リファレンスという言葉は、ITを始めとしてさまざまな分野で出てくる言葉です。また、分野・文脈によって意味が少しずつ変わってくることから、混乱しやすい言葉でもあります。

そこで、本記事ではリファレンスの基本的な意味を整理し、さまざまな分野やビジネスシーンでの意味について解説しました。他の言葉と結びついたときにどのような意味になるのかについても解説しますので、「リファレンスの意味がよくわからない」という方はぜひ最後までご覧ください。

リファレンス(レファレンス)の意味とは

リファレンスは、複数の意味を持つ言葉です。リファレンスの語源とリファレンスの持つ3つの意味をそれぞれ説明します。

  • リファレンス(レファレンス)とは

    リファレンスの基本的な意味を理解しておきましょう

リファレンスの語源は英語「reference」

リファレンスは、英語のreferenceが語源です。カタカナ表記でレファレンスと書く場合もありますが、意味は同じです。本来の意味は「〇〇に言及する」という意味ですが、元の意味から発展し、別の意味も持つようにもなりました。

参考・参照としてのリファレンス

リファレンスは、参考や参照という意味もあります。IT業界では、アクセス権の表現で「ref」「refer」などと記載して、ファイルやフォルダの参照権を表現。科学論文では参考文献のことをリファレンスと言いますが、この使い方も参考・参照の意味から来ています。

照会・問い合わせの意味としてのリファレンス

リファレンスは、照会や問い合わせという意味になるケースもあります。図書館のリファレンスサービスは、探し物の問い合わせに答えるサービスです。このケースでは、リファレンスは「照会・問い合わせ」の意味で使われています。

推薦状・身元保証書としてのリファレンス

「参照」という意味から発展して、リファレンスが推薦状や身元保証書としての意味となるケースもあります。海外で就職する際必要となる推薦状のことを「リファレンス」と表現するのはこのケースに該当します。

IT用語としてのリファレンス

リファレンスは、IT業界で頻出する言葉です。IT用語として使われる場合のリファレンスの意味について4つの例を紹介します。

  • IT用語としてのリファレンス

    IT用語としてのリファレンスはどのような意味を持つのでしょうか

基本の意味は「参照」または「マニュアル」

IT業界でリファレンスは、基本的に「参照」または「マニュアル」を指します。

アクセス権の「参照権」は、そのファイルやフォルダを参照できる権限のことです。普段使っている文書ファイルや、ファイルを保管しているフォルダには、通常参照権がついています。参照権がないと、ファイルやフォルダは開けません。

マニュアルの意味としてのリファレンスは、プログラミング言語やライブラリ(プログラム部品の集合ファイル)を利用する際の仕様書を指す言葉です。この意味で使う場合は「リファレンスマニュアル」という表現をする場合もあります。

「リファレンスコード」とは、プログラムの手本となる標準のソースコードのこと。リファレンスマニュアルに記載しきれない挙動を示すために、リファレンスマニュアルに記載されているコードです。

Perl言語におけるリファレンス

Perl言語でリファレンスという場合は、値が格納されている場所(アドレス)を参照している変数のことです。リファレンス変数を使うことで、複雑なデータ構造を作ることができ、引数に複数の配列やハッシュを引き渡せるようになります。

また、値を直接操作しないので、サブルーチンの戻り値を返すときにリファレンス変数を使用すると、高速に処理できる、というメリットもあります。

逆引きリファレンス

逆引きリファレンスとは、使いたい機能の索引から、その機能が使える関数やAPIを記載している資料のことです。リファレンスマニュアルは関数やAPIを索引としていますが、逆の使い方をするためこのように呼ばれています。

リファレンスアーキテクチャ

リファレンスアーキテクチャとは、よくある使い方を洗い出し、その使い方に対して典型的で運用実績のあるシステム構成をまとめたものです。利用方法を列挙して、その利用方法に対応したシステムの構築方法を探し出すという意味では、逆引きリファレンスのシステム構成版ともいえます。

