シャープは8月17日、ローカル5G対応ルーターの試作機を開発したと発表。企業や自治体が特定のエリア限定で構築できる5Gネットワーク(ローカル5G)の実証実験やネットワーク検証用として、9月以降に提供開始予定だ。
IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax準拠で、Wi-Fi 6に対応する無線LAN(2.4/5GHz両対応)と、2.5GBASE-T対応のEthernet端子を1基装備。同ルーターを介して、工場などに設置したカメラやFA機器、各種センサーなどを無線/有線でローカル5Gのネットワークに接続でき、大容量データを超高速で伝送可能できるとする。
最大約3Gbpsで受信でき、送信時は最大約600Mbps(いずれも理論値)。無線と有線の同時使用が可能で、利用シーンや端末に応じた接続方法を選べるという。
さらに、ローカル5Gの周波数として2019年12月に制度化された「28.2-28.3GHz」に加え、今後の割り当てが検討されている「28.3-29.1GHz」「4.6-4.9GHz」にも対応。周波数の拡大も見据え、幅広いネットワークの検証に活用できるとしている。
約2.4型/320×240ドットの液晶ディスプレイや、USB 3.0対応のUSB Type-C端子、容量約4,000mAhのバッテリーを搭載する。本体サイズは157×84×16mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約270g。
ローカル5Gは、高速大容量、低遅延、多数同時接続など、5Gの特徴を生かしながら、個別ニーズに応じた独自のネットワークを構築できるため、建設現場での建機遠隔制御や医療施設での遠隔診療、生産効率を高めるスマート工場といったさまざまな用途での活用が期待されている。