ドイツの高級時計メーカー「グラスヒュッテ・オリジナル」は、スウォッチ・グループジャパンの銀座「ニコラス・G・ハイエックセンター」にて、代表的なコレクション「セネタ」「SeaQ」などの新作発表会を開催。その中から特に印象に残ったモデルをご紹介する(記載の価格はすべて税別、価格と発売時期はすべて予定)。

セネタ・クロノメーター

航海用のマリンクロノメーターをモチーフとした「セネタ・クロノメーター」。42mmの18Kホワイトゴールド製ケースは実際のマリンクロノメーター同様すり鉢形状で、ベゼル縁にはコインエッジ・モールドがある。これは時計本体を箱から出し入れするとき、波で揺れてもしっかりホールドするためのグリップ彫刻を再現したもの。

  • レイルロードリングとローマンインデックスが歴史と気品を匂わせる

  • モチーフとなった航海用のマリンクロノメーターの実物

  • すり鉢状のケースがお分かりいただけるだろうか

  • ベゼルエッジのグリップ彫刻も再現

ダイヤルはソリッドゴールド製。デザインこそシンプルだが、レイルロードリングとローマンインデックスが歴史と気品を匂わせる。インダイヤルは12時位置がパワーリザーブ、6時位置がスモールセコンド。センターの分数は、世界限定25本を示すシリアルナンバー(写真はサンプルのため「OO」)。

カレンダー表示はパノラマデイト。ムーブメントはレッドゴールドガルバニック仕上げの手巻きで、ドイツクロノメーターを取得している。風防はサファイアクリスタルで、5気圧防水。ブルーのアリゲーターストラップが付属。価格は341万円で、8月発売。

SeaQ パノラマデイト

1969年、初めてのドイツ製ダイバーズウォッチが誕生した。その50周年を記念して2019年に登場した「SeaQ パノラマデイト」コレクションが、2020年はさらに充実しそうだ。

従来の39mmステンレススチールケースに加え、新たに43.2mmのステンレススチールケースとローズゴールドケースをラインナップ。ステンレススチールケースはアッシュブラウン、ローズゴールドケースはブラックのダイヤルとなる。

  • ステンレススチールケース(左)とローズゴールドケース(右)

  • ステンレススチールケースモデルも、りゅうずやベゼルはレッドゴールド

  • グラスヒュッテ・オリジナルのロゴがデザインされた、オープンハート仕様のローター

  • まるで削り出しのようなラグがワイルド!

防水性能は、39mmケースでは20気圧だったが、42.3mmケースでは30気圧に向上。ムーブメントは自動巻きで、パワーリザーブは100時間。りゅうずはねじ込み式。43.2mmケースにはブラックラバー、あるいはファブリック調のストラップがセットされる。

価格と発売時期は、ステンレススチールケースモデルが171万円で8月、ローズゴールドケースモデルが284万円で10~11月。

シックスティーズ(アニュアルエディション)

登場から3年目を迎えるビンテージコレクション「シックスティーズ」(アニュアルエディション)。1960年ごろの時計をイメージしたモデルで、アニュアル(「年に一度」の意)エディションの名の通り、毎年限定で生産されるダイヤルカラーがファンの大きな関心事となっている。

  • シンプルゆえにグレイシャーブルのーダイヤル色が際立つ三針

2020年の限定色は「グレイシャーブルー」。グレイシャーとは「氷河」の意。暗色から透明感のあるブルーグレーへのグラデーションは、取材現場の写真では表現が難しい繊細なニュアンス。サンバースト仕上げも相まって、今までに類を見ない表情だ。気になる方は店頭に足を運んで、ぜひ実物をご覧いただきたい。

  • クロノグラフ。3時位置のインダイヤルはスモールセコンド、9時位置は30分積算計

緩やかに婉曲したドーム型のダイヤルと、これに沿って曲がった針先、インデックスのオールドスタイルなアラビアフォントもシックスティーズの特徴。また、裾野の広い低山のようなケースバックは、クラシカルな雰囲気とともに手首に触れる面積が少なく、装着感も良い。

  • 歯車に施されている、まるで渦巻のような装飾は「ダブルサンバースト仕上げ」

  • 独特な形状のケースバック風防は、装着感の向上にも寄与

2020年は39mmケースの三針モデルと42mmケースのクロノグラフをラインナップ、ムーブメントは自動巻きで3気圧防水。ヌバック(皮革の表側をやすりで細かく起毛加工したもの)のカーフスキンストラップが付属する。価格は三針が77万円、クロノグラフが94万円。

パノマティックルナ(ブティック限定)

グラスヒュッテ・オリジナルを代表するモデル、オフセンターのメインダイヤルとムーンフェイズの個性が目を引く「パノマティックルナ」にグリーンダイヤルが登場する。

もとは2019年にドバイ限定で発売したモデル。これが大人気となり、今回、世界での発売につながった。通常モデルのダイヤルは単色だが、本モデルのダイヤルは製造工程を変え、ブラックからグリーンへのグラデーションを施している。なお、こういった加工は時計部品の95%を自社で製造する同社ならではの柔軟性の好例といえるだろう。

  • 通常と製造工程を変えてまで実現したこだわりのグリーンダイヤル

こうして表現された非常に深みのあるグリーンは、グラスヒュッテの工房があるチェコ国境付近の山深い森、またムーンフェイズはその湖に映る月をイメージしているという。

ムーブメントは自動巻きで、カレンダー表示はパノラマデイト。防水性能は5気圧。価格は、ヌバックのアリゲーターストラップ付きが108万円、ステンレススチールブレスレット付きが119万円。ブティック限定で発売中。