伊藤園は8月24日、秋・冬向けの新製品としてホット対応の「健康ミネラルむぎ茶」を発表した。9月7日(月)より販売を開始する。ホット向けに味わいを変えており、275ml容器のPETボトル製品は電子レンジでの加温に対応。加温することで香りと甘みがより引き立つという。
「健康ミネラルむぎ茶」のおいしさの秘密
おいしく水分とミネラル補給ができる麦茶は、日常生活のみならず、昨今は外出時やスポーツシーンでの暑さ対策にも用いられるようになった。麦茶飲料市場は10年で約3.5倍に伸張しており、現在では年間を通して引用される飲料になってきている。
麦茶市場においてシェアNO.1を獲得している伊藤園の主力製品と言えば、2012年に発売された「健康ミネラルむぎ茶」だ。おいしさの秘密は「やかんで煮出した麦茶のおいしさ」を追求している点にあり、数種類の大麦をブレンドすることで香ばしさと甘さのバランスを実現、「媒体焙煎」と「熱風焙煎」を行った大麦を高温・長時間抽出することで雑味、苦みを抑え、甘み・香りを引き出しているという。
「健康ミネラルむぎ茶」は、厚生労働省が策定した食品中の放射性物質の新基準において、一般食品よりも基準値がさらに低い「乳児用規格提供食品」と同等の管理が適用された安全な飲料だ。このような取り組みが高く評価され「たまひよ赤ちゃんグッズ大賞」の「麦茶部門」において、4年連続第1位を受賞している。
温まりながらミネラルを補給できるホット麦茶
「健康ミネラルむぎ茶はお客様の生活スタイルに沿いながら新しい挑戦を続けてまいりました。ですがまだまだ我々にはやり残したことがあります。今年、健康ミネラルむぎ茶は温かい麦茶、ホット麦茶飲料市場に挑戦してまいります」(相澤氏)。
伊藤園 マーケティング本部 麦茶・紅茶ブランドグループ ブランドマネジャーの相澤治氏はこう述べ、ホット麦茶の可能性について話す。
ホット無糖茶飲料市場において、ノンカフェイン茶系飲料は順調な伸びを見せている。実は伊藤園では以前より自動販売機に限定して試験販売を行ってきており、ユーザーからは好評を得てきた。また同社の調べによると、2019年冬に自宅でホット麦茶を飲んだ方は10.4%にも上ったという(出典:2019年/伊藤園調べ/n = 500)。
「温かい飲料を飲まれるときに、10人に1人の方が麦茶を選んでいます。緑茶は36.4%、ほうじ茶は12.3%ですので比率としてはまだ少ないかもしれませんが、大きな変化と捉えています」と相澤氏は展望を述べ、自宅での飲用ニーズの高まりについて示唆する。
このような市場動向のもと、同社が満を持して9月7日(月)に発売するのがホット「健康ミネラルむぎ茶」だ。
PETボトル500ml/140円(税別)、PETボトル275ml/115円(税別)がラインアップされ、275mlは電子レンジでの加温に対応する。キャップを開けて500Wで約1分10秒加熱することで、おいしく飲むことができるという。
一方で「夏の麦茶には甘香ばしくて後味がスッキリした味わいが求められますが、冬の麦茶には甘さがしっかりありながらじわっと香りの余韻が広がるようなおいしさが求められます」と相沢氏は話す。この冬の麦茶のおいしさを実現するためにホット対応の「健康ミネラルむぎ茶」で新たに採用された焙煎方法が「新・ふっくら焙煎」だ。
ホット麦茶向けの焙煎方法「新・ふっくら焙煎」
「これまで試験販売を行うことで分かったことが1つあります。それは、お客様はホット麦茶において大麦の素材そのものの“甘み”を好んでいるということです。この甘みを引き出すためにはもっと大麦の芯まで焙煎し甘みを引き出す必要がありました」(大楽氏)。
伊藤園 マーケティング本部 麦茶・紅茶ブランドグループ 商品チーフの大楽泰督氏はこう話し、「新・ふっくら焙煎」について説明する。
「新・ふっくら焙煎」では焙煎を2段階に分けている。一次焙煎では火を高温で短時間入れることで大麦をポップコーンのように膨化させ、内部にスポンジ状の空洞を作っている。次にじっくり火を入れる二次焙煎を行うことで芯までしっかり火を入れることができ、甘みや香りがより向上するという。
合わせて、大麦のブレンド比率もホット麦茶に求められる味わいに合わせて調整。成分的にもコールド用の麦茶と同じだけのミネラル量を確保しているそうだ。相澤氏は冬のミネラル補給の重要さについて説明する。
「水分&ミネラル補給は夏だけの問題ではありません。寒くて乾燥する冬は、呼気や皮膚から水分が失われやすく、意外にたくさんの汗をかいています。冬の汗には、夏の約2倍のミネラルが含まれています。伊藤園ではPETボトルだけでなく、希釈缶やティーバッグ、粉末タイプなどを広くご用意しております。健康ミネラルむぎ茶は、夏だけでなくて、年間を通じてお客様の健康づくりをサポートしていきたいと考えています」(相澤氏)。