レジ袋が有料化となり約2カ月が過ぎようとしている。周知も進み、エコバッグを持参するお客も増えてきたと思うが、店員側としてはこれまで無料で提供してきたレジ袋を有料化することに対して、どう思っているのだろうか。
そこでマイナビニュース会員の中で、実際にレジで接客をしている人を対象に「レジ袋有料化」についてアンケートを実施。レジ袋の有料化や、有料化で困っていることについて率直な意見を聞かせてもらった。前回の「お客編」と合わせて読んでみてほしい。
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店員はレジ袋有料化どう思ってる?
有料レジ袋に「反対」が「賛成」を上回る
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レジ店員の立場として、レジ袋有料化に賛成ですか反対ですか?
レジ店員の立場として、レジ袋有料化に賛成ですか反対ですか?
・賛成……44.8%
・反対……55.2%
マイナビニュース会員でレジの仕事をしている人に、レジ袋有料化に賛成・反対のどちらか尋ねた。その結果、「賛成」は44.8%、「反対」は55.2%で、「反対」のほうが10ポイント以上上回った。
なぜ「賛成」または「反対」なのか、それぞれの理由を聞いてみよう。
Q.レジ袋有料化に賛成または反対の理由を具体的に教えてください
■賛成の意見
飲食店/男性/38歳 「袋詰めしなくていい」
スーパー/男性/35歳 「環境を守るのにいいから」
スーパー/男性/51歳 「無駄に要求してくるお客様がいて、対応に苦慮していた」
スーパー/男性/41歳 「エコの観点から、袋を使わない社会にしたいから」
スーパー/男性/51歳 「ゴミ削減になるため」
スーパー/男性/53歳 「今まではレジ袋は無料が当たり前でしたが、その分お店の負担が大きく経費がかかりました。有料化のおかげで経費の節約になり、広い考え方では良い取り組みだと思います」
飲食店/男性/44歳 「ビニール袋などの不燃ゴミの減少に繋がり、地球環境にとても良いから」
賛成派からは、「ゴミの削減になる」「環境のため」といった意見が多く寄せられた。コンビニ店員の中には、店舗の外にあるゴミ箱にレジ袋がたくさん捨てられているのを見て、もったいないと思った人もいるのではないだろうか。有料化になれば、こうした使ってすぐゴミとして捨てられるレジ袋を減らすことができる。
そのほか、これまでお店が負担してきたレジ袋代を節約できるといった声や、店員が袋詰めをしなくていいから楽といった声も寄せられた。続いては「反対」と答えた店員の意見を聞いてみよう。
■反対の意見 以前より面倒くさい
コンビニ/男性/42歳 「レジの時間が長くなって他の作業の時間が削られる」
コンビニ男性/35歳 「袋がいるかいらないか聞くのが面倒くさい」
ドラッグストア/男性/36歳 「袋詰めを手伝う場面がある」
コンビニ/男性/70歳 「以前より面倒。エコバッグ持参でも袋詰め作業はそれほど減らない」
パン屋/男性/59歳 「袋がいらない場合、各商品にシールを貼らなくてはいけない。袋にまとめて入れたほうが楽」
有料化に伴って、お客にエコバッグを持っているか確認する作業や、袋詰めを手伝う作業も必要となった。そのため、最も多かったのは、「以前よりも手間が増えて面倒になった」という回答だった。
店員が商品の袋詰めを行う場合も、お客がカバンからエコバッグを探して取り出すのを待ったり、小さく折りたたんであるエコバッグを開いたり、以前より余計に時間がかかることも……。
■反対の意見 クレームがある
雑貨・日用品店/女性/38歳 「大きめの雑貨を購入された場合、お客様の持っているバッグでは到底入らなさそうなのに無理やり詰めて、その後に雑貨に傷などがついた場合にクレームがきたことがある。小さな商品ならエコバッグでいいと思うが、大きめの商品の場合はレジ袋を無料提供したほうがお店側もお客側も良い気分でお買い物をしてもらえると思うので」
スーパー/男性/50歳 「お店に出向いて買い物をしてくださるお客様に対して、レジ袋有料化はいかがなものか疑問です。本来ならば企業側が負担するべきです」
