米Googleは8月18日(現地時間)、「Googleマップ」のマップ表示の2つのアップデートを公表した。1つは、デフォルトのマップから自然の特徴を読み取れる新しいカラーマッピング、もう1つは正確な道幅や形状など詳細な道路情報を伝える。

マップ上では何もないように見えたのに、ビーチにたどり着くまで森の中を進まないと行けなかったというような経験はないだろうか。街の中でも様々な場所に自然がある。航空写真や地形表示に切り替えたら森の存在が分かるが、マップ・アプリのユーザーが普段使用するデフォルト表示ではズームアウトした状態だと、大きな道路や公園、河川などは把握できても自然の特徴は読み取れない。

  • 自然の特徴を伝えるカラーマッピング

    従来のマップ(左)だと山岳と道路しか確認できないが、新しいデザイン(右)では砂漠地域と緑がある地域、砂漠の中の大自然レッドロックキャニオンなどを把握できる

そこでGoogleは、高解像度の衛星画像(人の居住地域の98%以上をカバー)と、新しいカラーマッピングアルゴリズムを用いて、自然の複雑な特徴をカラーマッピングした。例えば、樹木が生い茂る場所は深いグリーンに、低い木々がまばらに生えているような地域は薄い影のようなグリーンで表現。ズームアウトした状態のデフォルトのマップからでも、海、河川や渓谷、砂浜、砂漠、緑地と荒れ地、森、山の冠雪など、様々な自然の特徴を把握できる。キャンプやハイキング、釣りなどアウトドアイベントを計画する時に、訪れる場所の自然の特徴が分かっていたら携行していくものなど準備しやすくなる。新表示は、Googleマップがサポートする220カ国と全ての地域において1億平方キロ以上をカバーする。自然が多い郊外の街や小さな街だけではなく、大都市であっても変化を実感できるとのこと。今週にロールアウトを開始する予定。

  • 従来のマップと詳細な道路情報に基づいたマップ

    道路の詳細情報に基づいたマップ(右)では、横断歩道の位置や正確な道幅などを読み取れる

道路の詳細情報は、ズームインした時に違いを実感できる機能だ。徒歩で移動する際、小さな子供を連れていたり、または荷物が多い時は歩道や横断歩道を使える道を選びたい。詳細な道路情報は、歩道、横断歩道、歩行者用の安全地帯などの正確な位置、道幅や道路の形状も正確に表示する。こうした情報はストローラーや車椅子などを使う人達の安全な移動をサポートし、そして新型コロナウイルス禍で増えている歩行者や自転車利用者にとっても有用なものになる。

詳細情報は、英ロンドン、米ニューヨークと米サンフランシスコで数カ月中に利用可能になり、他の都市に順次拡大していく計画だ。