テレビ朝日のドキュメンタリー番組『テレメンタリー2020』(毎週日曜4:30~)では、デマ情報で実名・顔写真を拡散されて犯罪者扱いされた『拡散 ~“ガラケー女”と呼ばれて~』を、23日に放送する。

  • 誹謗中傷の書き込みとSNSを見る被害者=テレビ朝日提供

昨年8月、茨城県の常磐道で起きたあおり運転・暴行事件。車を運転していた男と一緒にいて、暴行を制止することなく携帯電話で撮影していた女性は、ネット上で“ガラケー女”と呼ばれて非難の的となった。

その直後から女性を特定したかのようなデマ情報が。「“実名”(ガラケー女)の顔です。見つけたら通報しましょう」「ガラケー女、“実名”不細工でワロタ。さっさとこいつも捕まえろ」「死ね」「ブス女早く男と一緒に捕まれ~」…ネット上で誹謗中傷にさらされた女性は、実は事件とは全くの無関係だったのだ。

突然、犯罪者扱いをされ、ネット上で実名・顔写真を拡散された山田ミカさん(仮名・30代)の生活は一変。仕事や家族への影響、外出もできない日々を送り、1年経った今でも、誹謗中傷の書き込みの一部はネット上に存在し、被害は続いている。

ミカさんはデマを書き込み、拡散した「匿名の加害者」の責任を追及しようと弁護士と共に闘いを始めた。数千件の匿名の投稿者を割り出す作業は、様々な壁も立ちはだかるが、確実に投稿者を追い詰めていく。追及の手が迫っていることを知って、自ら名乗り出て謝罪してくる投稿者も100人以上出てきた。

取材の中で、悪意に満ちた投稿、拡散以外にも、安易な気持ちで無自覚のまま「加害者」になっているネット社会の危うさが浮かび上がってくる。

事件からちょうど1年、今年8月には、ミカさんが裁判に訴えた投稿者に初めて判決が下される。そして、他の投稿者への責任追及も続いていく。

山田ミカさんの闘いに1年間密着取材し、今も繰り返されるネット中傷、デマ拡散による悲劇の闇に迫る。