飲食店/男性/38歳 「いまだに入れてくれるのが当たり前だと思ってる人が多く怒られるため、通常通りレジ袋があったほうがいいと思う」
手間がかかるだけでなく、「エコバッグが汚れる」「お弁当の中身が偏った」「なぜ袋詰めしてくれないのか」などお客からのクレームが来るので、レジ袋有料化には反対という意見も目立った。
Q6.レジ袋有料化で、困った出来事や困った人のエピソードがあれば教えてください
■有料化の説明が大変
雑貨・日用品店/男性/43歳 「はじめのうちは知らない人が多くて説明が大変だった」
雑貨・日用品店/女性/38歳 「年配の男性だとエコバッグを持っていない人が大半で、レジ袋のことを聞くとあまり良い顔をしない」
レジ袋有料化になる前は、テレビやネットでも有料化について多く報道され、お店側でも店頭などで告知も行っていた。それでも有料化を知らない人はいたようで、会計の段階になって店員が説明をしなければならなかったという声も。説明している間にもレジに人は並び続けるので、店員はかなりのプレッシャーを感じたのではないだろうか。
■エコバッグが汚い、万引きが増えた
コンビニ/男性/42歳 「汚そうなマイバッグを持ってきて商品を入れるように頼んでくる」
コンビニ男性/35歳 「袋忘れて意地でも袋無しで持っていく人や万引きが増えた」
スーパー/男性/53歳 「マイバッグを持参する人が多くなり、買い物の時に商品を直接入れてしまい、そのままレジを通さずに持ち帰る万引き犯が多くなって困っています」
エコバッグについた食品の水分をきれいに拭き取らずに畳んだりしまったりすると、カビが生えたり臭いが付いてしまうことも。そんな汚れたエコバッグを差し出され、対応に困ってしまったという声もあった。また、レジを通して買った商品なのか、会計前のものなのか分かりにくいという指摘も。その盲点をついて、堂々と万引きをするという不届きものもいるという。
■クレームが多い
スポーツ男性/39歳 「レジ袋がいるのかいらないのかはっきりしない人がたまにいる」
雑貨・日用品店/男性/50歳 「シートとマスクで話が通じない」
飲食店男性/38歳/ 「客からクレームを言われた」
スーパー/男性/50歳 「レジがスムーズに進まない。レジ打ちには相当なストレスです。クレーマーも多いし……」
飲食店/男性/37歳 「レジ袋ぐらいタダにしろって言ってる人を見た」
お店側が勝手に決めたことでもないのに、「なぜお金を払わないととならないんだ」「タダにしろ」と、レジ袋有料化に対する理不尽なクレームが寄せられたという声もあった。さらにマスクをしている上、レジ前には透明シートを設置するので、お客の声が聞きとりづらい。レジ袋が「あります」と「いります」では意味が大きく違うし、こういった対応がストレスになった人も多かったようだ。
有料レジ袋に「反対」が「賛成」を上回る
「レジ袋有料化」についての意見を紹介するアンケートも今回が2回目。店員の思わぬ本音を知ることができて、興味深い内容になったのではないだろうか。
前回の「お客編」では、「レジ袋を購入しない」派が圧倒的で、環境や節約のためにエコバッグを持参する人が多いことが分かった。しかし、実際にレジに立つ店員は、これまで通りお店がレジ袋を提供するほうがやりやすいと感じているのか、レジ袋有料化に「反対」という意見が多かった。
「お客編」「店員編」でも共通して見られたのは「レジ前で袋が必要か聞く」「万引きと間違えられそう」「前よりも会計に時間がかかる」といったもの。さらに周知が進んで店員もお客もエコバッグに慣れれば、今よりもスムーズに会計が進むのではないだろうか。有料化を悪用した万引きについては実施前から懸念されていたが、実際に対応に困っている店舗もあるようで、今後さらなる対策が必要となりそうだ。
意外とお店側から指摘されないと分からないのが「エコバッグが汚れている」というもの。袋詰めを手伝ってくれる店員さんに不快な思いをさせないよう、エコバッグのメンテナンスには気を付けたいものだ。
調査時期: 2020年8月15日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 307人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
