「リボ払い」を利用するにあたっては、その基本的な仕組みと支払い方式について知っておくことが重要です。
今回は、難しい印象を持たれがちな「リボ払いの仕組み」について、わかりやすく解説します。リボ払いのメリット・デメリットや分割払いとの違い、利用時にチェックすべきポイントなどについてまとめたので、ぜひ参考にしてください。
リボ払いの仕組みとは?
そもそも、リボ払いとは「リボルビング払い」の略語で、クレジットカードやローンで利用できる支払い方法の一種です。
大きな買い物をした際にも、月々の負担を一定にできるため、家計管理がしやすいというメリットを持つ一方、金利手数料がかかるというデメリットも持っています。
そのため、リボ払いの利用時には、どのぐらいの金利手数料がかかるのかを事前に確認しておくとよいでしょう。また、リボ払いの支払い方式にはさまざまな種類があり、カード会社によって方式も異なるため、事前に確認しておくことをお勧めします。
リボ払いのメリット
以下、リボ払いのメリットについて紹介します。
高額の買い物ができる
リボ払いを利用することで、現金が手元になくても高額の買い物ができるというメリットがあります。
例えば、「新たなビジネスにチャレンジしたい」と考えた際に、もしも手元に充分なお金を準備できていなかったとしても、PCやタブレット、オフィスソフトなどの仕事に必要な機材を手に入れ、早期からビジネスをスタートすることができます。
機材の購入にかかった費用は、リボ払いによって遅れて請求されるため、ビジネスによって得た利益を支払いに充てることができます。
繰り上げ返済によって自由なタイミングで支払いできる
リボ払いを採用しているカード会社は、ほとんどの場合、何らかの形で繰り上げ返済が可能です。
返済方法の方式はカード会社により違い、提携先のコンビニATMから24時間いつでも返済、会員サイトから指定の口座に直接振り込むといった方法があります。
リボ払いで毎月の支払額を自分で変更できない場合は、繰り上げ返済を利用することで、金利手数料の節約が可能です。
リボ払いのデメリット
リボ払いにはメリットがある一方で、デメリットもあります。以下、リボ払いのデメリットを紹介します。
金利が高額
クレジットカードの種類にもよりますが、リボ払いの金利手数料の相場は15%程度といわれています。仮に、利用残高が30万円で年利が15%とすると、4,500円の金利手数料がかかる計算です。
もしもあなたがリボ払いを日常使いしていて、金利手数料を確認したことがないのであれば、一度、どれだけの金利手数料を支払っているか確認してみるとよいでしょう。「思っていたよりも多くの金利を支払っていた」と驚く方もいるかもしれません。
使いすぎの危険性
リボ払いによる支払いは毎月一定額であるため、一見、「支出が少ない」ように見えます。
たとえば、30万円の商品をリボ払いで購入したとしましょう。仮に毎月の支出を1万円に設定したとすれば、翌月、翌々月と口座からは1万円しか引き落とされません。
そうなったときに、「まだお金を使っても大丈夫」と考え、さらに高額の商品をリボ払いで購入すれば、毎月の支出はさらに拡大します。
リボ払いを利用する際には、毎月の支払額ではなく、「どれほどの額を、どれほどの期間で支払っていくことになるのか」を理解しておきましょう。クレジットカードには利用可能枠が設定されていますが、何も考えずにすべてリボ払いにしていると、いつの間にか利用可能枠ぎりぎりになってしまうかもしれません。
残高スライド方式は支払い終了まで時間がかかる
リボ払いを採用しているカード会社においては、残高スライド方式を採用しているケースが多いです。
先述したように、残高スライド方式において、利用者自身が毎月の支払金額を指定することはできません。そのため、本来ならばまとめて払うことのできるようなお金を持っていたとしても、何も手を加えない限りは毎月少しずつの金額を支払うのみとなり、支払い終了まで時間がかかり、金利手数料も多く支払うことにつながります。
残高スライド方式のリボ払いを利用する場合は、繰り上げ返済を積極的に利用して支払期間を短縮するといった工夫が必要です。
リボ払いの支払い方式「定額」「残高スライド」「定率」とは
リボ払いの代表的な支払い方式として「定額方式」「残高スライド方式」「定率方式」の3方式を紹介します。
定額方式
定額方式は、利用残高に関わらず、毎月一定の金額を支払う方式です。
月ごとの支払額を自分で決め、毎月指定した金額に加え、その時点での利用残高にかかる金利手数料を支払います。
リボ払いの利用残高が増えても、指定した金額は変わらず、金利手数料の部分だけが増え、利用残高がある限り支払いは続きます。
残高スライド方式
残高スライド方式は、リボ払いの支払残高に応じて毎月の支払金額が決まる支払い方式です。
毎月の支払額は、利用残高が10万円以内なら毎月1万円、10万円以上20万円以内なら毎月2万円……といった形で決まっており、利用者自身では毎月の支払金額を指定できません。
つまりは、リボ払いを利用して商品を購入し、利用残高を積みあげれば、その分支払金額が増加します。仕組みを理解せずに使っていると、「毎月1万円の支払いだったのに、今月からは急に2万円になってしまい、支払いに困ってしまった」といった事態にもなりかねないため、注意しましょう。
