のコースをたどる試運転なども行われたという。
運行初日となった8月28日、「THE ROYAL EXPRESS ~HOKKAIDO CRUISE TRAIN~」は10時43分頃、札幌駅5番線ホームに入線。北海道知事の鈴木直道氏、東急取締役社長の高橋和夫氏、JR北海道代表取締役社長の島田修氏らが出発セレモニーに出席し、鈴木知事は「これから4日間、道東を中心に、広大な北海道の素晴らしい景色や食などを楽しんでいただけたら」「新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向け、関係者の皆様が徹底して取り組んでいただいたと聞いています。鉄道の旅、北海道の旅を存分に楽しみ、素晴らしい思い出を作っていただきたいと思います」と述べた。
東急の高橋社長は「この列車が北海道を再び活性化させ、観光振興の一助になれば。安心・安全を徹底した上で、思い出に残る旅となるように、スタッフ一同しっかり支えたい」、JR北海道の島田社長は「道内各地、6カ所の乗務員区、2カ所の車掌所の乗務員・車掌がロイヤルエクスプレスの運行をお手伝いします。北海道の広大で魅力ある観光資源と、鉄道で行くクルーズトレインの旅の魅力が全国に情報発信されることを期待したい」と挨拶。出発セレモニーでは、鈴木知事、高橋社長、島田社長ら出席者によるテープカットの後、札幌駅長の合図で11時5分に発車した。
1日目は札幌駅から石勝線・根室本線経由で池田駅まで運行され、十勝川温泉で宿泊。2日目は釧路駅から乗車し、釧網本線を走行して知床斜里駅で下車、知床ウトロで宿泊する。3日目は知床斜里駅から釧網本線・石北本線経由で旭川駅まで走行し、富良野で宿泊。4日目は旭川駅から函館本線を走行し、札幌駅には15時頃に到着する。
「THE ROYAL EXPRESS ~HOKKAIDO CRUISE TRAIN~」は当初、2020年に全5回の運行を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた万全の準備に時間を要することから、8月14~17日と8月21~24日の運行が中止に。今年の運行は全3回(8月28~31日、9月4~7日、9月15~18日)となり、中止された2回は2021年のツアーへ振替えを行う。2021年夏はこの2回も含め、全7回の運行が予定されている。