東芝インフラシステムズはこのほど、大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)の実証実験で使用している次世代改札機について、マスクなどを着用した際の顔認証精度を向上させたと発表した。
大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)は顔認証によるチケットレス改札の導入をめざし、2019年12月から2020年9月30日までの予定で、実験用改札機による実証実験を行っている。東芝インフラシステムズは他の3社とともに実験に参画しており、長堀鶴見緑地線ドーム前千代崎駅に顔照合技術を用いた改札機とQRコード認証技術を用いた改札機の計2機を設置している。
実証実験は大阪市高速電気軌道の社員モニターを対象としており、事前に顔データを登録した社員が改札機を通ろうとすると、備え付けのカメラで顔を認識し、データと一致すればゲートを開ける。同時に、社員モニターに持たせたQRコードを改札機で読み取ることで改札入退場を行う実証実験も行っている。
今回、東芝インフラシステムズは、顔認証とQRコード認証の2つの方式のどちらでも改札できるように改札機を改良。顔認証エンジンの更新により、マスクやメガネ・サングラスなどを着用したときの認証精度を18%向上させたという。ソフトウェア設計の見直しなどにより、通過処理速度を約40%向上させ、改札で立ち止まらないウォークスルー通行を実現したとしている。