俳優の勝村政信が22日、所属事務所の公式サイトを通じ、先月18日に亡くなった俳優・三浦春馬さんへの寄せ書きが批判されたことについてコメント。謝罪すると共に、その真意を説明した。

勝村政信

勝村政信

昨年上演された舞台『罪と罰』で三浦さんと共演した勝村。公式サイトにアップされた文書によると、先月31日に共演メンバーらが集まり、三浦さんを偲ぶ会を行った。その集合写真を店側がSNSに投稿したところ、笑顔だったことやそこに写り込んでいた寄せ書きの内容に一部から批判の声が上がった。

勝村は2ページにわたる文書の冒頭で、「時には弟のように感じ、時には、20歳以上の年齢差があるにも関わらず、彼の方が兄のように思えたことも多くありました」とその人柄に触れ、「この度の訃報に際し、未だに驚きとか悲しみとかの具体的な実感が得られないほど、やり切れない不思議な感情を抱えています」と吐露。「そんな思いから、集まれる『罪と罰』のメンバーが心のうちを語り合い、春馬君にも語りかける場をもったのが7月31日のことでした」と経緯を明かした。

色紙に記した内容については、「僕は春馬君から『カッチン、カッチン』とずっと呼ばれていました。今でも、『カッチン!』と呼ぶ彼の大きな声が聞こえてきます。それに対して、僕は彼のことを語呂合わせみたいに『デカチン』という愛称で呼んでいて、稽古場でもどこでも2人で『カッチン!』『デカチン!』と呼び合っていました」と補足。「いつものように親しみを込めて彼の愛称を書き込んでしまいました」と釈明しつつ、「これは私の考えの浅さで、この色紙が多くの方々の目に触れる意識が全くなく、単に愛称を書いたという認識しかありませんでしたので、初めてご覧になった方が、その文字面に驚かれ、不快な思いをされたのは当然のことです。申し訳ありませんでした」と謝罪した。以下、全文。

■勝村政信コメント
私、勝村政信は、共演を通して三浦春馬さんと知り合い、長く親しくさせていただいておりました。時には弟のように感じ、時には、20歳以上の年齢差があるにも関わらず、彼の方が兄のように思えたことも多くありました。特に、今も繰り返し頭に浮かんでくるのは、2012年に共演した舞台「罪と罰」です。英国人演出家フィリップの高度な要求が次々と繰り出される現場にあって、春馬さんや他共演陣、スタッフたちと一緒に、濃密で充実した時間を共に走り抜けました。
激しい意見が飛び交う厳しさでしたが、休憩時間にはバカ話で笑い合う和やかな時間を共有でき、その成果は作品の高い評価に現れていたと信じています。
とにかく演出家も含めチーム全員の結束力が強く、絆の強さは共演から1年以上を経た今でも変わりません。その中心には、いつも三浦春馬さんの大きな存在がありました。

この度の訃報に際し、未だに驚きとか悲しみとかの具体的な実感が得られないほど、やり切れない不思議な感情を抱えています。そんな思いから、集まれる「罪と罰」のメンバーが心のうちを語り合い、春馬君にも語りかける場をもったのが7月31日のことでした。
まず、皆様にお詫びしなければならないのが、多くの方々が自粛を心がけている時期に、10人近いメンバーが飲食を共にする集まりを行ってしまったことです。
本来ならば、最年長の自分が自覚し注意すべきだったにも関わらず、全く考えが及ばなかった自分の非常識さに、今更ですが心から反省しております。大変申し訳ありませんでした。

また、皆様から多くお叱りをいただいているSNSに投稿された写真についても心よりお詫び申し上げます。私たちは、つい懐かしい稽古場での雰囲気のままに、明日もまた会えるかのような気持ちでカメラの向こうにいるに違いない春馬君にそれぞれが笑いかけていました。まだまだ衝撃や悲しさ、寂しさが癒えない方々の気持ちを思いやることもせず、ただただ春馬君に笑いかけていました。
そして、色紙についてです。文字を見て不快に思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、説明のために、そのまま書かせてください。

僕は春馬君から「カッチン、カッチン」とずっと呼ばれていました。今でも、「カッチン!」と呼ぶ彼の大きな声が聞こえてきます。それに対して、僕は彼のことを語呂合わせみたいに「デカチン」という愛称で呼んでいて、稽古場でもどこでも2人で「カッチン!」「デカチン!」と呼び合っていました。
そのため、皆さんが SNS で目にした色紙にも、いつものように親しみを込めて彼の愛称を書き込んでしまいました。春馬君個人にあてた色紙でしたので、いつものように愛称を書き込み、周りの参加メンバーも何も違和感をもたなかったのだと思います。
これは私の考えの浅さで、この色紙が多くの方々の目に触れる意識が全くなく、単に愛称を書いたという認識しかありませんでしたので、初めてご覧になった方が、その文字面に驚かれ、不快な思いをされたのは当然のことです。申し訳ありませんでした。
多くの皆さんから、還暦も近い大の大人がやることか!人間性を疑う!というお叱りが事務所に届いたと聞いています。何の配慮もなく、自分が書いたものが皆さんの目に触れる可能性もあると、こういう仕事をしているにも関わらず、深く考えてもいなかった自分に対しての当然のお叱りと受け止めています。

私自身、スマートフォンは使っていますが、Twitterやインスタグラムはやっていないため、投稿写真はお店の方が投稿したものです。でも、お店には全く責任はなく、投稿がどういう広がりや意味をもつのかきちんとした意識もなかった私が、お店からの問いかけにその場で了解を出してしまいました。それがどんな内容かの考えも全くなく、事務所への確認の必要性も思いつかず、了解を出していました。
皆さんからの問合せを聞いて驚いた事務所からの確認の連絡にも全くピンと来ず、きちんと理解するまでに時間を要してしまいました。そのため、今までご説明もお詫びの気持ちもお伝えできなかったことに対しても、大変申し訳なく思っています。

三浦春馬さんのファンの皆様、写真や書き込みを見て目を疑った皆様、その他の多くの方々が不快な思いを抱かれたことと、申し訳なさと恥ずかしさで一杯です。心よりお詫び申し上げます。
また、三浦春馬さんのご家族の皆様も、大変不快な思いをされたことと存じます。ご家族にも心よりお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした。

こういう私に対し、春馬君から「カッチン!何やってんですか!?」と怒られている気がしています。三浦春馬さん、本当に申し訳ありませんでした。

2020年8月22日

勝村政信

■所属事務所コメント
シス・カンパニーより皆様へ

この度は、弊社所属の勝村政信が、皆様にご迷惑をおかけいたしました。
事務所として、心よりお詫び申し上げます。

今回の件は、プライベート時のことで私どもも把握しきれておらず申し訳ありませんが、事実関係の確認ができ、勝村本人と話し合いをもちました。
そして、本人から、自分の言葉でお詫びの書面を書きたいとの希望がございましたので、前出のような文章を出させていただいた次第でございます。
本人も、心からの気持ちを書かせていただいております。最後までお読みいただけますと幸いです。

今回のことで、三浦春馬さんはもちろん、三浦春馬さんのご家族の皆様、ファンの皆様、今回の投稿に触れ不快な思いをされたすべての皆様に、事務所として心よりお詫び申し上げます。

今後、私どもも勝村政信だけでなく、所属俳優全員に細心の注意を払い、応援いただいてきた皆様の期待に背かないように努力していく所存です。何卒よろしくお願い申し上げます。

2020年8月22日

シス・カンパニー