累計2,500万部突破の大人気スポーツ青春漫画の初実写映画化作、『弱虫ペダル』が14日より全国公開される。連載開始から12年を迎えた同作は、アニメ・アニメ映画・舞台・小説・ドラマなど様々なコンテンツでメディアミックスされている。地元・千葉から秋葉原に自転車で通うアニメ好きの高校生・小野田坂道(永瀬廉)が、あることをきっかけに自転車競技部に入部することとなり、そこで出会ったかけがえのない仲間たちの為に、自分の限界や壁を越え、レースに勝利するための努力を覚えていく。
主演の永瀬はアイドルながら外見も原作に近づけ、伊藤健太郎らチーム・総北の仲間と共にロードレースの練習を重ね、撮影に挑んだ。今回は永瀬にインタビューし、撮影の苦労や作品への想いについて話を聞いた。
■覚悟を表したかった
――今回小野田坂道役に挑んだ永瀬さんですが、レースのシーンは少し見ただけでもキツそうで。外見もガラリと変えられましたが、役作りについて心がけたことをぜひ教えてください。
大変でした(笑)。でも、すごく楽しかったです。乗れば乗るほど、自分が速くなったのがわかるスポーツなので、撮影中にも自分の成長が感じられて、楽しかったです。外見については、まず前髪を眉より上に短くしたのは初めてだと思います。僕のジャニーズ史に残る役作りでした。新しい自分と出会えたような感じがして、鏡を見るたびに「どうも、初めまして」と(笑)。実際に度が入っているメガネをかけていましたが、つけて走る分には大丈夫でしたし、風から目をガードしてくれました。
――『弱虫ペダル』は大人気原作の実写化で、周囲からの反響も大きかったんですか?
「すごく楽しみにしているよ」や、「坂道を廉がやるの!?」など、反響はたくさんありました。「俺も驚いてるよ」みたいな(笑)。最初に公開されたビジュアルはまだ役作りをしていなかった時のもので、坂道とは程遠かったので「絶対に寄せていこう!」とも思いました。「ここまで似せられる」「ちゃんと覚悟を持っている」ということを表したかったので、前髪も躊躇なく切りました。
――実写映画で主演を務めるにあたって、他のメディア参考にはしたんですか?
漫画とアニメを拝見しました。ロードレースの熱量や疾走感をきちんと表現できるのかは、正直不安でした。でも、三木監督からは「坂道という人物を、自分の中でどう作り上げていくのか噛み砕いて考えてほしい」と言われていたので、キャラクターの基本は守りつつ、自分なりの坂道を演じられたらと思いました。
――坂道が好きなアニメの主題歌を歌うシーンも楽しみです。
劇中でも、いたる所で歌っています。街中を走るシーンの撮影は、通行人の皆さんがいらっしゃる場所でした。その中で普通に僕が「ヒーメヒメ ヒメ♪」と歌っているのが皆さんに聞こえていて、それは恥ずかしかったです!(笑)
――永瀬さん自身は、何かにのめりこむような一面は持っているんですか?
ゲームはすごくやっていますね。銃を使ってバンバン敵を倒す系のゲームです。中学生の頃は、ゲーム内の銃の発砲音だけでどのアイテムなのかわかるようになっていました。そう考えると、すごくのめりこんでいましたね(笑)。
■座長といて、気負わないでいること
――永瀬さんと伊藤さんは超人見知り同士だという話ですが、仲良くなったきっかけは?
普段から人見知りなのですが、この現場は共演者さん、スタッフさん含め元々知っている人がいなかったので、なおさら人見知りの面が出てしまいました。健太郎くんと仲良くなったのは、2人のシーンの昼休憩中で、伊勢うどんを食べに行ったことがきっかけです。伊勢うどんを食べながらお話しして、食べ終わったらソフトクリームを買って2人で食べながら帰りました。その途中に「恋人の聖地」というスポットがあり、カップルの方が写真を撮っていたんです。僕と健太郎くんも便乗して、2人でソフトクリームを持って、ピースして写真を撮りました(笑)。
――伊藤健太郎さんと橋本環奈さんは、King & Princeのメンバーである平野紫耀さんとも共演作がありますが、平野さんからお話を聞いたりはしたんですか?
もともと、紫耀が共演した作品の撮影をしていた時から現場の話を聞いていたので、紫耀から聞いた通りのイメージの方々でした。「橋本さんはすごくサバサバしている」と言っていたのですが、実際お会いしてみたら納得しました。健太郎くんも「仲良くなれたらよく話すよ」と言われていて、情報通りでした。
――現場もすごく仲が良さそうですし、共演の皆さんのキャラクターのなりきり具合についてはどんな感想でしたか?
栁(俊太郎)くんは、完全に巻島さんでした。もともとのお顔自体も似ているし、体型もすらっとしていて、背も高めで、ベストマッチだったのではないかなと思います。竜星(涼)くんも、金城さんのキャプテン感がありましたし、あと、顔が小さい! スタイルがいい!(笑) (菅原)健くんもすごい筋肉をつけていてお芝居になると田所さんにしか見えなかったし、竜星くんとの2人のコンビが面白かったです。
――永瀬さんは、昨年公開された映画『うちの執事が言うことには』から続けての主演となりましたが、座長として成長したと感じたことはありましたか?
映画、ドラマと出させていただいて、 座長と気負わずに、自然体でいるのが、1番自分に合っているのだと感じました。もちろん、宣伝活動では自覚と責任を持ってやっていますが、現場では自分が楽しむことを優先して、気負わずにやるのが、1番合っているのかな、と思います。自分が楽しむことによって周囲にも伝わればいいなと思いますし、その方がいい方向に働くのかなと思いました。
――『うち執』では差し入れをどうしようか悩んでいましたが、今回はそこはクリアされたんですか?
もう、バッチリです! たくさん差し入れさせていただきました。成長しました。
――今回新型コロナウイルスの感染拡大防止のための外出自粛期間などがありましたが、『弱虫ペダル』は無事に公開されることとなります。公開への思いもぜひ伺えると嬉しいです。
外出自粛期間中に公開する予定の映画が公開延期になったり、ライブがなくなったり、ファンの方も悲しい思いをしているというのはすごく伝わってきました。だからこそ公開できるのは、感謝の気持ちでいっぱいです。その気持ちを切らさずに、みんなが何の心配もなく、友達と横に座って「この映画、面白いね」と、映画館本来の楽しみ方ができるように願っています。
■永瀬廉
1999年1月23日生まれ、東京都出身。11年に関西ジャニーズJr.として活動を開始し、18年にKing & Princeとして「シンデレラガール」でCDデビューする。主な出演作に。『信長のシェフ』(13年)、『俺のスカート、どこ行った?』(19年)、『FLY! BOYS, FLY! 僕たち、CAはじめました』(19年)、映画『うちの執事が言うことには』(19年)など。King & Princeのニューアルバム『L&』が9月2日に発売。
(C)2020映画「弱虫ペダル」製作委員会 (C)渡辺航(秋田書店)2008