システムのハード構成を一から構築する作業は、専門知識とテスト工数が必要です。しかし、リファレンスアーキテクチャがあれば、運用実績があるシステム構成で構築できるため、比較的少ない工数でシステムを構築できます。

科学分野におけるリファレンスの意味

科学分野でも、リファレンスはよく目にする言葉です。科学分野でのリファレンスの使い方について3つの例を紹介します。

  • 科学分野におけるリファレンスの意味

    科学分野におけるリファレンスの意味を知っておきましょう

論文におけるリファレンスは参考文献

科学論文において、文章を引用はしないまでも参考にする文献は、リファレンスと呼ばれます。参考文献は、あくまで参考にするだけのもので、記載内容をそのまま流用することはできません。

論文内で一部を引用する引用文献の場合は、サイテーション(citation)として区別されます。引用文献は、出典や著者名、引用ページ数などを明記する必要があります。

科学におけるリファレンスは対照実験の対照区

科学では、ある条件を確認するために、他の条件はすべて揃え、確認したい条件だけを除外して行う実験のことを「対照実験」と呼びます。対照実験は、科学実験の結果を検証するために、なくてはならない実験です。

「対照区」は、対照実験で特定の条件を除外して行った一連の実験のことで、「実験区」はもともとの実験のことです。この「対照区」を指す言葉としてリファレンスが使われます。

医療におけるリファレンスは会議や研究の意味になる

科学の中でも特に医療分野においては、リファレンスという言葉は会議や研究の意味で使われます。また、リファレンスセンターとは、症例に関するデータを集約して研究する施設のことです。

ビジネスシーンにおけるリファレンス

IT・科学以外のビジネスシーンでも、リファレンスが使われる場合があります。ここではよく聞かれる5つの例をピックアップして紹介します。

  • ビジネスシーンにおけるリファレンス

    ビジネスシーンにおけるリファレンスの意味を把握しておきましょう

リファレンスチェック(身元照会)

リファレンスチェックは、身元照会という意味です。会社側が求職者の人物調査や前職での勤務状況などを知るため問い合わせをすることを指します。身元照会としてリファレンスを使う際に「リファレンスを取る」という表現をする場合もあります。

リファレンスは、会社から求職者へ提出を求める場合と、会社から求職者が以前勤めていた会社に直接求める場合の2パターン。外資系の企業は、求職者へ直接求めるケースもあるようです。

リファレンスナンバー(参照番号)

リファレンスナンバーとは、航空券の予約番号や時計の型番、貨物の問い合わせ番号などを指す言葉です。いずれも何かを「特定」するために使われる番号と理解すれば問題ありません。

リファレンスサービス(調べもののヘルプ)

リファレンスサービスは、主に図書館で使われ、調べものに関するヘルプ作業全般を指す言葉です。

探したい本がある場合、図書館のリファレンスサービスを使って、本の探し方を教えてもらったり、探す手伝いをしてもらったりします。大きな図書館では、リファレンスサービスコーナーが設けられている場合も。また、メールや電話でも、リファレンスサービスは利用可能です。

リファレンスモデル(リファレンス機)

リファレンスモデルとは、メーカーが製造した標準モデルのことです。例えば、グラフィックボードの世界では、製造メーカーのリファレンスモデルに対し、販売メーカーがデザインをアレンジして販売するオリジナルモデルがあります。

リファレンスグループ(マーケティング)

リファレンスグループはマーケティング用語のひとつで、消費者行動に影響を与えるグループのことを指す言葉です。消費者行動理論ではなかなか合理的な説明ができないブランド選択や流行現象を検討し、現代の消費行動を説明するために、個人に影響を与える集団のことを検討する際に出てくる概念と考えてください。

リファレンスの利用シーン別の意味を知って使い分けよう

リファレンスの基本的な意味は「参照」です。多くの場合、この意味を覚えていれば、会話を進める中でもある程度は対応できます。ただ、IT業界や科学分野でも多く使われ、「参照」の意味だけでは理解しにくい場合もあるので要注意です。

会話の中で「リファレンス」が出てきて、参照として解釈してもよくわからない場合は、その場でどういう意味か確認しましょう。