一般社団法人ストレスオフ・アライアンスはこのほど、「ストレスオフ県ランキング2020」を発表した。
同社団では全国10万人規模のインターネット調査「ココロの体力測定」を基に「日本人とストレス性疲労」の研究を進めている。
今回の調査は、緊急事態宣言明けの7月23日から7月27日にかけて、リラクゼーションドリンクブランド「CHILL OUT(チルアウト)」を販売するエンディアンと共同で、全国10万人の男女(20〜69歳の男女各5万人)に「ココロの体力測定」調査を実施。各都道府県500サンプル以上を確保し、その後人口比率(都道府県、年代、有職割合)でウエイト修正を行った。
今年は初めて男性版をプレスリリースで発表。第1位には、昨年第2位だった「青森県」が輝いた。女性は、「鳥取県」が2年連続、3度目の第1位に。2016年に初のストレスオフ県第1位に輝いて以降、鳥取県ではストレスオフを推進し、女性にとって暮らしやすい環境の維持に努めている。さらに、恵まれた自然環境やコーヒー県として知られるコミュニケーション文化など、さまざまな要因からコロナ自粛後の今も低いストレスオフ指数を維持できていると考えられる。
「ココロの体力測定」調査では、厚生労働省のストレスチェックB基準に照らし合わせ、回答者のストレスレベル割合を算出。第1位だった青森男性・鳥取女性は、全国平均と比較し「低ストレス者(39点以下)」割合が多く、逆に「高ストレス者(77点以上)」割合は少ない傾向となっており、高いストレスオフ指数に貢献していると考えられる。
今回は、東京で新型コロナウィルス(以下、新型コロナ)陽性者数が100人台後半で推移していた7月23〜27日の調査だったが、首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)では「不安がほとんどいつも」が男性10.5%、女性15.6%であったのに対し、青森男性は6.2%、鳥取女性に関しては7.5%と半分以下だった。今年のこの特殊な社会状況化において、これもストレスオフ指数の高さの要因の一つである可能性が考えられる。
新型コロナによる自粛生活の中で生活への不満度に関連する項目を見てみると、全国平均と比べ青森男性は「自粛期間後の勤務形態」「職場や自宅の協力体制」への不満が少ない傾向に。同社団の研究では、「通勤」が現代人のストレスに大きな影響を及ぼしている。通勤を含め、仕事にまつわる事柄のストレスの少なさが青森男性のストレスオフ県第1位に貢献している可能性がありそうだ。
一方の鳥取女性は、全国平均と比較して「現在の健康状態」への不満がもっとも少なく、コロナ自粛期間は運動不足を感じている人が多かった中、体調を維持できていることを示している。また「プライベートの満足度」「人とのつながり(リアルな人間関係」」など、コミュニケーション上手なオキシトシン県の鳥取女性ならではの特徴となっている。
緊急事態宣言期間中は外出もままならず、とくに不自由さを感じた時期でもあった。そんな中、青森男・鳥取女性ともに積極的なリラックス方法が、「温泉」だった。
青森男性が全国男性と比較し積極的に行っているリラックス方法は「BBQ」や「ドライブ」などの気晴らしや、「ガーデニング」「日曜大工・DIY」といったおうち時間を楽しむ方法。コミュニケーションを大事にしている鳥取女性は、「同性の友人との食事」が徐々に再開できていることも、リラックスにつながっているのではないか。また鳥取県と言えば、「コーヒー」。「機能性・栄養ドリンク」も含め、大切なストレスオフ行動になっているようだ。
全国のストレスレベルを2017年から4年間の変化を見てみると、男女ともにストレスの少ない「低ストレス者(39点以下)」の割合は年々減少しており、とくに今年は、男女ともに前年比で2割以上も減少している。ストレスが多いことを示す「高ストレス者(77点以上)」割合は、コロナ自粛後に実施した今年の調査は増加し、「低ストレス者が減り、高ストレス者が増えた」結果となった。
自然災害も多く、2020年はTOP10の順位に大きな変動があった。そんな中で健闘したのは、「山口県」。男性は2019年の16位から第2位に、女性は27位から第3位と、ともに大きくジャンプアップ。結果、男女総合ランキングでは第1位に輝いた。
また「東京都」は男女で差が。男性は28位から6位と順位を上げたが、女性は17位順位を落とし、42位という結果に。同社団の研究では、首都圏における「通勤」が現代人のストレスに大きな影響を及ぼしている。自粛期間のリモートワークで男性は通勤ストレスから解放され、逆に女性はパートナーが家にいることでストレスが多くなった可能性が考えられる。