定率方式
定率方式は、その時点の利用残高に応じて、定率で支払額を決定する方式です。
例えば、利用残高が30万円で定率が5%と決まっている場合、30万円×0.05(5%)=1万5,000円がその月の支払額となります。その翌月は、28万5,000円×0.05(5%)=1万4,250円が支払額となります。
リボ払いの利用方法
リボ払いの利用方法には、いくつかの種類があります。
- 利用時選択型
- 登録型
- 後からリボ払いに変更
- リボ専用カードを利用
それぞれどのような利用方法かを解説します。
利用時選択型
利用時選択型は、クレジットカードで支払う際、およびキャッシングやカードローンでお金を借りる際に選択する方法です。
翌月支払うことができるなら翌月一括払い、金額の高い買い物をする場合はリボ払い、と使い分けがしやすい点が特徴です。
登録型
登録型は、すべての支払いを自動的にリボ払いにするという利用方法です。
毎回支払い方法を選択せずにすみますが、すべてリボ払いになるため、利用残高が膨らみがちで、金利手数料の負担が増大しやすくなります。
後からリボ払いに変更
利用しているカードによっては、会員用Webサイトなどを通じて、個別の支払いを翌月一括払いからリボ払いに変更できる場合があります。
この仕組みを利用すれば、支払時にはすべて翌月一括払いにしておき、状況に応じて、後からリボ払いに変更することが可能です。
リボ専用カードを利用
クレジットカードの中には、「リボ払い専用カード」があります。そのカードでの支払うことで、すべての支払いをリボ払いにすることができます。
リボ払いと分割払いの違いって?
リボ払いとよく似た支払い方法に、分割払いがあります。
どちらも、月々の支払額を少なくするという点では似ていますが、金利手数料の計算方式が違います。以下、両者の違いについて説明します。
リボ払いは利用残高に対して手数料がかかる
リボ払いは、毎月の支払額を計算するタイミングにおける利用残高に応じて、金利手数料を計算します。そのため、利用件数や1回の利用金額に関係なく、支払額は一定となります。
分割払いは1件ごとの明細に対して手数料がかかる
一方の分割払いは、利用明細1件ごとの支払いに対して、分割回数を指定して支払う方式。そのため、複数の明細を分割払いにすると、それぞれの金利手数料が合算され、一時的に金利手数料の支払いが多くなる場合があります。
リボ払いを利用する際のチェックポイント
リボ払いを利用する際は、いくつか確認しておきたいポイントがあります。以下、カードの作成・入手・支払いの各場面におけるチェックポイントをまとめました。
カード作成時の注意点は支払い方式・手数料率・利用限度額を確認
クレジットカードやローン用のカード作成時は、以下の3点を必ず確認してください。
- リボ払いにどのような方式を採用しているのか
- 手数料はいくらか
- 利用限度額はいくらか
リボ払いの支払いコースは、自分で設定できるようになっているカードのほうが、総支払額を調整しやすくおすすめです。
自分で毎月の支払額を設定できない場合は、繰り上げ返済がしやすいカードを選びましょう。コンビニのATMで返済できる、または会員サイトでいつでも振り込める、といった繰り上げ返済方法を提供しているカードが使いやすいです。
利用限度額においては、大きい方が使いやすいとはいえ、「自分はついつい使いすぎてしまう」と感じる場合には、あえて利用限度額を少なめに設定してカードを選ぶと、使いすぎを防げます。
入手時は利用規約や利用限度額を確認
クレジットカードやローンカードを入手したら、利用規約や設定された利用限度額を確認しましょう。利用限度額は、カード会社の審査によって、自分が希望した額よりも少なくなっていることもあるので必ず見ておいてください。
支払時は可能な限り金利手数料のかからない方法を選ぶ
カードの支払時やキャッシングでお金を引き出す際は、できればリボ払いを避けて、利息のかからない支払い方法を選べないか検討しましょう。
金利手数料のかからない支払い方法は、翌月一括払いだけではありません。分割2回払いやボーナス払いなど、金利手数料が不要の支払い方法もあります。
リボ払いの後は利用残高や翌月の支払額を確認
リボ払いで支払った後は、利用残高がどうなったか、また翌月の支払額がどのように変化するかを確認しましょう。
利用残高が大きく増えた場合、残高スライド方式だと翌月の支払額も上がる可能性があります。翌月に「残高不足で引き落とし不能」といったことにならないよう、注意してください。
余裕が出たら追加入金や一括返済を
ボーナス支給時のように、お金に余裕が出るタイミングもあるでしょう。その際は、繰り上げ返済や一括返済で、利用残高を減らすことはできないか検討してください。リボ払いを利用する際には、できるだけ金利手数料を少なく抑えるための工夫が重要です。
リボ払いの利用は計画的に
リボ払いは、毎月の支払額を一定にできる便利な支払い方法です。その一方で、金利手数料を支払うため、利用残高の調整や繰り上げ返済もうまく組み合わせて利用しないと、使いすぎてしまう可能性もあります。
リボ払いのメリットを活かしつつ、デメリットをできる限り対策することが、リボ払いを使いこなす近道。リボ払いの仕組みを理解し、上手に利用するようにしましょう。